[管理番号:1201]
性別:女性
年齢:41歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
初めまして。お忙しい中、長文となりますが先生のご意見を聞きたく、メールいたします。
今年の6月に右胸が痛み内科を受信した所、痛みは胸だね。いちを乳腺クリニックを受信してみたら?と言われ、6月に受診しました。
触診、マンモ、超音波。結果右胸は帯状疱疹前の痛みと言われ、痛みのない左胸から分泌物が出てるからと細胞診をしました。
結果が下記になります。
臨床診断:左乳腺腫瘍 採取部位:左乳汁
細胞診断:indeterminate 左Dis:良性(see comment)
細胞所見:組織球とともに、核腫大した乳管上皮細胞が小集塊で少数出現しています。
核の大小不同、核形不正認めます。intraductal papillomaとductal ca.の
indetermimateとします。
(コメント)組織球僅かな清明背景+乳管上皮細胞小集塊。二相性あるようです。
乳管内乳頭腫を考えます。ご精査下さい。
との細胞診結果報告書をもらいました。その日に先生から造形剤を注入した検査をします。
予定は最短の日時を伝えられ検査した所、やはり1本の乳管が詰まってるね・・と。
次は、その乳腺をとる手術をした方が良いからと、またも最短の手術日を言われ、私が返答できずに居ると、3か月後の診察予約とります。あとは造形剤抜きながら看護
師から説明を聞いてと別室へ。4日の入院や手術の内容を聞き、仕事の調整もあるので即答は出来ません。と伝えた所、ご家族と相談した上で日程の電話下さいと。
結局経過観察を選び、昨日3か月めの診察を受診した所、まず看護師から手術どうしますか?ご家族と相談しました?先生に何と報告しますか?と言われ、私は経過観察
の診察と思ってました。。息子と2人で離れて暮らしてるので、心配は掛けたくないので相談はしてません。
解りました。と待合室で待ってると、息子さんはいくつですか?成人してるんですね?と聞かれ何か複雑な気持ちになり、そのまま超音波検査を受けると、分泌物はで
なくなったと伝えると、造形剤いれるとでなくなるんだな~と看護師と話してました。
その後しこりが以前より大きくなってるからと、今度はマントームをするから最短日時は明日の昼~と週末土曜だね。と。前回は手術を勧めといて、今回はマントーム?
正直納得がいかないのですが、素人の私からすると手術する前にマントームではないのでしょうか?
行く度に内容がかわり、今回看護師の説明では先生が丁寧に超音波でみてくれて乳腺内がボコボコしてるので、その腫瘍を検査しましょうとなりました。
いつにしますか?と。先生は急がなくてもと言いながらも、最短の日程を言われるし、実際私の病気は現状なんなのか?と凄く不安な日々を過ごしてます。
セカンドも考えましたが、同じ検査をするなら費用も嵩むし、納得は出来ないけどここでマントームをするべきか。。
日々悩んでおります。結局今回も電話予約して下さいと言われ今日に至ります。
長々とすいませんが、出来ることなら先生のご意見をお聞きしたいと思いますので、何卒宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
メール内容は非常に興味深いものです(質問者の意図からは、少し脱線する面もあり
ますが、この機会にコメントさせてください)
左単孔性分泌があり、分泌細胞診でindeterminate(鑑別困難)
(分泌細胞診に意味が有るかの議論は別として)「乳管造影をまともにできる」医師
に久しぶりに遭遇しました。
このQandAを注意深く読んでもらうと解りますが、
如何に私が「単孔性分泌では、是非とも乳管造影して欲しいが、乳管造影をする(で
きる)医師が居ない事を」嘆いているのかが解ると思います。
それは、私が江戸川病院に赴任した1年数カ月前に「乳腺外来には乳管造影の器具も無いし、看護師も聞いた事もない」という状況だし、
『乳管造影って、どのように撮影するのですか?』と全てのレントゲン技師から聞かれたことにも最初は衝撃を受けました。
ただ、QandAで「質問者達が受けている診療」を知るにつれて、「乳管造影をしない(失われた技術となっている)」現実を知る事に至ったのです。
♯話は脱線しますが、日本が優位を保つことができた「下町の町工場の卓越した技術」が(後継者不足で)失われてきているような感覚です。
「乳管造影に用いる器具」を注文しても業者からは「受注生産であり、殆ど注文が無く暫く待ってほしい」と言う現状をみるにつけ悲しくなっていたのです。
質問者の今回の担当医は
「乳管造影」をして「乳管区域切除術」を勧めています。
○残念なことに(説明不足なのか)質問者に、「その意義について、良く伝わってはいない」ことが悔やまれます。
「乳管造影で陰影欠損」
⇒『乳管内病変(良性なら乳頭腫、非浸潤癌の可能性もあり)が疑われる』
⇒「乳管区域切除」で責任乳管(腫瘍のある乳管)を乳頭直下から末梢まで完全
に切除することで『乳管内に複数の病変が存在していても、全ての組織診断ができる
♯乳管内病変は良性と悪性が別々に存在する事も『決して稀では無い』のです。
○これに対して「しこりをマンモトーム生検する」ことは、
(乳管内に複数有るかもしれない内で、超音波で見える)最大病変だけを検査するということになります。
本当は(乳管内に複数病変が存在しているかもしれないので)「乳管区域切除により乳管全体を評価したいけれど」それは入院治療(当院なら2泊3日ですが)となるので、「せめて最大病変だけでも検査して欲しい」
という担当医の意図だと思います。
これらの診療状況は「私でも全く同様にする」ものであり、「正しい診療」だと思います。
ただ、悔やまれるのは「おそらく、説明不足があり」正しく「診療の意図が質問者に伝わっていない」ことです。
回答
「その後しこりが以前より大きくなってるからと、今度はマントームをするから最短
日時は明日の昼~と週末土曜だね。」
⇒冒頭のコメントから「お解りいただけた」でしょうか?
本当は「乳管区域切除で、乳管全体の評価をしたい」けれど、(それができないの
であれば)「最大病変だけでも評価」した方がいいという意図なのです。
「前回は手術を勧めといて、今回はマントーム?正直納得がいかない」
⇒今回の回答で納得いただけたでしょうか?
「先生は急がなくてもと言いながらも、最短の日程を言われる」実際私の病気は現状
なんなのか?」
⇒「最短」で検査をすることは私は賛成です。
ただ、「説明不足」な事が悔やまれます。
「実際私の病気は現状なんなのか?」
⇒乳管内病変(乳管内乳頭腫もしくは乳癌)が疑われています。
「セカンドも考えました」
⇒質問者の気持ちも解りますが…
実際説明不足があるようです。(乳管内病変については、説明がやや煩雑となりが
ちです)
ただし、冒頭でコメントしたように今時「乳管造影ができる」乳腺外科医は珍しい
のです。
(勿論推測ですが)そのような医師は「診断技術も治療技術も信頼できるレベルに
ある」と思います。
質問者は非常に幸運なのだと、私は感が居ています。
○実際に「大○病院」とか「○んセンター」などの大病院に行けば解りますが、「そ
のようなレベルの医師は殆どいない」ことに気付かされるでしょう。
質問者様から 【質問2】
先日長文の質問に、本当に解りやすく回答を頂き有難うございました。
お礼をと思いホームページを拝見した所、閉鎖となってて・・
今日開いたら再開してたので、新たに質問させて頂きたくメールします。
先生からの回答を得て、踏ん切りがつきマントーム検針を受けました。
当日表面に近いので細い針に急遽変更となり検査し、先週結果を聞いた所、病理の先生もかなり悩んだようですが、非浸潤ガンとの判断になりました。
と言われ下記の診断を受けました。
乳管拡張があり分泌物で満たされてる。やや拡張気味の小乳管内で
上皮が乳頭状からアーチ状など多彩な形態をもって増生してる。筋
上皮はあり乳管内の病変。細胞診はFNABCではなく乳頭分泌物のはず。
色素CD10.P53.CK5/6で上皮増生病変はいずれも二
相性ある乳管内ですが増生細胞でCK5/6のモザイク状染色パター
ンは得られない。
以上から、FEAとextensiveADH,さらに壊死
物ある篩状のDCSIありと考えます。vanNuys分類Group2です。
ER:J-score3B陽性Aiiredscore3+5=8PR:
J-score3bで陽性Allredscore3+8=8HER2:陰性(1+)
(DCIS)でした。との結果です。もしお時間有れば、解りやす
く回答頂きたくメール致しました。宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
マンモトーム生検したのですね。
早期発見です。
とてもよかったです。
キーワードはflat epithelial atypia(FEA)とatypical ductal hyperplasia(ADH),
ductal carcinoma in situ(DCIS)です。
乳管上皮が乳管内病変として多彩な形態を示し増殖しており、「特殊染色(CD10.
P53.CK5/6)のパターン」から上記病変と診断されたのです(FEAは前癌病変、ADH
は小範囲の非浸潤癌、DCISは非浸潤癌です。各段階の病変が混在しているという事です)
vanNuys分類とは「非浸潤癌の分類」であり、Group1~3まであり、質問者は(中間である)2と言うことです。
ERもPRも文句なしの強陽性です。
(参考) 100の細胞の内1個が染色されれば「1%」となります。
この%を用いた判定法がJ-scoreです。質問者は★となります。
J-score
Score 0:染色される細胞が無い
Score 1 〃 1%未満
Score 2 〃 1~10%
Score 3 〃 10%以上(50%未満を3a, 50%以上は3b★)
Score 0を陰性
Score 1,2を境界域
Score 3を陽性
⇒更に「染まっている割合」と「染まっている濃度(強度)」の組み合わせがAllred
scoreです。質問者は★となります。
Allred score
染色細胞割合(PS)
1:染色される細胞が0~1/100
2: 〃 1/100~1/10
3: 〃 1/10~1/3
4: 〃 1/3~2/3
5: 〃 2/3~1★
染色強度(IS)
0:全く染まっていない
1:弱く染まっている
2:中間程度に染まっている
3:強く染まっている。★
♯判定基準 染色細胞割合(PS)+染色強度(IS)=TSとして3以上を陽性
○HER2は陰性です(本来非浸潤癌では検査自体の適応はありませんが…)♯HER2は浸
潤癌でのみ意味のあるものです
質問者様から 【質問3】
いつもお忙しい中、回答頂き本当に有難うございます。
先日先生から返答頂き、それまでは不安な日々でしたが、前向きに考える事が出来るようになりました。
主治医でも無い中で、みなさんの不安や疑問に的確な返答を頂き、どれだけの方が救われてるかと思うと、本当に頭が下がります。
昨日現病院へ行き、公○病院を紹介して頂きました。
これも先生の一言がきっかけとなりました。
今後は検査の上、手術が決まると思いますが、温存なのか全摘なのかまだまだ不安はありますが、しっかりと向き合っていきたいと思います。
また改めて報告させて頂きます。
あと。。。また先生を頼ってしまう事もあると思いますが何卒宜しくお願い致します。
当初の診断から、今の気持ちへ切り替える事が出来、田澤先生に本当に感謝しております。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
最初の状況から、確定診断へいたり、公○病院で手術(予定)
質問者の辿ってきた診療は大変良かったです。
結果として「診断まで遠回りして、不幸な転帰に至る」人たちが大勢いる中で、「最善の方向へ導けた」ことに安堵しています。
自分の選択に自信を持って治療してください。
質問者様から 【質問4】
先日、東北公○病院に行ってきました。前病院のデーターを元に、○○先生の超音波検査を受け、非浸潤癌がどの位置にあるかと、今後の手術等は聞いてますか?と聞かれ、何も聞いてません。
と答えると、乳頭周辺にまで広がってるようなので、全摘+同時再建の手術を薦めます。と言われました。
私自身、非浸潤でも温存か全摘か悩んでたので、先生の話を聞き、この方法での手術を決めました。
ただ温存の話から入ると思ってたので、正直一瞬動揺してしまいました。非浸潤癌でもやはり癌の位置により、全摘を薦めるのでしょうか?気持ちは固まってますが、当初より田澤先生のご意見を聞き今が有るので、是非先生の意見を聞きたくメール致しました。全摘+同時再建の手術、及び術後の流れなど教えて頂けると助かります。
あと田澤先生にMRI検査のみでと聞いてましたが、先日尿・血液・肺・心電図・CT検査をして、来週MRIと口腔外科の受診、月末最終
決定・来月中旬手術の日程となりました。入院は最短で2週間です。
CTをしたのは予想以上に癌の広がりが大きかったのでしょうか?
いつも長文にての質問すいませんが、宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「非浸潤癌でもやはり癌の位置により、全摘を薦めるのでしょうか?」
⇒私の考えですが…
非浸潤癌であれば「腫瘍の位置は無関係」と思います。
つい先日も「乳頭近傍の癌」を手術しましたが、「実際のマージンは乳頭を超えて」乳腺を切除することで十分可能です。
「乳頭に直接浸潤」していない限りは「乳頭そのものとの距離」は取れることが多いのです。
ただし、私はこの場合「実際に超音波していません」
超音波で「広範な拡がり」が疑われれば、「温存術はリスクがある」と判断するかもしれません。
○ご本人の希望がなければ「術者としては」安全に「全摘を勧める」気持ちもよく解ります。
「全体が隈なく非浸潤癌であれば、全的で根治」という背景も(治療する側からは)あります。
「全摘+同時再建の手術」
⇒乳房切除(全摘)+センチネルリンパ節生検を行います。
当然、(質問者の場合には)センチネルリンパ節生検の術中迅速病理診断は陰性だと思います。
♯万が一、ここで陽性の場合には(公○病院では)再建を中止すると思います。
(施設によって基準は様々です)
乳房切除を通常通り行い
(ここで、形成外科医に術者交替して)
大胸筋下にポケットを作成し、ティッシュエキスパンダーを留意します。
「術後の流れ」
⇒生食バックに「定期的(1週間~2週間毎)」に形成外科医が(外来で)生食を少量ずつ注入します。
半年程度かけて膨らませて、その後(術後1年までの間となると思いますが)「シリコンインプラント」に入れ替えます(これは形成外科単独で行います)
○病変全体が「術後の病理診断で非浸潤癌」と証明されれば、「術後の一切の補助療法は不要」となります。
理論上、根治となります。
「先日尿・血液・肺・心電図・CT検査をして、来週MRIと口腔外科の受診」
⇒「尿・血液・肺・心電図」は全身麻酔の為の検査です。
「CTは実際は不要」と私は思いますが、「念の為」という位置づけです。
逆に「全摘と決まった」のであれば「MRIは無意味」と思いますが…(ただ、全摘と完全に決まった訳ではなく、最終的にMRIも参考に意思決定が最終的に行われる可
能性を考えてでしょう)
「口腔外科」も「全麻手術の際の感染予防」として「ルーティーン化」されたものです。
「CTをしたのは予想以上に癌の広がりが大きかったのでしょうか?」
⇒違います。
「CTでも拡がり診断を行っている」ことと「念の為」として施設の方針として行われているだけだと思います。
質問者様から 【質問5】
先日もお忙しい中ご回答頂き、本当にありがとうございました。
先生が乳頭近くでも温存手術をしたと聞き、まだMRI等も終えてないので、私にも選択肢はあるのかな?と思い病院へ連絡しました。
看護師さんが出て、前病院でのデーターと先生が超音波を見て長年の見解では、乳頭近くまで広がってるようなので安全を考えて全摘+同時再建と言う選択肢を提案されたとの事でした。
検査(MRI)等もしてなく、先に形成外科での再建説明を受けそれしか選択肢はないものと気持ちの上では全摘を決めてましたが・・
田澤先生がおっしゃる様に、これからMRIなどの検査結果を見て、最終判断をするようです。乳頭に近い場合はやはり全摘でしょうか?
無理に温存をしてリスクを背負うよりも、全摘+同時再建を選択すべきでしょうか?
実際に田澤先生に診察をして頂いてない中で、先生も相談されても言いようがないと思いますが、浸潤してなければ温存できるなら。。と今さらながら少し決断をにぶってしまいます。
お忙しい中何度も申し訳なく思いますが、先生のご意見をお聞きしたくメールさせて頂きます。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「乳頭に近い場合はやはり全摘でしょうか?」
⇒その程度次第です。
「無理をして」と言う意味ではありません。
かつて同様のQandAで「図で示した」ことがあるのですが、
「乳頭から近い」ようでも「実際には乳頭から十分な距離をとれる」ことは多いのです。
○MRIの結果をもって、「総合的に判断」してもらいましょう。
安全性が優先されるべきなのは言うまでもありません。
質問者様から 【質問6】
いつも適切な回答頂き、本当に有難うございます。
診察初期から手術迄、田澤先生に相談のって頂き今に至れる事に
本当に感謝いたします。昨日検査結果と術式の説明を聞いてきました。
0期非浸潤癌・全摘+同時再建との事でした。ほんの少し温存の希望をもってましたが、MRI・CT検査により、広範囲の広が
りが見られるので(66mm)との事です。
現段階では浸潤、リンパ、遠隔は0。手術中にリンパ節を検査して万が一の場合は、再建は出来ませんが、おそらく再建へ薦めるでしょう。
1週間ドレーンを入れて、その後の状況を見て退院。
術後の治療は病理の結果にもよりますが、定期健診のみで治療は行いません。
形成外科にて通院して貰います。
以上が最終報告でした。先生の手術等を拝見してると、ドレーンは使用しないとの事ですが、使用するのはその病院によるのでしょうか?
ドレーンを入れると辛いと聞きますが。。
術式も全て決まり、入院を待つだけとなった今になり、今後への不安がでてしまいました。
多くの方々が、先生への回答待ちの中で貴重な枠を使わせて頂くのは申し訳なく思いますが、同時再建とその後について、ご回答頂けると助かります。
お忙しい中、宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
順調に「早期発見、早期治療」へ勧めて何よりです。
「先生の手術等を拝見してると、ドレーンは使用しないとの事ですが、使用するのはその病院によるのでしょうか?」
⇒私はドレーンはいれません。(温存でも全摘でも)
「出血やリンパ液などの術後の心配がなければ不要」なのです。
おそらく、他には「(全摘でも)ドレーンを入れない医師」はいないでしょう。
ただ、当院でも「同時再建」となると、「形成外科医がドレーンを要求する」ので
(実際に、形成外科医は普通に出血させているので)ドレーンは入れています。
ただし、術後4日目に抜去し、5日目に退院としています。
「同時再建とその後について、ご回答」
⇒生食を少しずつ注入して「半年」ほどで「シリコンインプラント」へ入れ替えます。(形成外科で)
質問者様から 【質問7】
以前先生から適切なアドバイスをいただき、○済病院にて12月左胸全摘+再建手術をしました。
その節は大変お世話になりました。
今日病理結果がでました。
術後の追加治療はないと思ってましたが、以下の診断結果によりリンパ節二個の内1つに800umの微小転移が見られ、臨床的には転移なしの診断ですが、ご本人も不安でしょうからとノルバデックス5年の服用をといわれました、、、どうしますか?と聞かれましたが、やはり服用した方がよいのでしょうか?
予定外の診断で少し戸惑ってしまい、また田澤先生へのご相談に頼ってしまいました。
お時間のある時に宜しくお願い致します。
非浸潤性乳菅癌
悪性度 Ⅱ リンパ節転移 あり1/2 (800の微小転移、臨床的には転移なし)
切断断端 陰性 エストロゲン、プロゲステロン共に100%陽性
サブタイプ ルミナールAタイプ
非浸潤でもルミナールと診断されるのでしょうか?
どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
「○済病院にて12月左胸全摘+再建手術をしました。」
⇒手術が終了して何よりです。
「800umの微小転移が見られノルバデックス5年の服用をといわれました」「やはり服用した方がよいのでしょうか?」
⇒本来、非浸潤癌で全摘していれば(ホルモン療法などの)「全身療法は不要」となります。
しかし、(担当医からも言われたとは思いますが)「微小転移があったということは(厳密な意味では)どこかに浸潤巣(微小浸潤だとは思いますが…)が存在している筈」と考えるべきです。
とすると、「(微小)浸潤癌と仮定してホルモン療法を行う」事には正当性がでてきます。
お互い(医師側も患者さん側にも)安心感があると思います。
「非浸潤性乳菅癌 悪性度 Ⅱ リンパ節転移 あり1/2 (800の微小転移、臨床的には転移なし)切断断端 陰性 エストロゲン、プロゲステロン共に100%陽性サブタイプルミナールAタイプ非浸潤でもルミナールと診断されるのでしょうか?」
⇒サブタイプは元来(マイクロアレイを用いた)「遺伝子変異」により分類するものです。(但し、便宜的に免疫染色で代用されています)
非浸潤癌も、同様に「遺伝子変異」を持ち分類されます。
本来「非浸潤部分と浸潤部分が混在」する場合には「浸潤部分のサブタイプが重要」なのですが、今回のように「浸潤部分が不明」な場合には「非浸潤部分のサブタイプで考える」のです。