[管理番号:8077]
性別:女性
年齢:41歳
病名:乳癌、浸潤性乳管癌
症状:
いつも本サイトを拝見させてもらい、とても勉強になっています。
ありがとうございます。
2019年8月に右浸潤性乳管がんと診断され、10月に部分切除+腋下郭清を行いました。
先日術後の病理結果が出ましたので、お忙しい所大変恐縮ですが、今後の定期検査と再発率等についてご教示ください。
【術後病理結果】
右乳がん 浸潤性乳管癌 硬性型(ステージ2a ルミナールA)
腫瘍径:11m
リンパ節転移:陽性 センチネルリンパ節 2(+)、郭清レベル1 0/15
0/15陰性⇒2/17
切除断端:陰性
脈管侵襲:リンパ管1+、血管0
波及度:脂肪
核異型度:グレード1
ホルモン受容体:ER=3b、PgR=3b、HER2=(0)
Ki67:5%
【術後補助療法】
放射線30回、タモキシフェン10年、リュープリン2年
【質問】
1.手術の1か月前にPetCTを進められ実施したところ、「リンパ転移無し」との結果でしたが、
術中にセンチネルリンパ節への転移が発覚しました。
郭清したので微小転移では無いと解釈していますが、微小でないのに
PetCTで見つけられないこともあるのでしょうか?
それともわずか1月の間に2㎜以上になったのでしょうか。
2.今後の再発と遠隔転移に対する検査ですが、田澤先生はそれぞれ何をどれくらいの
頻度で行うのが良いとお考えでしょうか。
3.私の局所再発率と、10年生存率はどうなりますでしょうか。
4.腫瘍径やその他の数値から考えて、リンパ転移があったことにあまり納得出来ていないのですが、(結果なので仕方ないのですが)
ただ単にレアケースというだけで、進行が速い等の心配は不要でしょうか。
5.浮腫予防のため、手を強く振る動作は控えた方が良いと何かのサイトで見たのですが、バレーボールはやらない方が良いでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「1.手術の1か月前にPetCTを進められ実施したところ、「リンパ転移無し」との結果でしたが、
術中にセンチネルリンパ節への転移が発覚しました。
郭清したので微小転移では無いと解釈していますが、微小でないのにPetCTで見つけられないこともあるのでしょうか?
それともわずか1月の間に2㎜以上になったのでしょうか。」
→リンパ節転移がPETで解るという理解は誤りです。
リンパ節転移は(画像の中では)エコーが最も鋭敏であり、(ただ、エコーですら)完全に言い当てることはできません。
「2.今後の再発と遠隔転移に対する検査ですが、田澤先生はそれぞれ何をどれくらいの
頻度で行うのが良いとお考えでしょうか。」
→ホルモン療法をしているということは3か月に1回受診しているわけだから
「3か月に1回」の診察 局所に対して
「3か月~半年に1回」の採血(腫瘍マーカー) 全身の遠隔転移再発に対して
★それとは別にマンモグラフィーは1年に1回が推奨されています。
「3.私の局所再発率と、10年生存率はどうなりますでしょうか。」
→そもそも「局所再発率」など存在しません。(温存乳房内再発は一般に10年で20~5%と幅があります。 病変の拡がりや断端などいろいろな要素があるので)
10年生存率は…
OncotypeDXしないと解りませんが…
私の(経験上の)数値では90%位でしょう。
「4.腫瘍径やその他の数値から考えて、リンパ転移があったことにあまり納得出来ていないのですが、(結果なので仕方ないのですが)
ただ単にレアケースというだけで、進行が速い等の心配は不要でしょうか。」
→無関係
「5.浮腫予防のため、手を強く振る動作は控えた方が良いと何かのサイトで見たのですが、バレーボールはやらない方が良いでしょうか。」
→手術は術者によって異なるので、術者に聞いてみましょう。(私が責任とれません)