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数値と治療について

[管理番号:6851]
性別:女性
年齢:54歳
病名:乳がん
症状:

昨年12月に乳がんと診断されました。

ナベルビン+ハーセプチン+パージェタで治療していましたが、効かなくなり、6月にドセタキセルに変えました。
それから順調に数値が下がっていたのですが…

9月(中旬)日の検査で
KL-6が1621
CEAが29.22
CA15-3が103.7
だったのが、
10月(上旬)日の検査で
KL-6が1614
CEAが37.20
CA15-3が90.2

となりました。
主治医は、効きが悪いと言っています。
このまましばらくドセタキセルを続けて、また効いてくるということはないのでしょうか?
11月に血液検査をするのですが、主治医は、「数値がよくなっていたら、ホルモン剤+ハーセプチン+パージェタでいくが、悪くなっていたらカドサイラ+ハーセプチン+パージェタでいく」と言っています。

田澤先生ならどのようにお考えになりますか?
お忙しい中とは存じますが、よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

詳しい記載がありませんが…
診療内容から推測すると「手術不能あるいは転移性乳癌」なのだと推測します。
また(通常測定しない)KL-6を測定していることからは胸水があるのでしょうか?

「ナベルビン+ハーセプチン+パージェタで治療していましたが、効かなくなり、6月にドセタキセルに変えました」
「田澤先生ならどのようにお考えになりますか?」

→抗HER2療法の1次治療および2次治療ですね。

 まだまだ効果の期待できる薬剤がありますから、敢えて「ドセタキセルを変えずに様子をみる」という選択はしません。
 それでは、どうするか?

 HER2陽性の3次治療としては以下の3つに大別できます。

 1.カドサイラを用いる
 2.ハーセプチン+パージェタを継続し「抗がん剤を変更」する。(この場合にはハーセプチン+パージェタ+パクリタキセル)
 3.(一旦ハーセプチン及びパージェタは止めて)bevacizumab + paclitaxelとする。

 担当医は1を選んでいるようです。(最も一般的な選択と言えます)
 ただ、私であれば(1や2より先に)まずは3を行います。

 
 

 

質問者様から 【質問2 抗がん剤について】

性別:女性
年齢:54歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生、先日はご回答いただきありがとうございました。

今はドセタキセルを使っているのですが、それが効かなくなって次の抗がん剤に変えた場合(まだ何かとは決まっていません)、
その抗がん剤の効果がある期間は、ドセタキセルの半分だと主治医は言います。

さらにその次の抗がん剤の効果は、その半分の期間…と、抗がん剤を変えるたびにどんどん効く期間が短くなっていくと聞きました。

そのこともあり、今とても不安になっています。

主治医の言う通り、抗がん剤を変えていくとそのたびに効果のある期間は短くなっていくのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「主治医の言う通り、抗がん剤を変えていくとそのたびに効果のある期間は短くなっていくのでしょうか?」
⇒物事の本質を外れています。

 物事は、ただ「ダラダラ引き延ばす」ことがいいとは全く思いません。
 あくまでも目標を設定して、それに向かう「vision」が必要です。

★質問者の状況がどうなのかはわかりませんが…
 (効く抗がん剤を)「後にとっておく」という考え方をする医師がいることは知っていますが…

 大事なことは「どうしたいのか?」です。

 私は「画像上、消失」させ、それを「維持」することだと思っています。

 
 

 

質問者様から 【質問3 これからの抗がん剤治療について】

性別:女性
年齢:54歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生、こんにちは。

いつもご回答ありがとうございます。

①11月初旬に、ドセタキセルからカドサイラに変わりました。

今のところ(私の場合)、1つの抗がん剤が効くのが3・4ヶ月なのですが、
これから治療を続けていく中で、もっと長く使える(よく効く)抗がん剤に当たることはあるのでしょうか?
ダラダラ続けるのがいいことではないのは承知の上なのですが、「効く」抗がん剤に出会えるのか不安です。

②ビタミンC点滴療法やハスミワクチンについて、先生はどのようにお考えでしょうか?

お忙しい中とは存じますが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「もっと長く使える(よく効く)抗がん剤に当たることはあるのでしょうか?」
→勿論です。

「②ビタミンC点滴療法やハスミワクチンについて、先生はどのようにお考えでしょうか?」
→エビデンスがありません。(効果が証明されていないのが現状です)

 費用対効果から、決して勧められません。

 
 

 

質問者様から 【質問4 ホルモン剤について】

性別:女性
年齢:54歳
病名:乳がん
症状:

いつもご回答ありがとうございます。

TS-1、ハーセプチン、アリミデックスで3クール治療しました。

3月→6月で以下のようになりました。

CEA:2700→141
CA15-3:800以上→336
肝転移:主治医が驚くほど小さくなっている

主治医が言うには、何が効いているのかわからない(TS-1がそれほど効くとは思わない)とのことです。

もし、ホルモン剤が効いているのだとすれば、(抗がん剤のように)ホルモン剤がいずれ効かなくなるということはあるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「もし、ホルモン剤が効いているのだとすれば、(抗がん剤のように)ホルモン剤がいずれ効かなくなるということはあるのでしょうか?」
→抗がん剤もホルモン療法も同じです。

 大事なことは(効いている今こそ)手を抜かずに画像上CR(もしくは腫瘍マーカー正常化)まで頑張り、その(いい)状態を楽な治療(ホルモン療法単独など)で
(可能な限り)維持することだと思います。

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

治療について
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん
症状:

いつもご回答ありがとうございます。

6月から10月初旬まで、引き続き、TS-1、ハーセプチン、アリミデックスで治療しました。

その結果、
6月から8月初旬までは
CEA (141→65)
CA15-3 (336→110)
肝転移 (かなり小さくなっている)となっていました。

その後、9月初旬は
CEA (80)
CA15-3 (124)

10月初旬は
CEA (103)
CA15-3 (144)
肝転移 (肝臓全体に広がっている状態)となっていました。

肝臓については、画像では転移が広がっているのですが、肝転移の数値は変わらない(もしくは下がっている)ので、主治医も疑問に思っているようでした。

治療は、フェソロデックス、ベージニオに変わりました。

今回のように、画像と数値が比例しないということはよくあるのでしょうか?
また、田澤先生なら、今後どのような治療をご提案してくださるのか、教えていただけるとうれしいです。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

かなり断片的な情報なので…
記載内容から推測した回答します。

「肝臓については、画像では転移が広がっているのですが、肝転移の数値は変わらない(もしくは下がっている)ので、主治医も疑問に思っている」
⇒ここでいう「肝転移の数値」とは?

 腫瘍マーカー(CEA・CA15-3)は上がっているので、違いますね?

 もしかして肝酵素(ALT/AST)のことですか?
 それならば、肝転移だけでなく「薬剤性肝障害」も関係するので、肝転移だけを反映はしません。

「今回のように、画像と数値が比例しないということはよくあるのでしょうか?」
⇒上記

 腫瘍マーカーと画像は比例してますよね?

「また、田澤先生なら、今後どのような治療をご提案してくださるのか、教えていただけるとうれしいです。」
⇒過去の「回答1」で書いた通りです。

 
 

 

質問者様から 【質問6 】

乳がんの進行について
性別:女性
年齢:55歳
病名:乳がん
症状:

田澤先生、いつもご回答ありがとうございます。

ここ3日ほど、体(腕や足)に赤い斑点が出て、痒みがあります。

気づいたのが最近なだけで、もしかすると前から斑点があったかもしれません。

これは薬の副作用か、または乳がんの進行によるものなのでしょうか?

※ベージニオは下痢が酷いため、もう3週間ほど飲んでいません。

また、3週間ほど37.5前後の熱が続いています。
起きた時にすでに熱がある時もあれば、夕方や夜から出てくる時もあります。

主治医は、腫瘍熱と言いますが、やはり乳がんが進行して熱が出ているのでしょうか?

お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。

「ここ3日ほど、体(腕や足)に赤い斑点が出て、痒みがあります。
気づいたのが最近なだけで、もしかすると前から斑点があったかもしれません。
これは薬の副作用か、または乳がんの進行によるものなのでしょうか?」

→副作用でしょう。

「※ベージニオは下痢が酷いため、もう3週間ほど飲んでいません。」
→そもそも、HER2陽性では使ってはいけない薬剤です。(適応外診療)

「また、3週間ほど37.5前後の熱が続いています。
起きた時にすでに熱がある時もあれば、夕方や夜から出てくる時もあります。
主治医は、腫瘍熱と言いますが、やはり乳がんが進行して熱が出ているのでしょうか?」

→肝転移が広範囲なのであれば、その可能性も否定できません。