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ステージ2Aリンパ節転移ありで術前化学療法の可能性ありは状態が良くないのでしょうか?

[管理番号:3091]
性別:女性
年齢:70歳
70歳母の乳がんのことで相談です。
検診では見つからず、5月頭に自分でしこりに気づきかかりつけ医(乳腺外科も標榜)を受診しました。
その後、紹介された総合病院でのしこりの針生検の結果と脇のリンパの細胞診及びエコーでステージ2Aの見立てがされました。
来週、MRI、CT、骨シンチを行い最終的な治療方針が示されるようです。
エコーで見たところしこりは1cm程度とのことなので2Aでも十分早期発見かと思っていますが、リンパ節への転移が細胞診とエコーでみつかり、
また、リンパ節転移があるので全摘になり(本人は全摘希望)、現段階で術前化学療法の場合もあると告げられており、全身への転移があるのでは?心配しています。
本人はリンパ節転移というキーワードから状態が悪いのではと心配しており不眠で体調を崩しかけているため家族としても大変心配しています。
紹介された乳腺外科は地域がん診療連携拠点病院であり、適切な治療がなされると思っていますが、リンパ節転移や術前化学療法の可能性などがややひっかかります。
針生検の詳しい数値はまだ受け取っていない状態かつMRI、CT、骨シンチ前ではなんとも言えませんが、あまりよい状態ではないのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
一言でいうと「全く誤った治療」です。
「1cmのしこり」で「本人も全摘希望」で術前抗がん剤は「誤り」です。
○物事の本質を理解せずに、ただ漠然と「リンパ節転移があれば術前抗がん剤を行うべき」みたいに思っているようです。
そもそも「手術可能な状態の70歳」に術前抗がん剤を勧める事自体「問題外」と言えます。
 
「来週、MRI、CT、骨シンチを行い最終的な治療方針が示される」
⇒これらの検査は本当に必要なのか?
 担当医に質問してみてください。
 ①MRI これは「乳腺を温存する可能性がある際」に、乳腺内の病変の拡がりを判断して「術式を決めるため」のものです。
 最初から「全摘希望」なのに、「乳腺内の拡がりを見る」意味がありますか? 病変の評価であれば「エコーだけで十分すぎる」のです。
 ②CT, 骨シンチ これは「遠隔転移をみる」ものですが、(リンパ節転移があるとしても)「1cmの癌」で「遠隔転移を疑う必要などない」です。
 全く無駄な被爆です。
 しかも医療費の無駄遣い、「お金をどぶに捨てる」ようなものです。
「リンパ節転移があるので全摘になり」
⇒この理解は誤りです。
 リンパ節転移と「乳腺を温存するのか、全摘するのか」は全く無関係です。
 
「現段階で術前化学療法の場合もあると告げられ」
⇒馬鹿馬鹿しい話です。
 リンパ節は「手術で取るべきもの」であり、「術前抗がん剤する理由」とは全くなりません。
 
「全身への転移があるのでは?心配」
⇒全く心配ありません。
 無駄な検査(CTや骨シンチ)は止めましょう。
 
「本人はリンパ節転移というキーワードから状態が悪いのではと心配しており不眠で体調を崩しかけているため家族としても大変心配」
⇒リンパ節は手術で取ればいいだけのものです。
 馬鹿馬鹿しい「術前抗がん剤」ではなく、「手術」してあげることです。
 
「地域がん診療連携拠点病院であり、適切な治療がなされると思っています」
⇒残念ながら、適切な治療とは「到底」思えません。
 大変、残念なことですが…
 
「リンパ節転移や術前化学療法の可能性などがややひっかかります。」
⇒リンパ節転移に執着することは止めましょう。
 リンパ節は「あくまでも局所」であり、「手術で取れるもの」です。
 遠隔転移とは異なり「根治の妨げ」とはなりません。
 
 ○普通に手術をして、術後補助療法(サブタイプに応じた)をすればいいのです。
 極めてシンプルな話です。
 「無駄な全身検索」や「術前化学療法」などが、出てくるから混乱させられているだけなのです。(担当医には困ったものです)
 
「MRI、CT、骨シンチ前ではなんとも言えませんが、あまりよい状態ではないのでしょうか?」
⇒それらすべての検査は無駄な検査です。
 1cmの乳癌で「悩む必要」はありません。
○全摘希望なのだから(そもそも1cmなら、温存でも全く問題ありませんが)くだらない事を考えずに「手術」、そして「術後補助療法」です。