[管理番号:111]
性別:女性
年齢:50歳
4ヶ月前に左胸にしこりがあるのに気づきました。
1年前の健診で乳腺症,多発性嚢胞がありましたので病院へ行きませんでした。1週間前に左胸の皮膚が、くぼんでいるのに気づきました。しこりの大きさは、4~5㎝くらいあります。乳がんでしょうか。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「乳腺症や多発性のう胞」は癌にはなりません。
ただし、本当に「乳腺症だったのか?」という疑念もあります。
それでは回答します。
回答
「左胸の皮膚が、くぼんでいるのに気づきました。しこりの大きさは、4~5㎝くらいあります。乳がんでしょうか?」
⇒通常、「皮膚のくぼみ」や「4~5cmのしこり」と言われると、乳癌の可能性は考えなくてはいけません。
是非、「乳腺外科を受診」してください。
問題は「1年前の乳腺症や多発性嚢胞という診断」が「健診での診断」だということです。
●「乳腺症や嚢胞」と思っていたものが実は「腫瘍」だったという可能性があります。
残念ながら「健診結果が100%正しい」とは限らないのです。
「4か月前にしこりを自覚」⇒「1週間前に左胸の皮膚がくぼむ。4~5cmのしこりがある」
非常に気になる症状です。
◎1年前の健診結果を信じ過ぎるのは危険です。きちんと今、病院で確認してもらってください。
質問者様から 【質問2】
お忙しい中ご回答を頂き、ありがとうございました。
かかりつけの病院で紹介状と予約を入れて頂き、乳腺外科を受診致しました。
マンモ、エコー、針生検の結果、乳癌が見つかりました。しこりの大きさは、3㎝ありました。
針生検前にブドウ状の嚢胞がありましたが、検査後家で左胸に液が流れるような感じがあり、次の日には、触って左胸の嚢胞はなくなっていました。
嚢胞の液が体の流れても大丈夫なのでしょうか。乳がんの進行が、早くなることはありませんか。
検査をしてから左胸と脇の痛みが続いており、気になります。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
先日の質問の後、「乳腺外科を受診」し、乳癌と診断されたのですね。
是非、前向きに治療へ向いましょう。
状況確認の上、回答します。
状況確認
「1年前の検診では 嚢胞と乳腺症 と言われた」という事でした。
そして、今回は「乳癌」の診断
その関係により2通りに考えられます。質問者の場合にはどちらに当てはまるでしょうか?
- (パターン①)多発嚢胞が実は乳癌だった。
⇒この場合には「小嚢胞が多発し、それを含む癌=非浸潤癌もしくは、そこから浸潤した乳頭腺管癌など」となります。
- (パターン②)多発嚢胞は(本当に)「ただの嚢胞」であり、その近傍もしくは離れた部位に「癌」が発生した
⇒この場合には、(前述した)「多発嚢胞は癌とは無関係」となります。
回答
「嚢胞の液が体の流れても大丈夫なのでしょうか。乳がんの進行が、早くなることはありませんか。」
⇒「状況確認」のパターン①か②により、若干異なります。
- (パターン①の場合)
⇒(針生検により穿刺された事で)癌細胞が周囲に(若干)散らばっている可能性はあります。(全身に広がるなどの心配はありませんが)
1~2カ月以内に手術で「周辺を含めて」摘出すれば大丈夫です。
※そのまま長期間放置すると、「腫瘍が広がる可能性はあります)
- (パターン②の場合)
⇒これは心配ありません。たまたま針生検の針で「ただの嚢胞液」が漏れても、そのまま体内に吸収されるだけです。
「検査をしてから左胸と脇の痛みが続いており、気になります。」
⇒これは単純に、針生検による「検査後の痛み」です。心配はありません。