Site Overlay

病理結果

[管理番号:384]
性別:女性
年齢:37歳
2月下旬に胸にしこりを見つけ、4月上旬に手術を受けました。右側全摘です。
その病理結果が今日出ました。
サイズは2.2センチ、リンパ郭清して18個取って転移なし。ステージは2Aでした。
ただ、トリプルネガティブです。
ki67は80-90でした。悪性度は3。脈管浸潤あり。
とても辛いです。
再発したらと思うと恐ろしくて恐ろしくて…
主治医は、治ってる人はいっぱいいるよ、と言ってくれますが、ただのなぐさめにしかきこえません。
私はいつ再発するんでしょうか。するとしたらどこからになるんですか?
抗ガン剤はFECを予定していますが、これは効くんですか?
私のガンは急にできたような感じがしました。気付いた時にはもう2センチもあったのです。これは、ガンになるスピードが速いという事になるのではないでしょうか。抗ガン剤は15日からです。この間に転移する事はあり得るでしょうか。
私、完全に治るのはもう無理ですか?私、死んでしまいますか?
(2015年5月の質問)
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「トリプルネガティブ」ということで心配されているようですね。
 それでは回答します。

回答

「リンパ郭清して18個取って転移なし」
⇒本来は「センチネルリンパ節生検」を行うべきだったと思いますが…
 腫瘍径も2.2センチと小さいですし…
 
「トリプルネガティブです。ki67は80-90でした。悪性度は3。脈管浸潤あり。」
⇒確かにトリプルネガティブは「ターゲットが無い」のでご心配だと思います。
 ただ、「術前化学療法のデータでいうと」pCR(顕微鏡でも完全に消失)となる位抗がん剤が著効すると「予後が改善」することが」分かっています。
 つまり、術後の化学療法が凄く有効である可能性があるのです。
 質問者の「Ki67 80-90」というのは、化学療法が大変効果的な可能性があります。
※トリプルネガティブとは、「全く異なるグループの集まり」です。
①化学療法をすると予後が劇的に改善するグループ
②化学療法をしても効果がないグループ
③化学療法をしなくても最初から予後が良いグループ(特殊型)
◎私個人の意見では「質問者は①にあてはまる」のではないかと思います。
十分化学療法が効果を発揮する期待があります。
 
「主治医は、治ってる人はいっぱいいるよ、と言ってくれますが、ただのなぐさめにしかきこえません。」
⇒そんな事はありません。
 私も「主治医」と同意見です。
 そもそも「トリプルネガティブ」という概念はここ10年くらいのものです。
 それまでは「腫瘍径2.2cm リンパ節転移なし」は低リスクとして「術後治療もせずに、普通に治っていました」
 決して「ただの慰め」ではありません。
 私の経験でも「治る人は沢山います」間違いありません。
 
「私はいつ再発するんでしょうか。するとしたらどこからになるんですか?」
⇒決してリスクが高い訳ではありません。
 pT2=22mm, pN0は決して高リスクではないのです。
 
「抗ガン剤はFECを予定していますが、これは効くんですか?」
⇒(質問者のKi67 80-90という値を見る限り)効きそうです。
 しかし、わたしであればFEC followed by taxane(FECの後にタキサン系抗がん剤) を行います。(主治医に確認してみてください)
 
「私、完全に治るのはもう無理ですか?私、死んでしまいますか?」
⇒そんなことは全くありません。あくまでも早期なのです。
 あまりインターネットの(中途半端な)情報に振り回されてはいけません。
 「主治医の言葉」を信じてください。