[管理番号:420]
性別:女性
年齢:49歳
細胞診とエコーからステージⅡbと診断され、リンパにも転移がみられるので恐らく乳房切除及び腋窩リンパ節郭清が必要であると聞かせれました。
こんな症状でも腫瘍の位置によっては、温存法や皮膚温存等も有り得るのでしょうか?
また、現在国際線の客室乗務員をしております。腋窩リンパ節郭清によって、今後仕事が出来なくなる事も考えられるのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
おおよそ、状況は解りました。
それでは回答します。
回答
「腫瘍の位置によっては、温存法や皮膚温存等も有り得るのでしょうか?」
⇒「乳房温存」と「皮膚温存乳房切除」は全く「適応」が異なるので、別々に説明します
- 「乳房温存の場合」
⇒「担当医が乳房切除が必要」と言っている理由は、以下の①,②どちらでしょうか?
①腫瘍が一つではあるけど、(温存するには)大きい
②腫瘍が多発している。
もし①であれば「術前化学療法」を行って「小さくすれば」乳房温存の適応が出てきます。
もし②であれば、「術前化学療法でどんなに小さくしても」乳房切除が必要となります。
◎つまり、「腫瘍が単発」であれば「(術前化学療法を行い)乳房温存術も可能」となるのです。
- 「皮膚温存乳房切除の場合」
⇒乳頭から「十分な距離があれば」単発でも、多発でも適応があります。
「腋窩リンパ節郭清によって、今後仕事が出来なくなる事も考えられるのでしょうか?」
⇒大丈夫です。
ただし、「腋窩郭清」は「執刀医の技術により随分差がでる」ので、その点には注意が必要です。
また、長時間重いものを持つ際には「術側と反対」で行うようにします。