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ステージIIbの術後の治療方と予後について

[管理番号:3366]
性別:女性
年齢:45歳
田澤先生こんにちは。
初めて質問させて頂きます。
7/(中旬)に左乳房切除術とセンチネルリンパ節生検の手術を行いました。
〈病理結果〉
組織名:浸潤性小葉癌
腫瘍の大きさ:2.1cm
ホルモン受容体:陽性
ER:90% PgR:95%
HER2:陰性
Ki67:13.3%
断端陰性
脈管侵襲
ly:1 v:2
センチネルリンパ節転移:2/3個 2mm以下
上記の結果から下記の治療の選択が提示されました。
・放射線治療(腋窩、胸壁)25回
・ホルモン療法(皮下注射:4,12週毎、2-5年+内服5年)
・化学療法(TC療法4回)
放射線治療とホルモン療法は受けることにしましたが、化学療法は必要でしょうか?
脈管侵襲や、リンパ節転移があることで化学療法の必要性はありますか?
化学療法を行った場合の上乗せ効果はどれぐらいありますか?
閉経前のホルモン療法の薬剤は何を使用したらいいのでしょうか?
小葉癌の為、核異型度は測定していないと言われたのですが、何故でしょうか?
乳管癌と比較して、小葉癌のリスクは何でしょうか?
リンパ節転移があったことが、予後に大きく影響すると考えますが、
私の病理結果から、再発率と生存率に付いて教えて下さい。
お忙しい所申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
大人しい小葉癌の典型として「Ki67=13.3%」と低値となっています。
pT2(21mm), pN1(2/3), luminalA
luminalAなので、当然「ホルモン療法単独」となります。化学療法による上乗せはありません。
「放射線治療とホルモン療法は受けることにしましたが、化学療法は必要でしょうか?」
⇒不要です。
 luminalAでは(リンパ節転移や腫瘍径にかかわらず)化学療法による上乗せはないことが明らかとなっています。
「脈管侵襲や、リンパ節転移があることで化学療法の必要性はありますか?」
⇒無関係です。
「化学療法を行った場合の上乗せ効果はどれぐらいありますか?」
⇒殆どないでしょう。(luminalAですから)
「閉経前のホルモン療法の薬剤は何を使用したらいいのでしょうか?」
⇒タモキシフェン+LH-RHagonistです。
「小葉癌の為、核異型度は測定していないと言われたのですが、何故でしょうか?」
⇒必要以上に「核異型が高くなる」傾向があるからです。
「乳管癌と比較して、小葉癌のリスクは何でしょうか?」
⇒質問者は「乳房全摘」しているので、「対側乳腺内の新規発生」です。(決して「転移では無い」です)
「私の病理結果から、再発率と生存率に付いて教えて下さい。」
⇒申し訳ありませんが・
 先週から「NewAdjuant.com」が使えなくなっています。
 ただ、再発率はそれ程高くないと思います。
○どうしても担当医が化学療法を押し付けるようであれば「OncotypeDXをする」事によって『動かぬ証拠を示す』ことができます。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生こんにちは。
前回、質問の回答を頂き、今後の治療方針について決断することが出来ました。
本当に感謝しております。
今回NewAdjuvant.comが復活したのを拝見して、改めまして発生率と生存率をご質問させて頂けますでしょうか。
よろしくお願い致します。
7/(中旬)に左乳房切除術とセンチネルリンパ節生検の手術を行いました。
〈病理結果〉
組織名:浸潤性小葉癌
腫瘍の大きさ:2.1cm
ホルモン受容体:陽性
ER:90% PgR:95%
HER2:陰性
Ki67:13.3%
断端陰性
脈管侵襲有り ly:1 v:2
センチネルリンパ節転移:2/3個 2mm以下
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「今回NewAdjuvant.comが復活したのを拝見して、改めまして発生率と生存率をご質問させて頂けますでしょうか。」

再発率 10年生存率
無治療 23% 91%
ホルモン療法 15% 93%
ホルモン療法+抗がん剤 10% 95%