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切除術後の治療方針について

[管理番号:6649]
性別:女性
年齢:67歳
初めまして。
よろしくお願い致します。
母の乳癌切除手術後の治療についてお伺いしたいです。
今年の3月に自身で左乳房にしこりを見つけ受診。
検査等の結果、今年6月に大学病院にて左乳房を全摘手術しました。
【術後の病理結果】
左A領域:灰白色分葉状腫瘤高度の核異型上皮が大小の充実胞巣状に浸潤増殖。
腫瘍胞
巣内の面疱壊死が目立つ。
間質は少量、乳管内癌成分は中等量。
充実型の浸潤性乳管癌に分類。
pT2(2.8×1.8cm)
Ly1、V0
Nuclear grade3
リンパ節:2/16(levelⅠ 2/16、levelⅡ0/10)
UICC:pT2、pN1a、M0
ER:90%
PgR:60%
HER2:陽性(3+)
ki67:40%
CK5/6:陰性
7月上旬に術後の受診にて担当医から、ルミナールB・HER2陽性・ステージⅡb、リンパ節に2個の転移ありと説明を受けました。
担当医は、顔つきも良くないタイプなので、術後治療方針として
化学療法(抗がん剤)、抗HER2療法(ハーセプチン)、内分泌療法(ホルモン療法)を勧められました。
母が、抗がん剤副作用に対する拒否が強いことを伝えると担当医は
化学療法をせずに、ホルモン療法とハーセプチン治療という選択肢もあります、と言われました。
その後こちらのサイトを何度も確認していると、田澤先生はハーセプチン単剤使用ではなく、抗HER2治療は必ず抗がん剤を使用すると書かれており、担当医の言葉にどうも疑問を感じてきました。
質問ですが
○担当医の言う、化学療法せずにホルモン療法とハーセプチン治療という方針は有り得る(エビデンスのある)治療内容なのでしょうか?
○母のように、抗がん剤に対する拒否がある場合、ホルモン療法のみの治療でも効果は得られるのでしょうか?(再発率、生存率等田澤先生からみてどうでしょうか?)
○抗HER2療法を行う場合、抗がん剤必須とのことですが、副作用の少ない抗がん剤は選択肢にありますか?
○Q&Aを拝読していると、非アンスラサイクリンレジメンのパクリタキセルとハーセプチンを毎週投与(12週)⇒ハーセプチン単剤(14回)が副作用が格段に楽と書かれていましたが、母にこの治療方法は適応されますか?
○田澤先生でしたら、このような患者にどのような術後治療を勧めますか?
担当医に抗がん剤の種類や期間を尋ねても「腫瘍内科を受診して相談してください。
治療内容を決めるのは最終的に患者様自身です」と言われ、乳腺外科では詳しく教えてもらえませんでした。
娘の立場として、母には元気で長生きしてほしいと思っていますが、母自身は今後の治療が心身的(経済的にも)負担になるのではないかと考えを巡らせているため、方向性を決められずにいます。
どうぞよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「担当医は、顔つきも良くないタイプなので」
→なぜ、こんな「言い方」をするのか?(センスを疑う)
 もっとシンプルに『HER2陽性だから、(効果の期待できる=再発率を半分にする)抗HER2療法をしましょう』
 それでいいではないですか?
「化学療法せずにホルモン療法とハーセプチン治療という方針は有り得る(エビデンスのある)治療内容なのでしょうか?」
→ありません。
「○母のように、抗がん剤に対する拒否がある場合、ホルモン療法のみの治療でも効果は得られるのでしょうか?(再発率、生存率等田澤先生からみてどうでしょうか?)」
→抗HER2療法は再発率を半分にするわけですから、(それをしなければ)そのチャンスを逃すということです。
「○抗HER2療法を行う場合、抗がん剤必須とのことですが、副作用の少ない抗がん剤は選択肢にありますか?」
「○田澤先生でしたら、このような患者にどのような術後治療を勧めますか?」

→それがweeklyPTXです。
「○Q&Aを拝読していると、非アンスラサイクリンレジメンのパクリタキセルとハーセプチンを毎週投与(12週)⇒ハーセプチン単剤(14回)が副作用が格段に楽と書かれていましたが、母にこの治療方法は適応されますか?」
→その通り(上記)