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浸潤性乳癌早期の化学療法について

[管理番号:6904]
性別:女性
年齢:46歳
病名:
症状:

田澤先生、初めまして。
よろしくお願いいたします。

10月下旬に1年4ヶ月空けた検診で、
エコーで影が見つかり針生研の結果、
浸潤性乳癌。
エコーで見て7×8㎜。

11月上旬に部分切除予定です。
主治医の先生からは、一般的な浸潤癌の早期でリンパ節転移もない。
ステージⅠ。

転移確認の為、PETとCTと頭部MRIを
していますが、まだ結果は伺っていません。
私が、悪性度やトリプルネガティブとかではないかを伺うと、これだけ小さいのだからそんな事は気にしなくていい。
部分切除と放射線療法で充分だよ。
と言われ、悪性度など詳しい事は伺えないままです。

そこで質問なのですが、
①私の状況でタイプも何も分かってない状況で本当に抗がん剤は必要ないのでしょうか。

②1年4ヶ月で8㎜の大きさは進行が早いのでしょうか。

③エコーで7×8㎜のものが、手術をして組織を取ったら1cmを越えていたという事はよくある事でしょうか?

④エコーで見える腫瘍の大きさが手術後の組織検査をした時の浸潤径と同じくらいと考えてよいのでしょうか?

⑤もし、手術後に腫瘍の大きさが1cm以内だった場合、トリプルネガティブや抗がん剤が効く型であれば先生でしたら、抗がん剤を勧められますか?

不安な事ばかりでおかしな質問をしているかもしれません。

今後、治療をしていく上で教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

早期発見、おめでとうございます。(無論、癌であることは「めでたくない」ことは承知の上ですが、「早期発見こそ、最善の治療」であることは間違いないのです)

「主治医の先生からは、一般的な浸潤癌の早期でリンパ節転移もない。ステージⅠ」
「これだけ小さいのだからそんな事は気にしなくていい。部分切除と放射線療法で充分だよ。」

⇒まさに「その通り」です。

 ただ、それなら何故「PETとCTと頭部MRI」をしているのか??(全く無意味な被ばくであり、やっていることに矛盾を指摘せざるをえません)

「①私の状況でタイプも何も分かってな い状況で本当に抗がん剤は必要ないのでしょうか。」
⇒それは術後の「病理」を確認してから考えることです。

 早期であっても(浸潤径5mm以上であれば)サブタイプによっては抗がん剤の適応はあるからです。(ただ、手術前から「そんなこと」気にしても「全く無意味」)

「②1年4ヶ月で8㎜の大きさは進行が早いのでしょうか。」
⇒この「QandA」でも頻度の多いQの一つです。

 1年4か月前、「ゼロ」だったと本気で思っているのですか????
 エコーでは4mm以下なら見逃されている可能性は高いし、(マンモなら1cmあっても解らないでしょう)つまり、「1年4か月で0⇒8mm」ではなく、「1年4か月で4⇒8mm」くらいだと思いますよ。

「③エコーで7×8㎜のものが、手術をして組織を取ったら1cmを越えていたという事はよくある事でしょうか?」
⇒顕微鏡レベルですから…

 逆(エコーより浸潤径が小さい)もありますよ。(手術前から気にしても仕方がないことです)

「④エコーで見える腫瘍の大きさが手術後の組織検査をした時の浸潤径と同じくらいと考えてよいのでしょうか?」
⇒③とほぼ同じ内容ですね。
 「ピタリと一致」することは寧ろ稀です。(当たり前ですよね??)

「⑤もし、手術後に腫瘍の大きさが1cm以内だった場合、トリプルネガティブや抗がん剤が効く型であれば先生でしたら、抗がん剤を勧められますか?」
⇒5mm以上なら適応があります。

 
 

 

質問者様から 【質問2 浸潤性乳癌早期の化学療法について】

性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳癌
症状:

田澤先生、先日は質問に応えていただきありがとうございました。
心が軽くなり、前向きに捉えようと思っています。
質問から1週間経っておりませんが、状況が変わり手術まで時間がありません。
間隔が空かない質問をお許し下さい。
よろしくお願いいたします。

先日、術前検査の為、再度乳腺エコーをした所、乳癌が発覚した場所C領域の近くのA領域とC領域の間に6㎜くらいの腫瘍が見つかりました。
手術までに針生検の結果が出るので検査中です。
結果が良性でも腫瘍は取ってもらう様にお願いしたのですが、もしこれが悪性だった場合は同時に2つ悪性腫瘍が見つかった事になり、全摘出も必要なのかと考えています。

また、先に見つかった癌もエコーで10×8㎜と少し大きくなっており、悪性度が高いのかと心配になっています。

そこで質問なのですが、
①新たに見つかった腫瘍が悪性だった場合、田澤先生でしたら全摘を勧められますか?
②半月の間に2㎜くらい大きくなっていたのですが、悪性度が高いのでしょうか?または、エコーをする人の測定の誤差という事はあるのでしょうか?
主治医の先生は8㎜でも10㎜でもおおきな差はないよと言われます。

③手術前のマーキングをしたのですが、これが腫瘍の大きさなのですか?
④C領域の癌はリンパ節が近いですが、リンパ節転移がしやすいですか?
乳輪から4cmくらい離れた場所です。

主治医の先生からは悪性だったらという話もなく、今のところ部分切除の予定です。

間隔の空かない質問で本当に申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「①新たに見つかった腫瘍が悪性だった場合、田澤先生でしたら全摘を勧められますか?」
⇒近傍だったら、そこも含めた「大きめの温存」でもいいのでは?

「②半月の間に2㎜くらい大きくなっていたのですが、悪性度が高いのでしょうか?または、エコーをする人の測定の誤差という事はあるのでしょうか?」
⇒誤差です。

「③手術前のマーキングをしたのですが、これが腫瘍の大きさなのですか?」
⇒違います。

「④C領域の癌はリンパ節が近いですが、リンパ節転移がしやすいですか?」
⇒1cm以下だから、あまり気にする必要はありません。

 
 

 

質問者様から 【質問3 浸潤性乳癌早期の化学療法について】

性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳癌
症状:

田澤先生よろしくお願いします。

浸潤性乳癌1期(腫瘍の大きさは1cmくらいです)
以前、手術前に他にも腫瘍が見つかり部分切除か全摘かについて相談させていただいた者です。

今回は放射線療法と抗がん剤の治療の順番について相談させてください。

ご相談させていただいた後から見つかった腫瘍は悪性ではなく、予定通り11/(上旬)に右乳房部分切除とセンチネルリンパ節の切除を行いました。

術中の迅速検査では、断端陰性、センチネルリンパ節3個取り全てマイナスでした。

術後の組織検査の結果はまだ出ていません。

脇の下に少し水が溜まっていますが経過は順調で12/(上旬)から放射線治療の予定が組まれています。

そこで質問なのですが
①組織検査の結果、もし抗がん剤が必要になった場合、抗がん剤を先にして放射線療法という標準治療から外れてしまいますが、治療成績(今後の局所再発や遠隔転移)への影響はありますか。

放射線の先生は、結果を待ってもいいけどいつ出るか分からない。
どっちにしても放射線療法は必要なので先にやってもいいとは思う。
待っているうちに時間だけ過ぎていくよりは心配がないのではないか、放射線治療中に結果が届けば追加の照射も可能だし、
その後で抗がん剤が必要ならしたらよいのではないかと言われます。

②放射線治療中の漢方薬やアスコルビン散を飲んでも、放射線治療の成果に影響はありませんか。

③放射線治療中にインフルエンザの予防接種を行う事は可能ですか。

まとまりのない文章ですみません。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「①組織検査の結果、もし抗がん剤が必要になった場合、抗がん剤を先にして放射線療法という標準治療から外れてしまいますが、治療成績(今後の局所再発や遠隔転移)への影響はありますか。」
→ありません。

「どっちにしても放射線療法は必要なので先にやってもいいとは思う。」
→このように考えるのは当然のことです。

 (仕事などの関係で)日程を急ぐ場合には「しばしばあること」です。

「②放射線治療中の漢方薬やアスコルビン散を飲んでも、放射線治療の成果に影響はありませんか。」
→ありません。

「③放射線治療中にインフルエンザの予防接種を行う事は可能ですか。」
→可能です。(ただ放射線科医が同じ考えなのかは保証できません。 要確認を)

 
 

 

質問者様から 【質問4 浸潤性乳癌早期の化学療法について】

性別:女性
年齢:46歳
病名:
症状:

田澤先生、先日も質問に回答していただきありがとうございました。

現在、放射線治療をしている最中で病理の結果が出たので相談させて下さい。
よろしくお願いいたします。

詳しいデーターはいただけなかったのですが、充実タイプで周囲の血管、リンパに癌は入っていない為、全身には広がりにくい。

腫瘍の大きさは10×8㎜
リンパ節転移はなし0/3
切除した乳房の端に0期の癌があり、
今回切除した浸潤癌からは離れた所にあり。

女性ホルモンとの関連があるので、ノルバデックス1日1回と6ヶ月に1回のリュープリンを行う。

ハーセプチンはマイナス
ki67 27.4

この様な結果で放射線治療を6週間、ホルモン療法を行う事になりました。

ここで質問なのですが、
1.他にも非浸潤癌があるかもしれないと思うと心配なのですが、先生は放射線の追加だけでよいと思われまますか。

非浸潤癌は放射線で消せるのでしょうか。

2.抗がん剤も必要ないと言われていますが、kiの値を見ると本当に必要ないのか心配になります。

先生でしたらこの場合抗がん剤はされますか?
先生のご意見を伺い、今後の医師へ相談したいと思います。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「1.他にも非浸潤癌があるかもしれないと思うと心配」
→これは誰にも解らないことであり、それを考えてしまえば「温存手術そのものが成りたたない」ことです。(それも含めて10年で温存乳房内再発が5%程度となるのです)

「先生は放射線の追加だけでよいと思われまますか。」
→断端陰性なら、それでいいでしょう。

「非浸潤癌は放射線で消せるのでしょうか。」
→現実に…

 照射が「温存乳房内再発を1/3にする」ことから、その可能性があることが解ります。

「2.抗がん剤も必要ないと言われていますが、kiの値を見ると本当に必要ないのか心配」
→グレーゾーンだからOncotypeDXしないと本当のところは不明です。

 
 

 

質問者様から 【質問5 】

浸潤性乳癌早期の化学療法について
性別:女性
年齢:46歳
病名:浸潤性乳癌
症状:手術後2ヶ月経過しています

田澤先生、おはようございます。
度々の質問にも分かりやすく返答して頂きありがとうございます。

他の方のQ&Aも何度も読んでみるのですが、なかなか決断が出来ずご意見を伺えたらと思います。
貴重な枠を使わせていただきすみませんが、よろしくお願いいたします。

前回の質問でオンコタイプDXを勧めていただいた者です。

再度担当医の先生と話す機会を持って頂き詳しく聞かせてもらいました。

病理結果は
充実タイプ
浸潤径9.5×7㎜
センチネルリンパ節転移なし0/3
グレード2
ホルモン
ER 7 (95%に弱い染色)
PgR3 (1%に中等度の染色)
ki67 27.4
ハーセプチン 0
血管、リンパへ癌は入っていない

オンコタイプDXについて相談した所、「必要ない。
もともと再発率が低いのに抗がん剤の上乗せはないのだから」と言われ一蹴されてしまいました。

先生のQ&Aを読ませて頂く限りでは浸潤径の小ささは最大の武器だと書かれており、4449の方への返答を読む限り1cmない私の場合もホルモン療法単独の選択もありなのかなと考えたりもします。

しかし、最近の先生のQ&Aでは5㎜以上でオンコタイプをして高リスクと出ればそれを信用するべきと書いてありオンコタイプが出来ない状況の私は腫瘍の大きさが小さい事に頼るしかない状況になっています。

どうしても答えが出ず、ご意見を頂けたらと思います。

質問は以下の5点です。

①浸潤径の大きさが最大の武器という考えに今もお変わりはありませんか?

②1cm以下の方の再発はほとんど記憶にないとの事ですが、それはルミナールBでホルモン療法のみを選択された方も含まれていますか?

③私の状況でホルモン療法のみを選択する事についてのご意見を教えていただけませんか?

④また難しいかもしれませんが、再度手術していただいた先生にオンコタイプをお願いしてやっていただけたとしても家庭の予定もあり、手術から4、
5ヶ月先に化学療法の開始になってしまいますが遅すぎますでしょうか。

⑤ルミールタイプの生存率は出していないと読みましたが、ルミナールBだとしてのホルモン療法のみ、抗がん剤をプラスした場合の10年生存率、再発率を教えていただく事は出来ますでしょうか?

沢山の質問ですみません。
先生のご意見を頼りにどうにか気持ちを保っている状況です。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

「①浸潤径の大きさが最大の武器という考えに今もお変わりはありませんか?」
「②1cm以下の方の再発はほとんど記憶にないとの事ですが、それはルミナールBでホルモン療法のみを選択された方も含まれていますか?」

→その通り。

「③私の状況でホルモン療法のみを選択する事についてのご意見を教えていただけませんか?」
→ルミナールタイプなのだから、その選択肢は当然あります。

「手術から4、5ヶ月先に化学療法の開始になってしまいますが遅すぎますでしょうか。」
→それはありません。

「ルミナールBだとしてのホルモン療法のみ、抗がん剤をプラスした場合の10年生存率、再発率を教えていただく事は出来ますでしょうか?」
→できません。(それを知りたければOncotypeDXしてください)