[管理番号:1876]
性別:女性
年齢:45歳
いつも乳がんプラザ拝見させて頂いています。
二週間前に針生検の結果がでて乳がんでした。
町の検診で乳腺症とあり、念の為 受診し 先生からこう言う細長い物は心配なんだよね。多分 大丈夫だろうけど検査する?と言う言葉に私も不安で心配するよりやっておこうと思い 針生検しました。
結果は乳がんでした。
エコーは検査前に一度しか撮っていなく、大きさは5mm×3mmだそうです。
検査結果は硬癌、ホルモン陽性 Her2 2+ 核グレード1言う事でした。
現在 来月の手術に向け 骨シンチとMRI 各臓器のエコーを取る予定となっています。
大きさからは早期だと思うのですが、針生検前から胸が痛く 針生検後も痛くて脇の下 首筋も張っている気がして心配です。
エコーは一度癌とわかる前に撮ったもので説明の時は画像を見ていなかったので、実際よく見ると他にもあちこちあるのではないか、他に転移しているのではないか、自分のは何か稀な癌で進行が早いのではないか悪い事ばかり考えてしまいます。
進行の早いたちの悪い癌の症状はどんなものなのでしょうか?
検査の結果が怖くて仕方ありません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
乳癌になったことは「不運」と言えますが、「質問者は自らの手で、運命を変えた」と言えます。
敢えて、私から言わせてもらえば(失礼にあたるとしたら謝ります)強運の持ち主ということです。
cT1b(5mm)
心配ありません。この時期であれば、「間違いなく根治を狙えます」
前向きに行きましょう。
「検診で乳腺症」
⇒この時点で、通常「また来年の検診」となるところを(自らの意志で)「乳腺外科を受診」し、「経過観察となりそうな状況もひっくり返し」早期発見に辿り着いたのです。
回答
「骨シンチとMRI 各臓器のエコーを取る予定」
⇒全く不要な検査です。
この「大きさの乳癌」で「転移など(リンパ節も含めて)ありえません」
「針生検前から胸が痛く 針生検後も痛くて脇の下 首筋も張っている気がして心配」
⇒全く心配無用です。
「乳癌による症状」ではなく、(年齢的にも)「女性ホルモンによる刺激症状」と言えます。
「他に転移しているのではないか、自分のは何か稀な癌で進行が早いのではないか」
⇒全く考える必要の無い事です。
誰しも(癌と診断されれば)無用な心配に悩まされるものです。
ただ、質問者のその「慎重な姿勢」が「早期発見を呼び寄せた」とも言えますが…
「進行の早いたちの悪い癌の症状はどんなものなのでしょうか?」
⇒そんなものはありません。
全く不必要な心配と言えます。「早期癌」に症状などないのです。
「癌と診断される」と「あらゆる症状や体調不良」が全て「癌が原因?」と考えてしまうものです。(全く心配無用です)
○早期発見に勝る治療なし。
今は無理でも、「あの時、早期発見できて本当に良かった」と思える日がきっと来ます。
質問者様から 【質問2】
前回、質問をさせて頂き安心して温存手術を受ける事ができました。
手術後の病理結果が年末に一度でたのですが、断端陽性、小葉に異形細胞があるという事で再度 がんセンターへ病理検査依頼をしてもらいました。
結果は下記の様でした。
乳管ガン
大きさ 1.5cm×1.3cm
センチネルリンパ節 0/3
遠隔転移なし
ホルモンレセプター 陽性
HER2タンパク マイナス
断端陽性(乳頭方向に非浸潤がん)
ガンの細胞異型 グレード1
Ki67 10%
リンパ管血管浸潤 1y0 v0
とった細胞の中にはたくさんの非浸潤性小葉ガンがあるとの事でした。
ここで再度全摘手術をするか、放射線治療とホルモン療法(タモキシフェン)でいくか決めて下さいと言われました。
担当医からガンはきちんと取れているし乳頭側に残ってしまったものは非浸潤ガンであるから放射線を25回+5回すれば大丈夫だと思うとの事でした。
非浸潤性小葉ガンがたくさん見られるがそれはアメリカでは経過観察で日本でもだいたいが経過観察であると言うので私は全摘をしないで担当医の勧めてくれたこのまま温存で放射線治療とホルモン治療でいこうと一旦は決めました。
しかし、本当にその答えで良かったのか今だに迷っています。
現在 卵巣は少し腫れていて、甲状腺腫(こちらは5年位前から経過観察)もあります。
そのような事を含め田澤先生でしたらどの様な判断をされるのかお聞きしたく再度質問させて頂きました。
また、非浸潤性小葉ガンはあまりないタイプなのですか?
前回の質問の時 早期発見に勝る治療なしと励まして頂きとても嬉しく私の力になりました。
ここで判断を間違え、後悔したくありません。
今回も先生のアドバイスが欲しくよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN0, luminalA, NG1
早期乳癌です。
「担当医からガンはきちんと取れているし乳頭側に残ってしまったものは非浸潤ガンであるから放射線を25回+5回すれば大丈夫だと思う」「全摘をしないで担当医の勧めてくれたこのまま温存で放射線治療とホルモン治療でいこうと一旦は決めました。」「しかし、本当にその答えで良かったのか今だに迷っています。」「そのような事を含め田澤先生でしたらどの様な判断をされるのかお聞きしたく再度質問させて頂きました。」
⇒断端の取り扱ですが、「非浸潤癌で小範囲」ならば「その方針=放射線25回+5回」でいいと思います。
「また、非浸潤性小葉ガンはあまりないタイプなのですか?」
⇒そんな事はありません。
「浸潤性乳管癌に対する非浸潤性乳管癌」と同様に「浸潤性小葉癌に対し非浸潤性小葉癌」が存在します。
小葉癌は「大人しい」ですが、「対側を含めた乳腺内に新規に出現(再発ではありません)」に注意が必要であり、それに対してはタモキシフェンが効果を発揮します。
○放射線照射をしてタモキシフェンを内服すること、定期的なエコー検査をすること、それが大事です。