[管理番号:594]
性別:女性
年齢:44歳
去年の10月、5年ぶりにうけた健康診断で要精密検査となり
近所の大学病院に予約を入れました。
11月に予約がとれ、健康診断でとったマンモの画像を持参し、
エコーにて診察してもらい、念のためとのことで、その場で細胞診を受けました。
2週間後結果を聞きにいくと、
「二相性保持された乳管上皮細胞集塊を極少量認めます
また、一か所、核肥大を示す集塊を認めます
本標本においては、細胞量少量のため良悪鑑別は困難です」
との結果で針生検をうけるように言われました
針生検の予約をいれ、後日針生検をうけました
結果は
「間質にわずかに間質細胞を認めます。fibroadenoma,pyhllodes tumor
なども鑑別が必要ですが、病変が小さく、判断できません。
この標本には腫瘤と診断する所見は見られません」とのことでした。
主治医の先生は、癌との所見はとりあえずないので、次回2か月後に診察させてください
とのことでしたが、ここにいたるまで、年末年始をはさみ2月になっていて、
私がすっきりしたかったので、病変の外科的切除を希望しました。
(痛みもあった為。もともと、健康診断に行こうと思い立ったのも痛みのため)
そこから手術のための検査が続き、やっと先日
左乳腺腫瘤摘出手術を全身麻酔下で受けました。
そしてその検査結果が下記の通りです
「標本上に周囲の組織との境界が明瞭な腫瘍を認めます
管内型線維腺腫の所見を認めますが 一部の間質にやや核の大小不同を
有する異型細胞がバラバラに索状あるいは小腺管構造を示します
免疫染色を検討し、浸潤の有無を確認します。
また標本の一部に核小体が明瞭で軽度核異型を示す異型細胞が
乳管内に充実性に増速する組織像を認めます。DCISとHyperplasiaを
鑑別するために、免疫染色を検討します」
主治医にこれはどういう意味ですか?と聞いても大丈夫だから、としか教えてくれません
詳しい検査をしているので2週間後にまた聞きにくるようにとのことでした
私も自分であまり色々調べて不安になっても仕方ないので
今まで主治医のいうことだけ聞いて動いてきましたが、さすがに本当に
主治医の大丈夫を信じていていいのか心配になってきて
色々ネットを見ていて、先生のこのHPを見つけました
健康診断からここまで半年以上です
もっと早く先生のことを知っていればこんなに長い間確定しないで悩むことも
なかったのでは、と思っています
お聞きしたいこととしては、病理検査の結果、主治医は大丈夫とおっしゃいましたが、
本当に大丈夫な所見なのか?、ということと
免疫染色まですれば、さすがに100%白黒はっきりするのか?ということ
もし、よくない結果の場合、外科的切除をした後ですが、先生の病院で
セカンドオピニオンや転院は受けていただくことができるのか?
です。
お忙しいところ長々と書き連ねてしまいましたが、ご回答いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
最初から「針生検をしかも、確実な精度で」行っていれば、診断まで「2週間もかからなかった」筈です。
「半年以上」とは、想像しにくい期間です。
大変長期間の診療内容しかも、「細胞診所見」「針生検所見」を見る限り、両検査ともに診断技術の問題で『検体量不適性』となっている様子もうかがえます。
あまり言いたくはありませんが(それでも、しばしば書いてしまいます。ご容赦を)「大学病院」とか「○研病院」のような大病院の医師の診療には、困ったものだと感じています。
やはり、「この病院の診療は、自分が責任を持つ」という意識の欠如があると思います。ただたんに「診療経験不足」もありますが…
注目したのは「摘出標本のコメント」で
①「一部の間質にやや核の大小不同を有する異型細胞がバラバラに索状あるいは小腺管構造を示します 免疫染色を検討し、」
⇒『核の大小不同を有する異型細胞がバラバラに索状あるいは小腺管構造』『浸潤の有無を確認』
これらの表現はまるで、「癌の所見そのもの」のように見えます。
②「標本の一部に核小体が明瞭で軽度核異型を示す異型細胞が乳管内に充実性に増速する組織像」「DCISとHyperplasiaを鑑別」
⇒こちらは「癌とは言い切れない所見ながら、管内型線維腺腫の所見とは明らかに異なります」
回答
「病理検査の結果、主治医は大丈夫とおっしゃいましたが、本当に大丈夫な所見なのか?」
⇒前述したように、『管内型線維腺腫』とは異なる「組織所見」があります。
「線維腺腫と癌」両方が共存しているような印象で、「摘出されるべき病変」が全て切除されているのか?という疑問も残ります。
「どういう外科的生検」が行われたのか?疑問点もあります。
「免疫染色まですれば、さすがに100%白黒はっきりするのか?」
⇒「一部の間質に」「標本の一部に」という表現がありますので、『病変が一部なので、確定診断に至りません。』という結果となる可能性も十分にあります。
「よくない結果の場合、外科的切除をした後ですが、先生の病院でセカンドオピニオンや転院は受けていただくことができるのか?」
⇒勿論できます。
「よくない結果の場合」に限らず、「診断が曖昧」となるような際にも「是非、当院受診してください」力になります。
質問者様から 【質問2】
お忙しい中、早速ご回答くださりありがとうございます。
又、転院・セカンドオピニオンも受けてくださるとのこと、
本当にありがとうございます。
健康診断の時も、最初の診察の時も、先生方は
しこりはないね~とおっしゃりながら、触診していました。
又、マンモ、エコーの画像や造影剤MRIを見ても
悪い顔はしていない、悪い感じはないとおっしゃっていました。
ただ、手術前には私の手にも触れるしこりがありました。
針生検の時は主治医の先生は 固いのでちょっと刺しにくい とおっしゃってました
摘出はしこりだけをとる、とおっしゃっていて、万が一よくない場合
再手術でもう一度周りもとる手術をする場合があるとだけ
説明を受けています
しこりの大きさは2cmとおっしゃってました
検査報告書によると
提出された検体は左乳房C領域の部分切除材料です(大きさ:20×15×10mm)
と記載があります。
私としては、よい結果であっても悪い結果であっても
とにかく早く確実な診断結果で次に進みたいのに、毎回はっきりしないので
ちょっとぐったりしています。
又、入院中も点滴の血管をとるのに朝の6時から(おそらく)研修医さん2名に
7か所も針を刺しなおされ、盛大な内出血を大量に作られたり、看護婦さんも
「入ってまだ2か月なんです~」と患者に失敗の言い訳をしたりと
散々な思いをしたので、歩いて5分という恵まれた立地ですが、さすがに
もうちょっとちゃんと調べて病院を決めればよかったと少し後悔しています。
主治医の先生はとても感じのよい先生なのですが、さすがにこれだけ
確定診断が出ないと不安になり、先生に質問させていただきましたが、
すぐにお返事いただけ、とても心強く思いました。
次回診断結果を聞きに行き、あまりよくない場合や曖昧な結果だった場合
ぜひ先生に一度診ていただきたいです
その際はよろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
大学病院は「医師にとっても、看護師にとっても」重要な研修の場となっています。
私自身も15年位前には「大学病院に所属」していましたので、勿論状況は手に取るように解ります。
「大学病院で診療を受ける」ということは「研修医を育てる助けをする」という高尚な覚悟が必要です。
○やはり、「精度の高い、経験豊富な医師の診療を受ける」場所では無いのです。
「次回診断結果を聞きに行き、あまりよくない場合や曖昧な結果だった場合ぜひ先生に一度診ていただきたいです その際はよろしくお願いいたします。」
⇒是非、そのようにしてください。
私は「曖昧な診断」はしません。
どのようにしたら、確定診断となるのか?これは経験量がものをいうのです。
質問者様から 【質問3】
そちらにお伺いする際、持参すべき資料を教えてください。
次回、結果を聞きに病院に行くときに、よくない結果であれば
その場で主治医に伝えようと思います。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「持参すべき資料」ですね。
○病理レポート
○病理プレパラート
○画像所見(今回はエコーでの診断だったと思いますが、生検前のエコー画像)
◎病理プレパラートがあると、「当院病理での病理診断の見直し」もできます。