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しこりの大きさについて

[管理番号:779]
性別:女性
年齢:44歳
はじめてメール致します。宜しくお願いいたします。
一昨年の春に、左側の全摘(リンパ節郭清も)手術を行いました。発覚した際は乳房内の広域に伸長している事が解っており、リンパ節への転移も疑う所でしたが、幸い転移は見られませんでした。よって術後治療は、タスオミン経口10年、ゾラデックス2年(3月で終了しました)のホルモン治療のみです。
病理検査結果は、以下の通りです。
腫瘍径 3.5㎝の浸潤癌/非浸潤癌が6㎝伸長
ER コストロゲンレセプター >90%
PgR プロゲステル >90%
HER2 2±(FISH 陰性)
Ki-67 13.5%
Nuclear grade Grade2→術前はgrade1
リンパ管侵襲 ly(-)
静脈侵襲 v(-)
断端陰性
リンパ節転移(0/9)
ご質問です。
1)当初、病理検査結果に何故か「ステージ2B」と書かれていましたが、2Aでも間違いない、と言われました。どちらが正しいのでしょうか?
2)オリゴメタスターシスでは、乳癌が再発しても治癒が期待できる、という記事を見たのですが、ルミナルAの場合は、晩期再発となるとあまり芳しくないという結論に読み取れました。
晩期再発のリスクを下げる治療法は、あるのでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、今後の励みにしたく、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 pT2(35mm), pN0, pStageⅡA, luminal Aです。

回答

「タスオミン経口10年、ゾラデックス2年(3月で終了しました)のホルモン治療」
⇒(一昨年当時は)標準的治療といえます。
 42歳(当時)、腫瘍径35mmというのがゾラデックス(LH-RHagonist)を併用した根拠でしょう。
 ただし、「SOFT試験」が浸透した現在では「上乗せ効果はあまりない」と結論づけられます。(★今となっては質問者にはどうでもいい事ですが、このブログを見る他の方達のために記載しました)
 
「当初、病理検査結果に何故か「ステージ2B」と書かれていましたが、2Aでも間違いない、と言われました。どちらが正しいのでしょうか?」
⇒冒頭に示した様に「ステージ2A」です。
 ステージ2Bというのは「単なる記載ミスなのか勘違い」です。
 
「晩期再発のリスクを下げる治療法は、あるのでしょうか?」
⇒タモキシフェン10年投与です。
 これこそ、(タモキシフェン10年投与の優位性を明らかにした)「ATLAS試験」に答えがあります。
 タモキシフェン10年投与は5年投与と比較して、「10年以上経った後(つまり内服終了となった後)により効果がある」ことが明らかとなりました。
 ○術後15年目の晩期再発リスクを確実に減らします。
 
 

 

質問者様から 【質問2 御礼(こちらにすみません・・)】

田澤先生
779でご質問したものです。早速にもご回答を頂いており、恐縮いたしました。
お忙しい中細やかなご対応、本当に感謝いたしております。
乳癌患者となって、今までの自らの無知さを嘆くと共に、如何に多くの方々が
乳癌で悩まれているかを知りました。その中で、迷いに迷いアドバイスを求め
て先生に行き着き、的確なアドバイスの下に導かれるのは本当に有り難いこと
だと思っております。
御礼を申し上げたかったのですが、失礼を承知の上でこちらに御礼メールを申
し上げます。後は前向きに、進んで参ります。
呉々もご自愛下さいますように、お祈り申し上げま す。
有難うございました。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

以前NO.779でご相談したものです。いつもQ&Aを拝読しています。必要かつ的確な
情報を余すところなく与えてくださる事に、本当に感謝が尽きません。
ここまで丁寧で、まるで診察を頂けるような情報を下さる場所など、他にはありませ
ん。有り難う御座います。
気にしないようにと割り切ったつもりが、定期的に不安になり、またご質問したく思
います。
その後改めて病理結果を良く読むと、「乳頭線管癌」である事、腫瘍のサイズは7㎝
(ステージⅡB)とされている病理診断依頼時の資料から、実際には浸潤径が3.5
㎝という結果が書かれている事が解りました。
ただ、主治医にステージはⅡAではありませんか?と尋ねると、「7㎝あったから」
という前置きで、「ⅡAでも間違いありませんが」と仰ったので、不安になり、ご相
談した次第でした。
この点は、先般先生が別の方のご回答で書かれていた、「非浸潤癌」と「浸潤部分の
癌」は基本的には別のもの、というご説明から、納得感を得ることが出来ました。有
難うございます。
私は乳癌発覚より約5年前に、「動くシコリ」に気付いて、日本○○○○病院でマン
モ検査を受けました。「問題なし」でしたが明らかにシコリに触れたので、同年別の
病院(○○胃腸科○○○○病院)で受診しましたが、「問題なし」でした。2度受診
したので大丈夫、というただの過信は本当に反省ですが、結果としてその部分のシコ
リが成長し、癌という病理診断を得たことになります。
そこでご質問です。
1)明らかに指に触れるシコリがあっても、マンモグラフィー検査で問題無いとされ
た場合、それはやはり(その時点では)癌では無かったということでしょうか。
2)怖いのですが・・しこりの浸潤径の大きさは、予後因子にどの程度影響を与える
ものでしょうか。
何度も申し訳ありません。
今は○○市民病院乳腺甲状腺外科に通院、3ヶ月おきの血液検査、年一回のマンモ、
骨シンチ、造影CTで、タスオミン服用2年半のみの治療です。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「結果としてその部分のシコリが成長し、癌という病理診断を得たことになります」
⇒明らかなしこりを触れておきながら「マンモ」で異常所見が無いだけで「問題無し」としているとしたら、「乳腺外科医としては大いに問題あり」と思います。

回答

「明らかに指に触れるシコリがあっても、マンモグラフィー検査で問題無いとされた
場合、それはやはり(その時点では)癌では無かったということでしょうか」
⇒その時点で癌です。
 「良性腫瘍」は決して「癌にはならない」し、逆も無いのです。
 
「しこりの浸潤径の大きさは、予後因子にどの程度影響を与えるものでしょうか」
⇒「浸潤径」と「リンパ節転移の個数」で「ステージ」がきまります。
 その意味では「サブタイプ」とか「核グレード」以上に「予後に影響を与える因
子」であるということです。
 ただ「35mm」というのは「それ程心配のある大きさ」ではありません。
 
「年一回のマンモ、骨シンチ、造影CT」
⇒年1回の骨シンチと造影CTの必要性はありません。(マンモグラフィーは必要です)
 ただ、「ご本人のご希望で行っている」のであれば構わないことですが…
 「被爆の問題」は度外視できないのです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

大変お世話になっております。
再度のご質問申し訳ありませんが、何卒宜しくお願いいたします。
先日3ケ月健診(血液検査のみ)に病院に参りまして、その際に腫瘍マーカーについて確認しました。
腫瘍マーカーは、私の場合CEA、CA15-3、NCCST-439、血清her2t蛋白の4種類されているという事で、毎度プリントアウト頂く資料には、CEAとCA15-3の2種が入っています。いずれも、約3年前より採血を始めて以来値は小さく、問題はありません。
偶々主治医のカルテ画面を確認していて、この血清her2蛋白の数値が、カットオフ値の15.2以上を表す↑矢印が連続付いており、内容を見せていただくと、術前の数値がやや(不確かですが)で高く、術後に下がったものの、その後この15を基準として11~17辺りを上下している状態でした。先生も、「上がったり下がったりしている事と、血清her2蛋白の有用性については、まだ確立されていないのが実情なので、気にしなくていいよ」と言われました。(her2は、2+fish陰性でした)
腫瘍が大きかったので、あくまでも念の為再発時のリスクを最小限にする目的で、経過観察として4種を確認している、と説明を頂きました。
①腫瘍マーカーの動きに一喜一憂してはならないと思いますが、この血清her2蛋白の有用性について、是非教えていただけないでしょうか?
②また、組織her2との関連性について、教えて頂けると幸甚です。
お忙しい中恐縮ですが、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
担当医の「上がったり下がったりしている事と、血清her2蛋白の有用性については、まだ確立されていないのが実情なので、気にしなくていいよ」
⇒このコメントは「全く、正しい」と言えます。
 
 ただし、HER2陰性(FISH陰性であればHER2 2+など、全く無意味です)なのに「血清HER2を測定する事自体」が無意味です。
 
「①腫瘍マーカーの動きに一喜一憂してはならないと思いますが、この血清her2蛋白の有用性について、是非教えていただけないでしょうか?」
⇒担当医のコメント通りです。
 全く証明されていません。
 但し、私個人的な経験からは(HER2陽性乳癌における)「再発治療における、治療効果判定(治療効果モニタリングといいます)には有用」と考えています。
 実際、(HER2陽性乳癌における)「治療効果モニタリングには有用」というデータは存在します。
 
「また、組織her2との関連性について、教えて頂けると幸甚です」
⇒HER2陽性乳癌では、その過剰発現した「HER2蛋白」の細胞外ドメインが、「血液中に放出」されます。
 つまり、「想像」として「HER2陽性乳癌組織が(体内に)増える」と「血液中に放出されるHER2蛋白の細胞外ドメインも増える=これを血性HER2として測定」なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

田澤先生、大変お疲れ様です。
そしてお世話になっております。
また3つのご質問をさせて下さい。
ご指導宜しくお願いいたします。
(1)
「考え方」の問題なのですが、私の場合腫瘍の大きさ(浸潤径3.5cm)と、平成19年に感じた胸のしこりの感覚と最終的にそれは癌だったという経緯から考えると、先生が仰るように「乳癌は短期間に成長し辛い」という事実からしても、かなり前から癌があり、浸潤もしていたのかな、と考えております。
この場合、一般的に術後3年、5年、10年等、癌などの疾患で、”寛解?する”
若しくはほぼ”完治する”等の意味での期間”は、どのように考えるのが妥当なのでしょうか?
あくまでも手術後、というのも何となく理解し辛く、リンパ節転移や遠隔転移による
発病を推し量る期間が(今後)単純に短くあって欲しい、という懇願もあるのも事実ですが・・・私は全摘し、ホルモン治療単独で現状に至りますが、この期間の切り方がよく解りません。(実態として)
(2)
私の病理検査結果(3.5cm、ルミナルA、リンパ節転移無し、グレード2、KI67
13.5%)と現状からして、今後の無病再発率はどの程度でしょうか。
先生が言われた通り、タスオミン錠は継続して先ずは10年を目途に経口して参ります。
(主治医も同じご方針です)
(3)最近軽度の眩暈(特に明け方や起床時間に)が起きるのですが、これは薬の副作用なのでしょうか。
タモキシフェンを服用するようになってからは、かなり酷いホットフラッシュ(今は慣れました)と所謂更年期症状があるものの、眩暈はありませんでした。
先生、どうぞ宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
『1)「考え方」の問題なのですが、私の場合腫瘍の大きさ(浸潤径3.5cm)と、平成19年に感じた胸のしこりの感覚と最終的にそれは癌だったという経緯から考えると、先生が仰るように「乳癌は短期間に成長し辛い」という事実からしても、かなり前から癌があり、浸潤もしていたのかな、と考えております。この場合、一般的に術後3年、5年、10年等、癌などの疾患で、”寛解?する”、若しくはほぼ”完治する”等の意味での期間”は、どのように考えるのが妥当なのでしょうか?』
⇒おそらく質問者は「安心してもいい期間(「10年経ったから大丈夫」とか、「20年なら大丈夫」など)」について気になっているのでしょう。
 「腫瘍誕生から見つかる(そして手術する)までの期間」が5年:例えば「腫瘍径1cm」(ケースA)と、同期間が7年:例えば「腫瘍径4cm」(ケースB)での違いですね?
 「ケースA」よりも「ケースB]の方が(将来的に再発すると仮定した場合)再発するまでの期間が「2年短い=2年早く決着する」のではないか?という考えですね?
○そう単純化はできません。
 それは「全く同じ増殖スピードと仮定」しなくてはなりませんし(実際は、そこを計算することは不可能です)、「転移・再発」というのは「腫瘍が出現してからの期間には(単純には)比例しない」からです。
 つまり、「体の中にその腫瘍が存在したままの2年」と「体から腫瘍を摘出してからの2年」では「転移・再発のリスクが違う」と考えられるのです。
 
「あくまでも手術後、というのも何となく理解し辛く」
⇒「手術した時点での腫瘍の大きさ」が基準となることが、お解りいただけましたか?
 同じ2年でも「腫瘍を取り去る(手術する)までの2年」と「腫瘍を取り去ってから(手術後の)2年」では全く「意味合いが異なる」のです。
 
『2)私の病理検査結果(3.5cm、ルミナルA、リンパ節転移無し、グレード2、KI67 13.5%)と現状からして、今後の無病再発率はどの程度でしょうか。
先生が言われた通り、タスオミン錠は継続して先ずは10年を目途に経口して参ります。』
⇒70%です。
 
「3)最近軽度の眩暈(特に明け方や起床時間に)が起きるのですが、これは薬の副作用なのでしょうか。」
⇒そう思います。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

先生お世話になっております。
そしてお疲れ様です。
改めてご質問したく、宜しくお願い致します。
病理検査結果は、以下の通りです。
************************************************
腫瘍径 3.5cmの浸潤癌/非浸潤癌6cm伸長
ER エストロゲンレセプター >90%
PgR プロゲステル >90%
HER2 2±(FISH 陰性)
Ki-67 13.5%
Nuclear grade Grade2
リンパ管侵襲 ly(-)
静脈侵襲 v(-)
断端陰性
リンパ節転移(0/9)
治療は、2年間ゾラディクス、今はタモキシフェン経口のみです。
現在、術後3年9ケ月です。
生理はゾラ終了から1年経過した、今年7月から再開しました。
***
今日の血液検査で、正常値だったNCCーSTの値が20↑に急上昇しました。
その他は全く問題なく、マーカーもCEAは0.6、CA15-3は4、と術後も殆ど動きがありません。
主治医は、元々再発を強く懸念する病状では無かった事と、NCCの上昇だけなので転移等では無いとは思うが、一応「慎重になる」として、丁度次回3ケ月後が4年目検診になるので、全身検査を行う、と言われました。
生理前なので、女性ホルモンの影響もあるの
でしょうか。
また、3ケ月後の検査でいいのでしょうか。
宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
NCC-ST439については「過去にも」質問がありましたが、(CEAやCA15-3が動かないなら)気にしない様にしましょう。
「それでは、何故NCC-ST439を計るのか?」と聞かれそうですが、「正にその通り」です。
 私は「CEAとCA15-3しか測定していません」それは経験から学んだ事です。