[管理番号:6144]
性別:女性
年齢:41歳
田澤先生、初めまして。
長文で失礼いたします。
私は既婚者で、妻が「乳がん」と診断されてしまいました。
家族構成は
妻41歳、子供3人(14歳女・12歳女、3歳男)の5人家族です。
家系に乳がんと診断されたものはいません。
毎年乳がん検診(エコーとマンモグラフィー)を受診しており何の症状もなく安心していた矢先、まさかの乳がん診断でした。
頭が真っ白となり、子供もまだ小さく先のことを考えると妻と私は不安で涙が止まりません。
そんな中、先生のQ&Aを発見し患者の立場に立ったご回答に感銘を受け、思い切って質問することとなりました。
まさかの乳がん発覚なので知識が薄く、失礼な点もあるかと思いますが、どうか宜しくお願い致します。
受診経過
・前回検診は2017年3月に人間ドッグ時、異常なし。
・2018年2月上旬に妻が健康診断のため地元市立病院を受診、エコーで右胸に気になるしこりがあるとのことで、要精密検査を進められる。
この時点で右胸乳頭上に約3cm×3cmのしこりに気が付き、他に症状一切なし。
・2月下旬に同病院で精密検査を受ける。
午前中エコー、マンモグラフィーを行うと、先生から右胸に確かに気になる影があるとのことで、
急遽午後に私も付き添いMRI(血管造影)と右胸から針を刺して細胞を採取。
(針生検) 細胞は他機関へ出すので結果は3月(上旬)日になるが、
先生の話だと7・8割は乳がんでしょうと言われ、不安を抱えたままその日は帰宅。
・3月上旬に同病院にて「右乳房浸潤性小葉がん」でルミナルBでしょうと最終診断される。
今後はCT検査などをして手術(全摘をすすめめられる。)、ホルモン・放射線治療、抗がん剤の有無は手術をしてみないとわからないとの説明を受ける。
しこりの大きさ、ステージ、リンパ節転移有無などの説明は一切なし。
今後の治療は何処の病院でしますかと問われ、頭が真っ白になっていましたが、私と妻は、まだ小さい子供もおり術例も知識が豊富な東京の病院がいいねと思っていたので違う病院でお世話になろうと考えていますと伝えると、紹介状を書くので直ぐにでも決めてください。
CTは紹介した病院で撮影することになると言われ、一旦退出すると看護士さんが近日中でいいですよと優しく声をかけてくれた。
病理組織検査報告書3枚の内容
・一枚目(一次報告書)
病理検査結果
「Invasive breast carcinoma,rt.breast,core needle
biopsy」
材料は右乳房腫瘤の針生検5本、いずれも小型異型腺細胞の索状浸潤像を呈す る腺癌である。
一部は乳管内増生する。
浸潤性乳癌で、乳管癌(硬癌)か、小葉癌のいずれの可能性もある。
※核グレードは、核異型2+核分裂1=3で、NG1でした。
また、
LobularとDuctalを鑑別するため、E-cadherinを実施いたします。
・二枚目(最終報告書)
病理検査結果<最終報告>
「Invasive lobular carcinoma,rt.breast,core needle
biopsy」
E-cadherin(-) MIB-1 index:3%
E-cadherinは腫瘍細胞で(-)でした。
従って、Invasive
lobular carcinomaと決定いたします。
また、MIB-1 indexは、
3%と低値でした。
・三枚目(最終報告書)
病理検査結果
HER2タンパク過剰発現:判定保留 スコア:2+
所見 観察される組織型:ILC 陽性占拠率:10%以上 陽性の局在:細胞膜
連続性(細胞膜):連続性 染色強度:中等度
ER:TS=PS(5)+IS(3)=(8) (+)80% PgR:TS=PS(5)+IS(3)=(8) (+)70%
質問事項
①妻の小葉がんがどの程度の状態なのか良く分からりません。
手術前検査は終了しているのでしょうか。
情報が足りないかもしれませんが、先生のお考え(見立て)をお聞きしたいです。
ステージ、リンパ節転移の有無、ルミナルタイプ(Aではないのでしょうか?)など。
特にリンパ節転移が気になっています。
現段階では分からないのでしょうか。
②小葉がんの場合、乳がんの10%の割合で非常に珍しいために予後が悪いとの話も聞きますがいかがでしょうか。
先生のQ&Aではそんなことはなく、低頻度で腹腔内再発の可能性があるとの先生の回答でしたが、腹腔内再発を防ぐ治療や検査はあるのでしょうか。
③今後、東京の某A病院で受診手術予定ですが、一般的な今後の治療の流れをお聞きしたいです。
あと、ルミナルBなので抗がん剤治療は必要になりますか。
東京隣県なのですが通院に2時間弱かかってしまい、手の離せない小さい子もいるため頻繁に通うのは難しいので心配です。
人に聞いた話では
手術後の放射線治療で1カ月毎日病院に通わなければならず、体調も悪い日もありかなり大変になるとの話も聞きました。
④妻は、再発や出産はもうしないので全摘を希望していますが、全摘がベストでしょうか。
Q&A回答では小葉がんの場合、全摘の方が安全とありましたが、妻の状態でも同じお考えでしょうか。
⑤MIB-1とKi67は同じでしょうか。
⑥先生がおすすめするOncotypeDXを受けたほうが良いでしょうか。
⑦FISH検査とはどの様な検査でしょうか。
先生、お忙しい中恐れ入りますがどうか宜しくお願い致します。
返信お待ちしております。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「ステージ、リンパ節転移の有無」
⇒ステージは「腫瘍径」と「リンパ節転移の(画像上の)有無」で決まります。
メール内容からは、どちらも不明です。
「ルミナルタイプ(Aではないのでしょうか?)など。」
⇒これは、間違いなくルミナールAですね(典型的な「大人しい小葉癌」)
★HER2 2+だからFISHをして「陰性と確認」した上での話です。
「特にリンパ節転移が気になっています。現段階では分からないのでしょうか。」
⇒担当医がエコーしていれば判断付く筈(エコーしてませんか?)
「②小葉がんの場合、乳がんの10%の割合で非常に珍しいため」
⇒そもそも「10%=非常に珍しい」という図式がおかしいですね?
乳癌は日本だけでも年間7万人以上、つまり年間7000人以上もいて「珍しい」はないでしょう。
「予後が悪いとの話も聞きますがいかがでしょうか。」
⇒予後はむしろいい(質問者の場合も「典型的な大人しい小葉癌」です)
「腹腔内再発を防ぐ治療や検査はあるのでしょうか。」
⇒そもそも極めて低頻度なので、気にする必要はありません。(特別な予防法などありません)
「一般的な今後の治療の流れをお聞きしたいです。」
⇒小葉癌である程度以上の拡がりがあれば(主治医が言う様に)乳房全摘でしょう。
(リンパ節転移の画像所見が無ければセンチネルリンパ節生検が標準術式です)
その後は、(全摘なので)放射線は不要。 (ルミナールAなので)ホルモン療法単独です。
「あと、ルミナルBなので抗がん剤治療は必要になりますか。」
⇒ルミナールAなので不要です。
「手術後の放射線治療で1カ月毎日病院に通わなければならず、体調も悪い日もありかなり大変になるとの話も聞きました。」
⇒そもそも放射線照射で体調は悪くならなりません。
更に、質問者は全摘すれば放射線治療そのものがありません。
「全摘がベストでしょうか。
Q&A回答では小葉がんの場合、全摘の方が安全とありましたが、妻の状態でも同じお考えでしょうか。」
⇒小葉癌というだけで全摘の適応というわけではありませんが…
広範囲ならば、それが安全です。
「⑤MIB-1とKi67は同じでしょうか。」
⇒その通りです。
「⑥先生がおすすめするOncotypeDXを受けたほうが良いでしょうか。」
⇒その値(1桁)では不要(ルミナールAという判断で間違いないでしょう)です。
「⑦FISH検査とはどの様な検査でしょうか。」
⇒HER2の免疫染色が2+であった際に「陽性か?陰性なのか?」調べるものです。(25%で陽性となります。)
質問者様から 【質問2 小葉がんについて】
性別:女性
年齢:41歳
前回タイトル 小葉がんについて
[前回管理番号:6144]
前回はご回答頂きありがとうございました。
地元市立病院から紹介状で東京の病院で治療することになり、同病院にて2月下旬に再検査(首と胸の超音波、PET、血液、胸部レントゲン、肺活量)を終え、昨日検査結果をお聞きしてきました。
検査時に病理プレパラートを地元市立病院から頂き提出してほしいと言われたので提出し、病理再検査の結果も聞きました。
検査結果
再検査の結果、私立病院の病理結果と同じとのことでしたが、気になっていたHER2タンパク過剰発現は:1+(FISHの必要無し)でルミナールAタイプですとのことでした。
また、腫瘍径(浸潤径)が思っていたよりもかなり大きく約7cmとので、ステージはT3,N0,M0でⅡB期だと聞かされました。
幸いに超音波とPET検査ではリンパ節転移は見られないとのことでとりあえずほっとしています。
ただ左胸にも気になる1cm程の低エコー域が見られるが多分、乳腺症でしょうとのことで、念のため次回検診時に針生検しましょうとのことでした。
担当医から今後の手術予定ですが、まず左胸の病理検査結果を見てですが、もし乳がんだった場合、右胸は予定通り全摘で左胸は温存になるとの説明でした。
私が気になるのは、担当医から右胸の全摘予定手術ですが、ルミナールAタイプですが腫瘍径が大きいため、抗がん剤はした方が術後の予後を考える上で良いでしょう、術後結果によっては放射線治療もすることになるでしょうとの説明。
また、全摘手術は皮膚の内側に沿って腫瘍を摘出するが、MRや超音波を見ると浸潤径が大きいため皮膚に達している可能性があり、手術しても残ってしまうかもしれません。
断片陽性となる可能性があるので、術前化学療法で腫瘍を小さくしてから全摘手術をする方法もある。
その場合、術前と術後に分けて抗がん剤投与を受けることとなり、手術は4か月先になるとの説明でした。
私の知識で小葉がんに術前化学療法は聞きにくく小さくなる可能性が低いと思いますがと聞いてみると、担当医は確かにその通りですが、小さくなる例も多々あります。
小さくなって手術すれば断片陰性となる可能性は高くなります。
やってみなければ何とも言えませんとのことでした。
担当医も、まず全摘手術をして病理結果を見てみるのと術前化学療法を行うか、どちらでも良いので決めてくださいとのことでした。
質問事項
①左胸の約1cm大の低エコー域ですが、先生のお考え(見立て)をお聞きしたいです。
もし乳がんだった時、田澤先生でしたら右胸と併せてどの様な治療になっていくのでしょうか?
②右胸の小葉がんは、全摘手術か術前化学療法かどちらにするのがベストなのか非常に迷っています。
妻は、悪いところは直ぐにでも取りたいとの思いらしく全摘手術を希望していますが、全摘手術を選択した場合、やはり断片陽性になる確率が高くリスクが伴いますか?
術前化学療法だと抗がん剤を術前と術後に受けなくてはならなくなり、妻の体や精神的にも負担がかかってしまうと思います。
また、小葉がんには効果が表れにくく、小さくなりずらいという点も気になっています。
妻に最善の治療をさせてあげたいです。
田澤先生でしたらどちらを選択しますか?どちらを選択した場合でもメリット・デメリットも教えていただきたいです。
③右小葉がんについては私自身ルミナールAタイプだと思っていましたので、全摘手術→ホルモン療法だと思っていたのですが、腫瘍径が大きいため、抗がん剤と放射線治療が必要と聞き妻も私もショックを受けています。
田澤先生も担当医と同意見でしょうか?
④担当医にOncotypeDXを受けたほうが良いでしょうかと聞いたところ、気になるならしても良いと思いますが、回答は低リスクで来ると思いますとのことでしたが、田澤先生は実施した方が良いと思われますか?
田澤先生どうかよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
申し訳ありませんが…
あまりにも主治医と言う事が異なることに腹を立てない様に願います。
全摘と決まっていて(しかもルミナールAなのに)「術前化学療法を提案するなど、論外」
「ルミナールAタイプですが腫瘍径が大きいため、抗がん剤はした方が術後の予後を考える上で良いでしょう」
⇒とんでもない!!
抗癌剤の適応はありません(上乗せはありません)
「腫瘍が大きいから(小葉癌の場合、「大きい」というよりは「拡がりが広い」ということですが、それはともかく)抗癌剤」など全く論外。
ルミナールAでは「腫瘍径やリンパ節にかかわらず、抗癌剤は有効では無い」ことは解っています。
「術後結果によっては放射線治療もすることになるでしょうとの説明。」
⇒皮下のリンパ管侵襲が広範にあれば考慮しますが…
小葉癌が乳腺内に拡がっていても、照射など「全く不要」です。
「手術しても残ってしまうかもしれません。断片陽性となる可能性がある」
⇒こんなことを言うようでは…
手術の精度に問題があることを露呈しています。
「左胸の約1cm大の低エコー域ですが、先生のお考え(見立て)」
⇒MRIを見ていないので勿論判断しようがありませんが…
乳腺症である可能性が(頻度としては)高いでしょう。
「もし乳がんだった時、田澤先生でしたら右胸と併せてどの様な治療になっていくのでしょうか?」
⇒その程度の(たまたま見つかった)病変ならば、その主治医と同様に「同時に部分切除(センチネルリンパ節生検も省略)」します。
「②右胸の小葉がんは、全摘手術か術前化学療法かどちらにするのがベストなのか非常に迷っています。」
⇒術前抗がん剤など1000%ありえない治療です。(論外)
「全摘手術を選択した場合、やはり断片陽性になる確率が高くリスクが伴いますか?」
⇒全く馬鹿馬鹿しい。
全摘で断端陽性などありえません。
「田澤先生でしたらどちらを選択しますか?どちらを選択した場合でもメリット・デメリットも教えていただきたいです。」
⇒術前抗がん剤など1000%ありえません。(メリットとかデメリットの問題ではありません)
「抗がん剤と放射線治療が必要と聞き妻も私もショックを受けています。」
⇒全く「極めて無駄な」心配をさせられています。(可哀想に思います)
「田澤先生も担当医と同意見でしょうか?」
⇒ありえません。
「田澤先生は実施した方が良いと思われますか?」
⇒この点だけは唯一(その医師と)同意見です。(「低リスクで来ると思います」)
質問者様から 【質問3 小葉がんについて】
性別:女性
年齢:41歳
前回タイトル:小葉がんについて
[前回管理番号:6144]
田澤先生、ご無沙汰しております。
先日はご回答ありがとうございました。
前回質問の左胸1cm程の低エコー域は病理検査の結果、乳腺症と主治医から聞き安心しました。
4月中旬に右胸全摘手術をし、下旬に退院、先日の5月下旬に手術の病理結果、今後の治療方針について主治医より説明を聞いてきました。
病理結果ですが
組織型:浸潤がん → 一般型:浸潤性乳管癌(硬がん)
→ 特殊型:(浸潤性小葉がん)
リンパ節転移:なし センチネルリンパ節生検(0/2)
ERとPgR:ER(+) PgR(+)
HER2:0
浸潤径:(病理:5cm、総合的には5cmは超える)
脈管侵襲:なし(リンパ節にいくまでの通り道にがんがある)
核異型度:1
手術の断端:陰性(-)
主治医の話だと病理の結果、小葉がんと乳管癌(硬がん)の混在でした聞かされ、ステージは、腫瘍径が病理結果で5cmでしたが、実径が5cmを超え7cm位であり、総合的に見てT3,N0,M0のⅡB期と判断しますとのことでした。
今後の治療ですが、経過観察中リスクであるのと、やはり腫瘍径から化学治療として抗がん剤をハーフクール、のちにホルモン療法(タモキシフェンを5年~10年)を病院方針として進めるとのこと。
妻の現状は術後経過も順調で、特に症状もなく仕事に復帰していますが、今後の治療方針に迷いを感じていますので、改めて田澤先生のご意見をよろしくお願いします。
質問事項
質問① 手術後の病理結果が出た現状、改めて妻の小葉がんの状態を田澤先生はどの様に思われますか?先生の率直な意見をお聞きしたいです。
質問② 主治医から術後病理結果を見てもやはり抗がん剤を進めると言われました。
Q&Aで田澤先生の「(腫瘍径が大きい or リンパ節転移陽性の)luminalAの閉経前乳癌」では「化学療法の上乗せ効果が無い」という発表がありました。
(SABCS 2015)との回答を複数拝見し、「1秒の迷いもなく、抗がん剤なし」との先生のお考えも重々承知しておりますが、それでも病院として、または主治医として抗がん剤を進めるのは何故でしょうか?抗がん剤をすることにメリットはあるのでしょうか?
改めて先生のお考えをお聞かせください。
質問③ もしも抗がん剤をすることになったら、ハーフクールとはどのようなペースで治療することになるのでしょうか?
質問④ Q&Aでリュープリン注射という治療を拝見しますが、どの様
な治療、効果があるのでしょうか?また、妻の場合でも適用になるのでしょうか?
再発の可能性が少しでも下がるのであれば治療したいと考えています。
質問⑤ ホルモン療法(タモキシフェン)ですが、私の浅はかな知識でタモキシフェンよりレトロゾールのほうが再発リスクが下がるという記事を見たことがあるのですが、薬の違いと先生のお考えをお聞きしたいです。
また、ホルモン療法は副作用から子宮筋腫や卵巣嚢腫になりやすいとのことですが、大丈夫でしょうか?
質問⑥ 術中のセンチネルリンパ節生検で転移なし(0/2)と主治医から聞き、安心しましたが、0/2ということはセンチネルリンパ節2個中の転移なしが0個だとは思いますが、2個中0個は転移なしと思って良いのでしょうか?0/3、0/4、0/5の様に摘出リンパ節数が多い方が、確率が上がり、間違いない様に思うのですが。
いかがでしょうか?
質問⑦ 主治医に乳癌術後の定期検査を聞くと、「乳癌診療ガイドライン(2015版)」に則った定期検診となり、1年に1回の診察(問診・視触診)とマンモグラフィ・超音波検査になると言われました。
たしか田澤先生は3か月に1度の定期検診(超音波)を進めると覚えがあり、私自身も最低半年に1度の定期検診だと思っていたのですが、本当に1年に1回の定期検診で大丈夫なものでしょうか?
質問⑧ 妻の乳がんは小葉がんということもあり、非常に見つかりにくく今日に至ったと承知していますが、主治医に何時頃から病巣があった
と思われるか質問したところ、腫瘍径からおそらく2年以前だと思いますとのことでした。
妻は毎年定期検診を受診し、約1年前には人間ドッグで超音波検査(マンモなし)をしたのですが、何故このような腫瘍径になるまで発見できなかったのでしょうか?このようなことはよくあるのでしょうか?
先生、ご意見をどうかよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
メール内容は前回とあまり変わりないようですね?
要するに主治医は「大きいから抗癌剤すべき」のようですが、私にとっては、全く無意味な話です。
今回は、回答しますが、何度も「だけど、主治医がこう言うんです…」的な質問は
(これを最後に)終りにしましょう。(私が、その主治医に説得されることは、申し訳ありませんが、ありえません)
「質問① 手術後の病理結果が出た現状、改めて妻の小葉がんの状態を田澤先生はどの様に思われますか?」
⇒全く、普通です。
小葉癌で(画像以上に)病理学的に拡がりが大きいケースは「しばしば」経験することであり、特に予後に関係しているようには思いません。
「改めて先生のお考えをお聞かせください。」
⇒当然、ホルモン療法単独です。
「質問③ もしも抗がん剤をすることになったら、ハーフクールとはどのようなペースで治療することになるのでしょうか?」
⇒私は抗癌剤しません。
私がコメントすることではないでしょう。
「妻の場合でも適用になるのでしょうか?」
⇒40歳以下で行います。
「タモキシフェンよりレトロゾールのほうが再発リスクが下がるという記事を見たことがあるのですが、薬の違い」
⇒そもそも「閉経前にレトロゾールの適応はなし」です。(問題外)
閉経前はタモキシフェンです。
「摘出リンパ節数が多い方が、確率が上がり、間違いない様に思う」
⇒無駄な侵襲です。
その理屈でいえば、(センチネルリンパ節生検などせずに)「郭清した方が安心」という理屈となり「本末転倒」となります。
「本当に1年に1回の定期検診で大丈夫なものでしょうか?」
⇒そうは思いません。
ホルモン療法で3カ月に1回受診するのだから、診察してもらいましょう。
★無駄な抗癌剤を勧めておきながら、診察はしないというのは、極めてバランスに欠ける(あくまでも私見です)
「何故このような腫瘍径になるまで発見できなかったのでしょうか?」
⇒しこりとして認識しずらい=画像診断が「やや」困難なところはあります。