［管理番号:295］
性別:女性
年齢:50歳
はじめまして。
3月の下旬に左胸の乳輪の上あたりにしこりを感じたため翌週、近くのクリニックでマンモとエコーの検査をしました。
マンモの結果は石灰化なし。エコーの結果はしこりの大きさは2.7cm、しこり自体に血流がなく、リンパ節がきれいだけど形がいびつで気になるとの結果でした。先生いわく、たぶん線維腺種だとは思うけど形がいびつで癌の可能性も捨てきれないということだったため急遽、胸に麻酔をして組織をとって検査しました。（採取するときに「バン」というすごい音がでる検査です。あいまいですみません、、、）
翌週の検査結果は残念ながら乳がんでステージⅡAとの診断でした。
 
乳がん検査は毎年行っています。
3年前のエコーでは線維腺種の診断で精密検査の必要なし。翌年の健診ではマンモを受けて異常なし。昨年もマンモで異常なしでした。この数ヶ月で2.7cmものしこりになっていることに驚愕でした。
もしかしたら、9月に更年期症状（ホットフラッシュ）がひどく、婦人科で「メドロキシプロゲステロン酢酸エステル」というジェル状の塗り薬とプロゲストン錠を処方してもらい治療していたことが原因でしょうか？
もしそうだとしたら、即効性がなくとも漢方を飲んで気長に治療していたら良かったと今さながら後悔しています。
現在の病院はクリニックのため、このあと、大きい病院でMRIとCTの検査を受けた後、全摘か温存か、治療法について決めていくようなのですが、最近、しこりのある左胸全体とそのちょっと横あたりにぴりぴりとした痛みがあります。
もしやこの数週間でリンパ節に転移したのではないかとすごい心配になり、仕事も上の空です。
受診する病院にはMRIがないためMRI検査のための病院を現在の主治医に探してもらっているところですが、その間に大きくなって転移するのではないかと気が気ではありません。
この痛みは転移に関係があるのか、しこりは1年も経たないうちに大きくなるものなのか、やはりホルモン治療をしたことがしこりを成長させる大きな原因になったのかを含め教えていただけますでしょうか？
また、胸の痛みはお風呂に入るとやわらぎ、しこりも少し柔らかくなるような感じです。
長文で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
（2015年4月の質問）
 

田澤先生からの回答

　こんばんは。田澤です。
　「毎年検診を受けているのに」2.7cmの癌が見つかった。となると不安になる気持ちは理解できます。
　それでは回答します。

回答

「この痛みは転移に関係があるのか」
⇒全く関係ありません。
　おそらく、針生検（採取するときに「バン」というすごい音がでる検査のことです）のためでしょう。
　また、「精神的に」過敏になっていることなども影響しているかもしれません。
 
「ホルモン治療をしたことがしこりを成長させる大きな原因になったのか」
⇒「プロゲストン」はプロゲステロンであり単独では「しこりの成長とは関係ない」と思います。
　
　「エストロゲン＋プロゲステロン」であれば関係あるかもしれませんが、「プロゲステロン単剤」では関係無いと考えていいと思います。
 
「しこりは1年も経たないうちに大きくなるものなのか」
⇒「3年前のエコーでは線維腺種の診断で精密検査の必要なし」の記述と今回の「先生いわく、たぶん線維腺種だとは思うけど形がいびつで癌の可能性も捨てきれないということだった」という記述が気になります。
　3年前は質問者は47歳であり、（以前から線維腺腫があると解っている）のであればいいですが、突然「47歳で線維腺腫ができる」ことは、かなり疑わしい事実です。
　それと今回の腫瘍が「線維腺腫にみえた」ことを併せると、「3年前と同一の腫瘍」の可能性があるように思います。（3年前も左なのでしょうか？）
　それと「2年前と昨年はマンモのみ（超音波なし）」という記述も気になります。
　40歳代～50歳にかけての年代は（個人差もありますが）「腫瘍は3年前からあったけど」マンモで見えなかっただけ。ということは十分に考えられます。
　つまり3年前（超音波で指摘された）「線維腺腫と考えられていた腫瘍」が実は「癌」であり、2年前も、昨年もマンモのみなので（写らず）、その同じ腫瘍が「少しずつ大きくなって」今回に至った。というケースです。
★勿論、仮説にすぎませんが、もしそうなら「急激におおきくなった」訳では無く、むしろ「3年かけて」ようやく大きくなった。と解釈できます。
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◎腫瘍径2.7cmで「ステージⅡＡ］という診断であれば、「（エコー画像上）リンパ節転移がない」との判断ですから、決して悲観してはいけません。
　「きちんとした」手順を踏んで、「きちんとした」手術を是非受けてください。