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サブタイプ不一致の治療方針について

[管理番号:8580]
性別:女性
年齢:46歳
病名:右乳がん
症状:
投稿日:2020年5月28日

田澤先生こんにちは。

??術前 針生検
ホルモン受容体 陽性
Her2 陰性
ki67 50%

??術後 病理結果
ER (-)
PgR(-)
HER2-Score 0
MIB-1(+)90%
P53(+)95%

温存手術 2×2.5 cm
grade 3
リンパ転移無し
—–
手術前の針生検ではホルモン受容体陽性でしたが、
温存手術後の病理結果でホルモン受容体陰性となり、トリネガの診断を受けました。
 
ちなみに術前針生検を受けた病院から転院して乳がん手術治療を行ったので病院が異なります。

術後は、ddAC 4回、ウィークリーパクリタキセル12回、
放射線治療25回を先日終えました。

放射線治療終了時、主治医の診断にて、
針生検で陽性がでているので、これからタモキシフェン10年の治療指示を受けました。

質問1
サブタイプはトリネガでよいのでしょうか?

質問2
標準治療としてホルモン治療を受けるべきでしょうか?

質問3
副作用が怖くて、ホルモン治療に気乗りがしないのですが、ホルモン治療しないと再発リスクは上がるでしょうか?

質問4
トリネガは抗がん剤が良く効くという話を励みに治療してきましたが、ホルモン受容体陽性だと抗がん剤の効き目が変わりますか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「質問1
サブタイプはトリネガでよいのでしょうか?」

⇒術前針生検で陽性であればルミナールタイプでいいと思います。
 術前抗がん剤をしたことで(手術後のサブタイプは)参考程度となります。

「質問2
標準治療としてホルモン治療を受けるべきでしょうか?」

⇒そう思います。(上記)

「質問3
副作用が怖くて、ホルモン治療に気乗りがしない」

⇒気持ちは解りますが…

 「やってみてから考えるべき」では?(「食わず嫌い」という言葉もあります)

「ホルモン治療しないと再発リスクは上がるでしょうか?」
⇒ルミナールタイプであれば、「ホルモン治療をすることで再発率は下がる」ことが期待されます。

「トリネガは抗がん剤が良く効くという話を励みに治療してきましたが、ホルモン受容体陽性だと抗がん剤の効き目が変わりますか?」
⇒考えすぎ!

 そもそも「トリプルネガティブ」は「こういった性格」といった単一の集団ではなく、(ER,PgR,HER2が陰性であるというだけの共通点を持っている)
「種々雑多な集団」なのです。

 抗がん剤が効くタイプもあれば、全く効かないタイプもある。
 そういうことです。