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10㎜のしこり

[管理番号:3222]
性別:女性
年齢:46歳
初めて質問させていただきます。
46歳女性、子供2人です。
3月末に、総合病院で人間ドッグ(マンモ+触診)~
右乳房に左右非対称印影で、
4月中旬に再検査、エコー、マンモ、触診で、結果は異常無しとのことでしたが、
先日、右外側上部にシコリを感じ、7/(上旬)に慌てて再々検査に行きました。
エコーと触診でした。
10×8×6㎜の腫瘤があるとのこと。
(中旬)日に、MRIと組織検査だそうです。
医師は最初は「また、テレビの見過ぎじゃないの??」と笑っていましたが、最後は「よく来てくれた」と言われました、
見せられたエコーの画像は、少しいびつな?楕円形で、中は真っ黒ではなかったように思います。
医師からは、形状や中身の説明はなく、柔らかそうだけど…とか、どちらとも言えません…のような、歯切れが悪い言い方で、余計に癌なんだろうなと思えてなりません。
乳腺の腫れではないとキッパリ言われました。
シコリは、プリプリしていて、触ると逃げる感じです。
押せば少し痛みますが激痛ではありません。
4月の人間ドッグでの非対称印影はこれかと聞くと違うだろうと。
エコーや触診での見落としでもなかろう、この3カ月足らずで出現したんだろう。
と言われました。
私がシコリに気づいたのは、ほんとに偶然で、明け方布団の中で、右腕を上げて、左側に少し斜めに身体を傾けた状態で、何気なく触ったらあった…という感じです。
普通に仰向けで、腕を上げた状態では、わかりません。
病院での触診でも、私が「これです」と体勢を変えて言わないとわかりませんでした。
エコー技師も分からなかったらしく、途中で「ご自分でどこかわかりますか?」と聞かれ、体勢を変えてここだと言うと、撮影できたようです。
私の質問ですが
?このように、触れにくい?シコリだと思うのですが
4月の検査で見落とされていた可能性は本当に無いのでしょうか…
(医師は無いと言います)
マンモの非対称印影はこれではなかったのか?と疑問です。
?医師の言う通り、3カ月弱で1センチに成長するような腫瘤なら
組織検査が10日後…さらに結果は1週間後…のようなペースで
大丈夫なのでしょうか。
?悪性と出たとして。
仮に、成長の早いタイプではなかった場合…
4月のドッグ再検査での見落としとなりますが、この病院を信用して、そのまま治療に進んでいいのかどうか…。
お忙しいところ恐縮ですがご意見をお聞かせください。
あと2週間も、結果待ちで悶々としている間に、いろんな想定をして準備しておきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「普通に仰向けで、腕を上げた状態では、わかりません。病院での触診でも、私が「これです」と体勢を変えて言わないとわかりませんでした。エコー技師も分からなかったらしく、途中で「ご自分でどこかわかりますか?」と聞かれ、体勢を変えてここだと言うと、撮影できたようです。」
⇒この内容からすると、「見落としの可能性が高い」とは思います。
 常識的に考えて「3カ月弱」であれば、(癌だとしても)「殆ど変化無い(私の感覚では、例え癌であっても1,2mm程度の違いでしょう)」
 そうすると8mm程度だとしても「存在していた」と思います。
 「解り難い」もののようですが…
 
「?このように、触れにくい?シコリだと思うのですが4月の検査で見落とされていた可能性は本当に無いのでしょうか…(医師は無いと言います)マンモの非対称印影はこれではなかったのか?と疑問です。」
⇒上術のように、「3カ月で新たに出現」ではないと思います。
 マンモグラフィーの「局所的非対称性陰影」と一致するかは疑問です(最も偽陽性が多い検査です)
 
「?医師の言う通り、3カ月弱で1センチに成長するような腫瘤なら組織検査が10日後…さらに結果は1週間後…のようなペースで大丈夫なのでしょうか。」
⇒そんな「早い腫瘍」はありません。
 
「4月のドッグ再検査での見落としとなりますが、この病院を信用して、そのまま治療に進んでいいのかどうか…。」
⇒「触診はやや難しい」のかもしれません。
 ただし、その際にも「エコーは技師さん」なのでしょうか?
 「要精密検査のエコー」位は医師が行うべきだと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日、質問させて頂きました。
その節は大変ありがとうございました。
先週、MRIと組織検査に行ってきました。
まず、MRI。
その結果説明
後、組織検査という流れでした。
今週結果が出ます。
MRI後、覚悟して診察室に入ると、医師は開口一番「何にも写ってないんですよ」と。
「何にも報告が上がってきてない」と言って、画像を見ながら説明してくれました。
何枚かの画像を見ながら「これ、あなたの足元から見上げた状態と思って見てね。
こちらが右。
こうして見て行って、もし癌があれば、ドーナツ状に写ってくるんだけど、何にも写ってないんですよ。」
「まぁ心配ないんだろうけどここまで来たから、最後までちゃんと検査して、ハッキリさせましょうね。」ということで、組織検査へ。
技師がエコーを写し、医師が穿刺の準備して、モニターを見てしこりを確認したところ(その時もなかなか写らず、大勢を変えて指差してやっと捉えました)、医師が「あー、これね、脂肪じゃないかなぁ…、コアはもったいないな、細胞針でいい!」と言われ、急遽、細胞針に変更。
私はこの際、組織検査してくれと思いましたが医師の勢いと断言に言えず。
針を刺しながら「柔らかいな、逃げるなぁ、あのね癌はこんな感じじゃないよ。
こんなに柔らかくない」と、何度か採取し、1週間後結果が出るが、まずは安心してくださいと言われ、終了。
2週間近く、癌のこと、癌になったら私の生活や家族は…と、悶々と考えていたので、呆然と帰りましたが、今、いろいろ疑問が湧いてきています。
?マンモ、触診、エコーで確認出来ているしこりが、MRIで「なんにも写らない」なんてことがあり得るのでしょうか?撮りそこないということはないのでしょうか。
ちなみに、当日生理が始まりましたが関係ありますか。
MRIは1時間以上かかりました。
結果が出るのもかなり待たされ、他の患者さんより後になりました。
撮影に時間がかかったということは、何も写って来ないから、何度も念を入れて撮ったのか?結果の出るのが遅かったのも、技師の皆さんで検証してくれたからなのか?と、前向きに考えたいのですが、やはり、誤診が心配です。
?組織検査をやめて、細胞針で良かったと思われますか?
おそらく医師は、私のエコー検査の画像を生で診たのは、その時が初だったと思います。
最初の診察時に見ていたのはエコー技師が報告してきた写真でした。
エコー画像や針を刺す感触で、脂肪と癌と、区別がつくものなのでしょうか。
?この10日余りで、しこりの形が変わりました。
最初は、丸かったのが
今は、少し長くなっていて枝豆のような感じです。
そういうことがありますか?途中生理が始まりましたが。
医師に訴えると、触らずに「そんな気がするだけ」と一蹴されました。
?医師は、このしこりについて4月の精密検査の見落としは全否定でした。
脂肪の塊だとして、3か月で1センチに成長するものでしょうか?
?いろんな検査に疑問があるので、ほかの病院を、初診から受けなおしたら?と主人が言いますが、どう思われますか?
お忙しいところ、大変恐縮ですが
どうぞ、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
状況は解りました。
MRIで捉えずらいもののようですね。(MRIにはUSのような術者による差がないので、マンモグラフィー同様「客観性が高い」のです)
今回、医師が自分でエコーした際に「解りづらい」様子なので、「触診では解る」が「画像診断では捉えずらい」しこりと思います。
「?マンモ、触診、エコーで確認出来ているしこりが、MRIで「なんにも写らない」なんてことがあり得るのでしょうか?撮りそこないということはないのでしょうか。」
⇒MRIは極めて客観的な検査です。 撮り損ないはありません。
 MRIでは「捉えずらい」しこりのようです。
 
「ちなみに、当日生理が始まりましたが関係ありますか。」
⇒無関係です。
 
「?組織検査をやめて、細胞針で良かったと思われますか?」
⇒もしも確定診断を求めるならば…
 当然組織診(しかもUSで解りずらいようなので、マンモトームが確実)がいいのです。
 ○ただ、担当医は「画像上、癌では無さそう」という認識で「細胞診に変えた」ように思います。
 
「エコー画像や針を刺す感触で、脂肪と癌と、区別がつくものなのでしょうか。」
⇒完全にはつきません。
 
「?この10日余りで、しこりの形が変わりました。最初は、丸かったのが今は、少し長くなっていて枝豆のような感じです。そういうことがありますか?途中生理が始まりましたが。」
⇒「生理前後の変化」は「乳腺症結節(ホルモン刺激による線維増生による変化)」も鑑別に挙がります。
 画像所見(MRIで写らない、USでも解り難い)を併せると、「乳腺症結節」の可能性があります。
 
「脂肪の塊だとして、3か月で1センチに成長するものでしょうか?」
⇒「脂肪」ではありません。
 
「?いろんな検査に疑問があるので、ほかの病院を、初診から受けなおしたら?と主人が言いますが、どう思われますか?」
⇒私の印象では「悪性ではない」ように思います。
 
 細胞診の結果(おそらく良性もしくは検体不適性でしょう)を確認の上、(担当医の指示に従い)半年後フォローとしても、「大きな問題はない」ように思います。
 が、「another choise」として「確定診断を求める」ならば、中途半端な検査ではなく、「触診で気になるしこりの部分をマンモトーム生検する」という方法があります。
 ○この場合、(癌センターや大学病院みたいな)中途半端な病院を受診しても「無駄にMRIを撮影されるか、軽くあしらわれるか、精度の悪い針生検をされるか」何れ何の解決にもならないでしょう。
  こういう「微妙な病変?」に対しては(担当医を信じて)「経過観察でよし」とするか、(全く逆に)当院で「マンモトーム生検で100%の確定診断をつけてしまう」かの選択にはなると思います。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日来、細やかなお返事いただきありがとうございました。
細胞診の結果を聞いてきました。
予想外に、悪性疑いと出て、また困惑しています。
結局、すぐにバネ式の針生検をして結果待ちですが、もう、結果がひっくり返ることはないような気がしています。
それで、こうして、4月来、結果が二転三転して、心底疲れました。
針生検の結果は来週あたまにでますが、その結果によらず、セカンドオピニオンを考えています。
MRIになにも写らなかったのも、釈然としません。
 
それで、田澤先生がご存知なら教えて頂きたいのですが、
(1)●●病院の△先生
(2)◎◎がんセンター■先生
(3)○○病院の□先生
(お返事頂くときは、病院名個人名、削除してください。
お手数おかけします)
この3人の先生の中で、より、信頼出来る方はどなたでしょうか…
今の、担当医師は、(1)です。
今の担当医師を信頼してないわけではありません。
ハッキリとモノを言う先生で、病院も近いので、今のまま、進める方が時間的にも体力的にも、いいのだとは思います。
 
でも、わたしは、絶対に治さなければいけません。
家族や親の介護など、いま、私が倒れるわけにいかないのです。
なので、治療するからには、最善の道を選びたいのです。
 
厚かましい質問ですが
誰にも聞けず、差し支えなければ、ご意見よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「細胞診の結果を聞いてきました。予想外に、悪性疑いと出て、また困惑」
⇒質問者には「気の毒」なことです。
 本来はエコーを(技師任せにせず)「エコーを自らして」、(診断に無駄な)「MRIを撮らずに」きちんとした組織診(状況に応じて「バネ式」、もしくは「マンモトーム」)をすれば「いたってシンプル」だったわけです。
 
「MRIになにも写らなかったのも、釈然としません。」
⇒そんなものは幾らでもあります。
 だから「MRIは診断に用いるべきではない」のです。
 今回も(もしも実際は悪性だと仮定すると)「MRIで写らないから大丈夫」とされるリスクがあったということです。
 
「この3人の先生の中で、より、信頼出来る方はどなたでしょうか…今の、担当医師は、(1)です。」
⇒解りません。
 名前だけで判断しても「全く無意味」です。
 自分で「きちんとエコーする」人であればいいのですが…(技師のエコー写真を見て診断しているような医師にきちんとした診断ができるわけがありません。 組織診の技術も同様)
 
「治療するからには、最善の道を選びたいのです。」
⇒もしも(今回の針生検も標的を外して)「どうにも診断が曖昧なまま時間だけが過ぎていく」ようであれば…
 遠くても「当院で診断」する方が(診断は100%となります)「急がば回れ」なのかもしれません。(「最後の手段」としては覚えておいてください)
 
 

 

質問者様から 【質問4】

先日来、お忙しい中お返事下さり、本当にありがとうございます。
その後、組織検査の結果が、まったく変わりました。
「線維腺腫」といわれ、半年後に検診とのこと。
細胞診で、見つかっていた怪しい細胞は?どうなってるのかなと…。
主治医は、細胞レベルではあるけど組織としてはないということ。
と。
これ以上の検査はしません。
…でした。
外科的生検はどうかと聞くと、どうしてもと言われればしなくもないけど、何もかも切ればいいってものじゃないと。
私は手放しに喜べず、笑顔がでませんでした。
結果が二転三転してる事に対して私が怒っていると思われたのか(もちろん怒っていません。
分からないだけです)、質問に対して防御体制のような感じで…。
納得いく問答ができず、終わりました。
こんな変わるのも、あるのでしょうか?
こちらのQ&Aを遡ると、このような場合、細胞診の偽陽性より、組織検査のサンプリングエラーの確率の方が高いというご意見多数で…。
ちなみに組織検査は、5本取ったそうです。
細胞診のときも、何回か時間をかけて、採取していたと思います。
私としては、この細胞診の判定コメントは、素人目にも嫌なキーワードだらけで…。
無視して、経過観察するのが怖いです。
外科的生検で、取って調べてほしいのですが、結果、癌だったら、外科的生検したことで、どんな不都合が生じてきますか?
また、線維腺腫は葉状腫瘍との鑑別が難しいそうですが、細胞診での葉状腫瘍の所見は、どのようなコメントが出るのでしょうか?
病院を変えようかと思っています。
(細胞診)
「周囲に脂肪細胞を伴い、N/c比大、クロマチン増量、核形不整を示す
導管上皮由来の異形細胞が、
細胞密度の高い不規則な配列の、
小~中型集塊状に認められます
悪性を疑います。
組織精査をお願いします。」
(組織検査)
「乳管および周囲間質の、膠原繊維増殖を認めます。
乳管上皮の二層性は保たれています。
瘢痕化しており、陳旧性のものと考えます。
悪性所見は認めません。」
お忙しいところ大変恐縮ですが、
どうぞ、宜しくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
診断精度の低いこ場合には、「何を何処まで信じていいのか、解らない」そういうこ
とだと思います。
実際のところ「細胞診で悪性を疑う」とでているのに(良性との結果である)「組織
診を信じられるのか?」ということです。
申し訳ありませんが、私がこの結果を信じることはありません。(そもそも、自分以
外の針生検を鵜呑みにすることは決してありません。それが危険なことは、江戸川に
来てからの2年間だけで嫌という程感じています)
「このような場合、細胞診の偽陽性より、組織検査のサンプリングエラーの確率の方
が高いというご意見多数で…。」

⇒その可能性の方が高いように思います。(というか、そう思って検査を勧めるべき
です) 実際には「細胞診の偽陽性もあることにはある」わけですが、(実際は)
「癌であるのに、良性として経過観察される」というリスクは最大限に回避すべきな
のです。
「無視して、経過観察するのが怖いです。」
⇒それでいいと思います。
「外科的生検で、取って調べてほしいのですが、結果、癌だったら、外科的生検した
ことで、どんな不都合が生じてきますか?」

⇒特にありません。
 強いて言えば(後で、癌の手術として追加する)「マージンの取り方を大きくせざ
るをえない」と言う位です。(やや温存乳房の変形が大きくなる)
「また、線維腺腫は葉状腫瘍との鑑別が難しいそうですが、細胞診での葉状腫瘍の所見は、どのようなコメントが出るのでしょうか?」
⇒fibroepithelial tumorですから「間質系細胞の増殖」となります。
 決して「上皮細胞の異型ではない」のです。
 管理番号3328「乳管内乳頭腫で全摘」を参照してください。