[管理番号:3182]
性別:女性
年齢:53歳
初めてお問い合わせさせていただきます。
妻が乳ガンと診断され、それ以降このサイトでの色々な情報、参考にさせていただいております。
是非先生のご意見をお聞かせいただきたくご質問させていただきます。
実は1週間程前に妻が乳がんの宣告を受けてしまいました。
まだどのような種類の癌なのかはわかりませんが、乳がんの大きさ約2cm、脇の下のリンパに1.8cmの転移、鎖骨下のリンパ2箇所に1cm程の腫大が認められ転移巣の可能性あり。
ということです。
今のこの状況からするとステージ3Cと考えておいたほうが良いのでしょうか?
ステージ3Cだとすると、ネットで調べると5年生存率25%とかなり厳しい状況のようです。
来週癌専門の病院にかかるのですが、事前にネットで調べると怖い情報ばかりで心配で仕方ありません。
鎖骨の下のリンパ1cm程の腫大、それも2箇所というのは転移巣の可能性は高いのでしょうか?よろしくご教示お願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
鎖骨下に存在するリンパ節は「小胸筋の裏側(レベル2)」と「小胸筋より内側(レベル3)」があります。
「鎖骨下のリンパ節が、必ずしもレベル3のことをいっているわけではない(レベル2のリンパ節をさしている)」事に注意が必要です。
ただ、レベル2にしろレベル3にしろ、その辺りのリンパ節で「1cm」ある場合には「転移を疑う」ことは間違いありません(腋窩リンパ節で1cmとは意味合いが異なります)
「鎖骨の下のリンパ1cm程の腫大、それも2箇所というのは転移巣の可能性は高いのでしょうか?」
⇒「鎖骨下のリンパ節」という表現がありますが、このエコーは技師さんでしょうか?
「鎖骨下のリンパ」とは「鎖骨下リンパ節(レベル3)」のことではなくて、「鎖骨下にあるリンパ節(レベル2)」の可能性がありそうです。
○実際は「小胸筋の裏側はレベル2」であり、この場合にはN3とはなりません
(N1もしくはN2)
本当に「小胸筋より内側(レベルⅢ)なのか」この文面からは、はっきりしません。
「ネットで調べると5年生存率25%とかなり厳しい状況のようです。」
⇒こんなことはありません。
腫瘍径が2cmであれば(リンパ節がどうあれ)「サブタイプに応じた治療をすれば」50%以上となることは間違いありません。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、お返事ありがとうございます。
病院から頂いた資料を見ますと「鎖骨の下のリンパ節」ではなく「鎖骨下リンパ節」となっていました。
(医師は鎖骨の下のリンパ節と言って
ましたが・・・)そうするとレベル3という事ですね。
その鎖骨下リンパ節が1cmの腫大というのはやはり転移と考えておいた方が良いのですね。
5年生存率が50%以上あるとのことで少し安心しました。
しかし、やはり乳ガンは再発・転移が非常に心配です。
間もなくガンの組織検査の結果が出ると思いますが、
乳ガンの大きさ2cm位で脇の下のリンパ節と
鎖骨下リンパ節までの少なくとも3個の転移というのは
非常にタチの悪いガンと考えておいた方が良いのでしょうか?
実は胸のシコリは昨年末に気がついて2箇所の病院で診てもらったら悪いものではないと言われていました。
その際は脇の下のリンパ節には異常ありませんでした。
この半年でここまで転移する事は進行が早いという事ですか?
もう一つご質問ですがこれだけ進行が早いとなると遠隔転移も考えられますか?
とりあえず上腹部から上(頭は検査してません)はctでは肺等転移していませんでした。
あとは骨と頭の転移が心配です。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「病院から頂いた資料を見ますと「鎖骨の下のリンパ節」ではなく「鎖骨下リンパ
節」となっていました。」
「(医師は鎖骨の下のリンパ節と言ってましたが・・・)そうするとレベル3という事ですね。」
⇒医師自らエコーしていますか?
紹介されてくる患者さんは殆どが「技師によるエコー」なので、質問者の場合もそうなのではないでしょうか?
正直な話、技師さんのエコーは「変に細かい(仕事だからでしょうが)ところがある」一方で、リンパ節の評価は全く駄目です。
「腋窩~鎖骨下(小胸筋の裏側であるレベル2と、それより内側のレベル3)」の評価は医師が実際に見てみないと本当のところは解りません。(昨今の医師は、そもそも自分でしないから自分で見ても解らない医師も多そうですが…)
◎何故そう思っているのかというと…
小胸筋の認識がどうも技師さんは苦手なようだからです。
「やはり乳ガンは再発・転移が非常に心配」
⇒どうも、皆さんは「乳癌に対して誤った印象」をお持ちのようです。
一度、トップページの「乳癌の現状」から「乳癌の罹患、予後」をみてください。
他の癌種の方が「圧倒的に転移、再発しやすい=死亡率が高い」のです。
「乳癌の転移、再発が多い」という「誤解」の理由として最も大きなものの順に
①再発後も治療が奏功する(再発してから亡くなるまでの期間が圧倒的に長い)ので、再発患者さんが目立つ
②全体数(罹患数)が多い(女性の癌のNo1です)
③マスコミに取り上げられ易い(マスコミ的にも高齢男性よりも若い女性の方がインパクトがある)し、同様の理由で「世間の注目を浴びやすい」
④ブログを公開しやすい(50歳女性と80歳男性では、差は歴然ですね)
◎実際は乳癌は「癌の中では最も予後がいいのです。
「2cm位で脇の下のリンパ節と鎖骨下リンパ節までの少なくとも3個の転移というのは
非常にタチの悪いガンと考え」
「この半年でここまで転移する事は進行が早いという事ですか?」
⇒全く無関係です。
皆さん、自分の(質問者の場合には妻の)癌を「性質の悪いもの」にしたがる傾向があるようですが、そんなものはありません。
「もう一つご質問ですがこれだけ進行が早いとなると遠隔転移も考えられますか?」
⇒ありません。
CT撮っている(これさえも、そもそも無用な検査ですが)のだから、余計な心配はしないようにしましょう。
「あとは骨と頭の転移が心配」
⇒くだらない情報の見過ぎです。
決して(余計な被爆である)「骨シンチ」など撮らないようにしましょう。(脳MRIなど、全く無駄な検査だから決してやらないように)
質問者様から 【質問3】
田澤先生、お返事ありがとうございます。
鎖骨下リンパ節の腫大はエコーではなく、造影CTでわかったものです。
今日、ガンの組織検査の結果がわかりました。
残念ですが、トリプルネガティブというものでした。
また、ki67は70~80だそうです。
ステージ3cでこのような種類の乳ガンだと、いくら乳ガンは予後が良いと言ってもかなり厳しいですかね。
以前ステージ3は5年生存率50%以上あるとのお返事いただきましたがこのような状態でもその位ありますか?
唯一の望みはトリプルネガティブの中には抗ガン剤が効きやすいタイプがあるらしいという事位でしょうか。
そのタイプである事を祈るばかりです。
あとki67が70~80という数値も気になります。
こちらのサイトでしょうか、
ki67が高いと抗ガン剤が効きやすいというような情報もあったような・・・
少しでも期待持てるような情報があればとネットで色々調べていますが悪い情報ばかりで萎えます。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「トリプルネガティブ」を悪者にするのは止めましょう。(ネットや昨今の報道では悪者にされている様ですが…)
あくまでも「サブタイプ」は治療方針を明確にするためにあるものです。
ER, PgR, HER2の「3つを認識しない=トリプルネガティブ」というだけの話です。
○トリプルネガティブは「ホルモン療法」も「ハーセプチン」も効かないという共通の性質を持つだけの(その他の性質は全く多種多様な)集団です。「一つの単一な遺伝子グループ」というわけではないのです。
「サブタイプで予後を考える」のは今すぐ止めましょう。
手術をすれば「自ずとステージ」が明確となります。
「ステージに応じた予後」があり、「サブタイプに応じた術後療法」があるのです。
○トリプルネガティブである以上、(ホルモン療法もハーセプチンも効かないのだから)「通常の化学療法を行う」と言うだけの話です。(幸い、通常の化学療法に奏功する割合が高いことがしられていますが、単一のグループではないので効果は様々とはなります)
「ステージ3cでこのような種類の乳ガンだと、いくら乳ガンは予後が良いと言ってもかなり厳しいですかね。」
⇒上記のとおりです。
サブタイプで予後を考えるのは止めましょう。
もしも「どうしてもトリプルネガティブを悪者にしたい」のであれば、このサイトを見ても無意味となります。
「以前ステージ3は5年生存率50%以上あるとのお返事いただきましたがこのような状態でもその位ありますか?」
⇒上記の通りです。
サブタイプで予後を語ることは止めましょう。
「唯一の望みはトリプルネガティブの中には抗ガン剤が効きやすいタイプがあるらしいという事位でしょうか。そのタイプである事を祈るばかりです。」
⇒トリプルネガティブは単一の集団ではない(その意味ではルミナールもHER2タイプも決して単一ではありませんが…)のです。
「あとki67が70~80という数値も気になります。こちらのサイトでしょうか、ki67が高いと抗ガン剤が効きやすいというような情報もあったような・・・」
⇒化学療法の効果を予測する指標として「Ki67」もあるということです。
つまりルミナールタイプをAとBにわける指標であるように「細胞分裂期にある細胞の割合(%)を示す値であるKi67」は「細胞増殖をターゲットとしている(通常の)化学療法」と関連がありそうには思います(いくつか論文はあります)
「少しでも期待持てるような情報があればとネットで色々調べていますが悪い情報ばかりで萎えます。」
⇒無意味な話です。
「人を脅かす」ような情報を見ても全く無意味です。
そうではなく、「現状を正しく理解」し、「やるべきこと(エビデンスのある)をやる」ことです。
質問者様から 【質問4】
田澤先生ありがとうございます。
今回、病院の医師が「トリプルネガティブという非常に悪いガン」とおっしゃられたので非常に心配になってしまって・・・(ネットでも悪者扱いですし)
今週、紹介状を書いていただいた
がんセンターで受診する事になっています。
今後また色々な検査をして
治療方針等がわかってくるかと思いますので、その際にまたご相談にのってください。
一つ質問ですが、以前の御回答で骨シンチは必要ないとおっしゃってましたが今の段階で骨転移の可能性は考えなくてよろしいのでしょうか?
ちなみに造影CTでは遠隔転移はありませんでした。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「以前の御回答で骨シンチは必要ないとおっしゃってましたが
今の段階で骨転移の可能性は考えなくてよろしいのでしょうか?」
⇒前回、回答した通りです。
(以下、前回の回答の抜粋)
CT撮っている(これさえも、そもそも無用な検査ですが)のだから、余計な心配はしないようにしましょう。
「あとは骨と頭の転移が心配」
⇒くだらない情報の見過ぎです。
決して(余計な被爆である)「骨シンチ」など撮らないようにしましょう。(脳MRIなど、全く無駄な検査だから決してやらないように)
○癌センターあたりだと「ルーティーン検査として(当然のように)骨シンチを撮りそう」ですが…(悲しい事です)
質問者様から 【質問5】
田澤先生ありがとうございます。
今回、病院の医師が「トリプルネガティブという非常に悪いガン」とおっしゃられたので非常に心配になってしまって・・・(ネットでも悪者扱いですし)
今週、紹介状を書いていただいた
がんセンターで受診する事になっています。
今後また色々な検査をして
治療方針等がわかってくるかと思いますので、その際にまたご相談にのってください。
一つ質問ですが、以前の御回答で骨シンチは必要ないとおっしゃってましたが
今の段階で骨転移の可能性は考えなくてよろしいのでしょうか?
ちなみに造影CTでは遠隔転移はありませんでした。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
「今の段階で骨転移の可能性は考えなくてよろしいのでしょうか?」
⇒前回、回答した通りです。
決して(余計な被爆である)「骨シンチ」など撮らないようにしましょう。(脳MRIなど、全く無駄な検査だから決してやらないように)
質問者様から 【質問6】
田澤先生いつもありがとうございます。
先日がんセンターで受診してきました。
その際再度マンモとエコー検査をして、
乳ガン自体と脇の下のリンパ節は前回の検査時(17日前)より数ミリ大きくなっていましたし数も増えいました。
あと気になる鎖骨下リンパ節は問題にされず、こちらから質問したところ、エコーで映ってはいて転移は否定できないが、途中のリンパ節は大丈夫だしステージ2bという事でいいでしょうとのことでした。
田澤先生おっしゃるようにがんセンターの医師からやはり骨シンチの検査をやるようにと指示されました(ほとんどの患者がやってますよとの事でした)。
妻は被ばくの事もあり検査をためらっていますし、
私も骨シンチは偽陽性も結構あり結果が出るまでの間不安で精神的にも辛い事、
また田澤先生からも骨シンチは撮らないようにとの御回答もいただいていますので、もう一度主治医と相談して骨シンチはお断りしようかと思っています。
ただ気になるのが、もし仮に骨転移していた場合この
段階で検査しなかった事により予後に影響するものなのかという事です。
この件についてアドバイスいただければと思います。
田澤先生から 【回答6】
こんにちは。田澤です。
「エコーで映ってはいて転移は否定できないが途中のリンパ節は大丈夫だしステージ2bという事でいいでしょう」
⇒良かったですね。
やはり「エコー技師の考え過ぎ」のようですね。
リンパ節の評価は「実際に手術をしている医師」でないと信頼できません。
「がんセンターの医師からやはり骨シンチの検査をやるようにと指示されました」
⇒「やはり」ですね。
無駄な検査です。
癌センターらしいですね。
「ほとんどの患者がやってますよとの事でした」
⇒つまり「ルーティーン」としているということです。何の自慢にもなりません。
「もし仮に骨転移していた場合この段階で検査しなかった事により予後に影響するものなのかという事です」
⇒「仮に骨転移していた場合」という「その前提」に問題があります。
その論理でいうと…
「仮に脳転移していた場合」「仮に肝転移していた場合」と際限なくなります。
そんな事をいうと、どんな早期癌でも「仮に○○」として、あらゆる検査が行われることになります。それでいいと思いますか?
そもそも「その前提」に問題があります。
骨転移の可能性は「限り無くゼロ」です。(勿論、完全にゼロではありません)
ただ、「そんな可能性の低い事」と「医療被曝」をどちらが「天瓶にかけて重いか?」です。もう一つ言えば「その無駄な検査は保険診療でなされています。医療財政を圧迫しているのです」
もしも質問者が「仮に○○」という「癌センターらしい論理」に賛成で、
そして「医療被曝と天瓶にかけても確認したい」のならば、検査をしてもいいでしょう。
質問者様から 【質問7】
田澤先生、いつも素早いお返事ありがとうございます。
天秤にかけたわけではないのですが、最終的に、骨シンチをやらざるを
得ない状況となり今週行う事になりました。
田澤先生の前回のお返事で
「骨転移の可能性は「限り無くゼロ」(勿論、完全にゼロではありません)」との事でしたがやはり結果が出るまでは転移が心配です。
骨シンチ受けなければこんな心配しなくても良いんですが・・・田澤先生の多くのご経験から乳ガンがどの様な状態の時に骨転移があるのか(例えば、リンパ節転移が多い時とか・・・)お教えいただけないでしょうか?(こちらのサイトで読んだ記憶があるのですが見つかりませんでした)
もう一つ質問ですが、以前の病院で組織検査してサブタイプを含めどんな組織かわかっているにも関わらず、改めて今回の病院でも組織検査しました。
主治医いわく、結果が変わることはないですがね・・・抗ガン剤が効くかどうかも調べるとの事でした。
組織検査で 抗ガン剤が効きやすいのかもわかるものでしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答7】
こんにちは。田澤です。
私はがんセンターのようなところのやり方には「嫌気がさしていて」コメントを更にする気にもなれませんが…
「田澤先生の多くのご経験から乳ガンがどの様な状態の時に骨転移があるのか」
⇒一言でいうと…
乳癌では「初期治療の段階(つまり治療開始の時点)で遠隔転移は殆どない」のです。
おそらく誤解されているのは、「術後数年経った後の」再発として「骨転移は好発部位」という事と、「初期治療の段階での骨転移の可能性」がごちゃ混ぜになっているのです。
結論から言うと…
「腫瘍が皮膚を破り出血」して「脇のリンパ節も触るまでも大きな転移がある」状況、当然「本人は乳癌を自覚しているが、長年(何らかの事情により)周囲に隠し通してきた」が、ついに観念して病院を受診したような状況では「骨転移も肝転移もありうる」でしょう。
○通常の乳癌では遠隔転移は殆ど無いのです。
だから私は「無駄」と言っているのです。
「組織検査で 抗ガン剤が効きやすいのかもわかるものでしょうか?」
⇒解りません。
その手の病院によくある「ルーティーン」でしょう。
例を挙げれば)
紹介先で「マンモやMRIを撮影していても」
もう一度撮影したがりますが、全く無駄きわまりない。(これ以上コメントはしません)
質問者様から 【質問8】
田澤先生いつもありがとうございます。
先日、病院の乳腺内科にかかってきました。
以前の病院での組織検査の
結果(トリプルネガティブ)をもとに(現在の病院での組織検査結果はまだ出てませんので)今後の治療方針が決まりました。
最初にAC療法で
2週間に1回の抗ガン剤を計4回投与し(抗ガン剤の翌日白血球を上げる注射)この後12週間別の抗ガン剤になるそうです。
通常3週間に1回の抗ガン剤のところ2週間に1回抗ガン剤投与するという事で当然副作用も心配ですが、それ以上に奏功率が上がる事を期待しています。
また以前に
もお伝えしましたが、ki67が非常に高いので抗ガン剤の効果を期待しています。
もし仮に抗ガン剤が効かなければ速やかに手術に切り替えていただくつもりです。
ここで一つ質問ですが、2週間に1回の抗ガン剤の投与というのは奏功率が上がったり、再発防止につながるものでしょうか?ネットでは効果があるような事を書いてあるものもありますが、田澤先生のご見解をお聞きしたいです。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答8】
こんにちは。田澤です。
「術前抗がん剤をやる」つもりなのですか?
「小さくして温存のため?」
★「抗がん剤をする事」は(トリプルネガティブである以上)当然の事ですが、
(「抗癌剤をすること」と、それを「術前に行うこと」は全く別物です)『一体なぜ、術前に行うのか、きちんと考えてから行いましょう』
○トリプルネガティブだから「術前抗がん剤すべき」とか、リンパ節転移が疑われるから「術前抗がん剤すべき」などと、「間違った」考えを持っているような医師の治療方針について私がコメントする事自体「不適切」かもしれません。
「通常3週間に1回の抗ガン剤のところ2週間に1回抗ガン剤投与するという事で当然副作用も心配ですが、それ以上に奏功率が上がる事を期待しています」「2週間に1回の抗ガン剤の投与というのは奏功率が上がったり、再発防止につながるものでしょうか?」
⇒dose denseです。
副作用が許容できるのであればRDIの考え方からも「理論上は有効(ホルモン感受性陰性では、有効性は証明されています)」です。
ただ実際は「10日~2週間で骨髄抑制がピーク」となるので「回復を全く待たずに次のサイクル」となります。
○私は「最初に全身に散らばっているかもしれない癌細胞をたたく」とか「抗がん剤の効果が解る」などの『全く根拠のない理由をつけて(本来の「小さくして温存」)以外の目的で術前抗がん剤を行う医師には辟易している』のです。
質問者様から 【質問9】
田澤先生、いつもお返事いただきありがとうございます。
また、今の病院と田澤先生と治療方針が違うにも関わらずお返事いただき大変申し訳ございません。
7月(下旬)日に第1回目の抗がん剤投与を行いました。
次回は、8月(中旬)日の予定ですが、
今回受けているAC療法は、効果が自分自身でわかるのはどの位たってからなのでしょうか?それによっては、主治医とそのまま抗がん剤治療を継続していてよいのかを相談したいと思っております。
また、その効果の表れ方はどのようなものなのでしょうか?よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答9】
こんにちは。田澤です。
「今回受けているAC療法は、効果が自分自身でわかるのはどの位たってからなのでしょうか?」
⇒2週間くらいです。
「その効果の表れ方はどのようなものなのでしょうか?」
⇒人によって違います。
○術前抗がん剤はリスクを伴う治療(増大して手術不能となる可能性)であることを了解した上で、『担当医自らのエコーによるチェックを欠かさない』ようにしてもらいましょう。
担当医は(技師さん任せにせず)自分でエコーしてますか?
質問者様から 【質問10】
妻が乳ガンで、こちらのサイトで田澤先生に色々お世話になっております。
今かかっている病院は、田澤先生と治療方針が違うようですが、それにもかかわらずわかりやすいご返事非常に助かっております。
また質問させてください。
乳ガンはトリプルネガティブ Ⅱb 原発巣2.5cmくらいでした。
術前抗がん剤治療でdose dense ac療法を受けており3クール終わって原発巣5mm位残ってます(自分で触ってもわからず消えたかも…と思っていたんですが医師が触診して残っていることがわかり目視で測定)。
先日4クール目の抗がん剤をやって来ました。
これが終わってからウイークリーパクリタキセルになります。
今一番気になるのが、この状態で抗がん剤がよく効いていると考えて良いのか?よく効いているとしたら先日の最後のac療法の抗がん剤で残った5mm位の原巣が消える可能性があるのか?そして最終的に完全奏功する可能性があるのかというところです。
パクリタキセルがどれだけ奏功してくれるのかによると思いますが、田澤先生の今までのご経験からご意見をお聞かせいただければと思います。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答10】
こんにちは。田澤です。
「完全寛解」を勘違いして理解されている方が多いように感じます。
抗ガン剤は術前に行っても術後に行っても「全く一緒」です。
もしも「術前に完全寛解」するのであれば、「術後に用いても」再発予防効果が高いということです。
○完全寛解に拘るのは「全くナンセンス」です。
質問者は(目に見える腫瘍に対して)抗癌剤の効果があることは間違いありません。
(再発予防効果のひとつの目安程度に考えてください)
質問者様から 【質問11】
田澤先生いつもお世話になっております。
昨日術前AC療法が終わり、エコー検査してきました。
昨日の検査で最初触診では前回の5mmより小さくなっていて(最初はなかなか見つかりませんでした。
)ほんの数mmのものが触る感じとのことでしたが、その後のエコーで、最初は見つからなかったんですが何度も調べてやっと10mm位の長さの薄いものが見つかりました(技師の検査)。
医師の触診でもなかなか見つからず、エコーでも何回も探してなくてやっと見つけたということは長さは10mmでもそれなりに小さいものと考えてもよろしいのでしょうか?また触診でほんの数mmと言われたにもかかわらずエコーで10mmもあるということは結構あることなのでしょうか?
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答11】
こんにちは。田澤です。
術前抗がん剤での「評価USを技師にさせる」など、とんでもないことです。
「その評価」が質問者の方針を左右しているのです。
「エコーでも何回も探してなくてやっと見つけたということは長さは10mmでもそれなりに小さいものと考えてもよろしいのでしょうか?」
⇒その通りだと思います。(ただし、担当医が確認すべきものです)
普段から「自分でエコーする習慣がない」事の是非はおいておくとしても、「術前抗がん剤の評価」のような「患者さんの方針に重大な影響を与える」際にも自分でエコーしないなど、「術前抗がん剤をする資格が無い」と思います。
質問者様から 【質問12】
田澤先生いつもお世話になっております。
妻が、1週間くらい前から高熱と頭痛があり、薬を飲んで症状を抑えておりました。
3日位前から頭痛は治ってきて熱も下がってきました。
しかし、昨日から動くとフラフラすると言いだしました。
熱はまだ37度前後ありますが、脳転移ということもありえますでしょうか?
その他には手足のしびれやまっすぐ歩けないというような症状は出ておりません。
病院に電話して当直の先生(主治医ではありません)から近くの病院でCTを受けるように(通っている病院は電気設備の点検でできないため)と言われました。
CTで検査した方がよろしいでしょうか?よろしく
お願いします。
田澤先生から 【回答12】
こんにちは。田澤です。
全くナンセンス。
誰がどう見ても「発熱に伴うふらふら」でしょう。
「熱が下がっている」わけだから(くだらない検査などせずに)「家でゆっくり休ませてあげて」ください。
質問者様から 【質問13】
田澤先生お世話になっております。
毎回同じような質問で大変申し訳ございません。
また重ねての質問で大変すいません。
昨日エコーの結果を聞いて来ました。
大きさですが、原発巣はac療法前、22×21×10、腋の下は23×16×14だったのが、ac療法後原発巣11×8.4×3.5(触診ではac1クール終了後18mmと言われ、4クール終了後は最初なかなか見つからず5mmより小さくほんの数ミリ触る感じと言われだので安心してたのですが、エコーで最初見当たらないと言っていて30分以上何十回もかけてやっと見つけました・・・そんなに見つけるの大変なんですか?)、腋の下のリンパは11×7×3.6(これは容易に見つかりました)でした。
主治医からはちゃんと効いてますよと言っていただいたのですが、田澤先生からみてこの状態で抗がん剤が順調に効いていると考えてもよろしいのでしょうか?これからの(昨日)ウィークリーパクリタキセルの効果にも期待してよろしいでしょうか?
(パクリタキセル12回終わるまで触診で大きくならないか確認するだけでエコーはやらないと言われました・・・せめて6クール終了後やってほしいです)
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答13】
こんにちは。田澤です。
前回の質問が土曜日にあります。(申し訳ありませんが、記憶にあったので調べました)
質問内容からしても(原則の1週間を待てないほどの)「急を要する内容」だとは思えません。
もう少し冷静になりましょう。
質問者は現病院での診療に「そんなに不安」なのですか?
「主治医からはちゃんと効いてますよと言っていただいた」とありますが、担当医から「そのように言われても不安」に思うような治療を続けていいものなのか?
私は(はっきりと質問8で)「無意味な術前抗がん剤」と指摘しています。
質問者は「私の指摘を受け入れずに(受け入れたくても受け入れざるを得ない状況なのかもしれませんが)」(結局受け容れている)「現病院での治療に対する不安」を私に訴えています。(その矛盾に気付きませんか?)