[管理番号:939]
性別:女性
年齢:50歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
初めまして、ご質問させていただきます。
1か月程前から左乳房にしこりを見つけました。同時に、時々ピリピリとした痛みのような違和感がありました。
実は妹が2か月程前に初期の乳がんで、温存手術後、放射線治療も済んだ矢先で、私自身も10年前の40歳無料検診で初めてマンモ検査をしたきりだったので、今回乳腺外科のクリニックで診察してもらおうと思い、先日行きました。
先ず触診、エコーでは腫瘤があるとのことで、数日後マンモと細胞診の予約をとり、
検査も済ませ、結果もきっと大丈夫だろうと安心しておりました。
少し乳がんのしこりの特徴や症状など自分で調べましたところ、悪性は硬い、良性 は消しゴムのような感触であるとか。また癌は痛みはほとんどないもので、痛みのあるものは乳腺症などの良性であるとのこと。なので結果がわかるまでは、きっと大丈夫だろうと安心しておりました。硬さも消しゴムの硬さでした。妹のしこりは小豆のような硬さだった印象がありました。
ただ、段々しこり部分の痛みが増すようになったので不安な日を過ごしました。
細胞診の結果は、クラスⅤでした。急に不安と恐怖でいっぱいです。つまり悪性だったのですね。来週大きな病院での精密検査になりますが、心配なのは、肩甲骨や、右乳房まで痛みが出てきています。
転移なのでしょうか。ステージも末期なのかとても不安です。
痛みが明らかにあるので進行度も心配です。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「細胞診をした」クリニックでは「腫瘍の大きさ」とか(超音波での)「リンパ節の状況」は話されていなのですか?
回答
「転移なのでしょうか。ステージも末期なのかとても不安です。」
⇒上記のような状況が不明なので「正確に答える」ことが困難なのですが…
「肩甲骨や、右乳房まで痛みが出てきています」このような症状は「乳腺症の症状」です。
癌による症状ではありません。
もちろん、「1か月前に自覚」程度であれば「遠隔転移」などありません。
「痛みが明らかにあるので進行度 も心配」
⇒これも進行度とは無関係です。
たまに「疼痛を伴う乳癌」を診ることがありますが、「進行とは全く無関係」なのです。
年齢的に「女性ホルモンの影響」でしょう。
○もちろん「末期」などありえません。
病院を受診する際には「腫瘍の大きさ」と「エコーでのリンパ節の程度」を確認してみてください。
質問者様から 【質問2 クラスⅤ】
田澤先生、お忙しい中、回答ありがとうございます。
先生の回答を読ませていただき少し気持ちが楽になりましたが、また質問をさせていただきたいことがございます。
まず、腫瘤の大きさやリンパ節の状況など詳しくクリニックの先生から説明などありませんでした。私のほうから聞くべきでありましたが、その時点では細胞診の結果を口頭で
「残念ながら悪いものでした。この細胞診はあくまで腫瘤部分を採取して検査した結果ですので癌の種類や転移の有無など、腫瘤の大きさ等はこれから調べていく方向になります」と、
お話があり、大きな病院の紹介状を作成しますとのことでした。
診察デスクの上にはクラスⅤの判定の書かれた小さな紙が目に留まりました。
そこで気になるのはクラスⅤの判定は間違いなく悪性と判断すべき結果なのでしょうか。
最初に質問させていただいたしこりの痛みがだんだん増していること、反対側の乳房、肩甲骨までが時々痛みがあることで、いただいたお答えは「癌ではなく乳腺症の症状です」との
ことでしたが、もしかして細胞診の結果がⅤでも良性の可能性もあるのかと期待しております。
また、癌とは別に同時期に乳腺症もできているのかとも深読みしてしまったり・・・
左胸のしこり部分はズキズキと常にあります。
ただ痛みと進行度とは無関係であると回答くださったことで少し安堵しており、今後の検査にも前向きな気持ちでおります。
お忙しい中ご回答くださったことに大変感謝いたしますのに、また今の状況も不明なまま先生にご質問するのは申し訳ないのですが、週明けからの検査までの待ち時間が長く感じられ、不安でいっぱいでしたので・・・
どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「乳癌を疑うような腫瘤」であれば、「細胞診などせずに(最初から)組織診をすべき」だとは思いますが(無駄に時間がかかっているのが私には気になります)
残念ながら「細胞診でクラスⅤであれば、乳癌の可能性は99%間違いない」と思います。
細胞診は「サンプリングエラーが起こり易い」ので「偽陰性(本当は癌なのに、癌細胞がでない)は多い」ですが、「疑陽性(本当は癌でないのに、癌細胞と判定する)は少ない=1%程度」なのです。
回答
「この細胞診はあくまで腫瘤部分を採取して検査した結果ですので癌の種類や転移の有無など、腫瘤の大きさ等はこれから調べていく方向になります」
⇒このような事では「このクリニックの存在理由」は何なのでしょうか?
少し厳しい意見を書きますが…
クリニックの存在意義が「乳癌らしい患者さんを大きな病院へ送るため」でしかないのであれば、「単に時間を無駄にするにすぎません」
○本来あるべき「クリニックの役割」は、初診で「針生検をして診断を確定」し、「超音波検査で腫瘍径やリンパ節転移の所見などについて判断する」べきです。
私は「金曜日夕」と「土曜日」に「メディカルプラザ市川駅」で診療をしていますが、(そこは「江戸川病院」とは違って「クリニックのような形」なのですが)
「初診時に(癌を疑えば)そのままマンモトーム生検を行い、更に超音波でリンパ節の腫れ具合もお話」します。
どこのクリニックでも、自分のところで「針生検をして確定診断をつける」ようにすれば
「クリニックで細胞診」⇒病院へ紹介⇒「紹介先の病院で針生検」という「余計な時間が省略できる」と思います。
これだけ「スピード感のある毎日をおくっている現代人」にとって「スピード感」は重要な筈です。(しかも相手は癌なのです。無駄な時間をかけるべきではありません)
「そこで気になるのはクラスⅤの判定は間違いなく悪性と判断すべき結果なのでしょうか」
⇒残念ながら「99%間違いありません」
細胞診での「疑陽性」は非常に少ないのです。
「癌とは別に同時期に乳腺症もできているのかとも深読み」
⇒実際のところ、そういうことだと思います。
○質問者自身が「最初、良性では?」と思う位の「しこり」なのだから「十分早期」だと思います。
大事な事は、紹介先で「直ぐに針生検で確定診断してもらうこと」と「リンパ節の状況(腫大の有無)の確認」をしてもらってください。
これ以上、「余計な時間がなく」スピード感のある診療がされる事を願っています。