乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ

[管理番号:4544]
性別:女性
年齢:43歳
初めまして、3月上旬にエコーでしこりが
見つかり1センチ程度で細胞針検査をしました。
悪性ということで、MRI 検査をしました。
リンパ節に転移の疑いがあるとのことです。
その後ペット検査をして、今、手術待ちです。
不確かな知識のもと、センチネル生検をしてもらえるのか聞いたところ、するけど手術中には検査結果はわからないということでした。
他に検査を出すようです。
後でリンパに転移があった場合はどうするのでしょうか?
ペット検査結果はまだ聞いてません。
ペット検査などで、転移が確認できたらリンパをとってしまうということでしょうか?
浸潤がんの疑いがるそうです。
これは、手術のあとでわかるのですか?
手術後はどのような治療が必要ですか?
乳首の真下にしこりがあります。
やはり乳首をとった方がよいのでしょうか?乳首をとると全摘ということになるのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事は整理して考えなくてはいけません。
まず以下をご理解ください。
1.1cmの乳癌で(リンパ節転移の可能性はゼロではないが)遠隔転移の可能性はほぼゼロである。
2.(上記理由で)PET検査は不要(無駄な医療被曝をあたえるのみで百害あって一利なし)
3.センチネルリンパ節生検は本来「術中、迅速診断」を行うべきである。(迅速診断を行い、術中に「追加郭清など」対処するべき)
   ♯病理医が常勤していないと、(迅速診断を行わず)「後日診断」となり、術後数日してから、「再手術(追加郭清)の提案」となりえるのです。
4.腋窩リンパ節の判断をPETで行うべきではなく、(特に腫瘍径が1cm程度であれば)「必ず、センチネルリンパ節生検すべき(なるべくなら術中迅速診断で)」である。
5.乳癌の治療は明確に「局所療法」と「全身療法」に区別しなくてはならない。
  ①局所療法 「手術(全摘)」もしくは「手術(部分切除)+放射線」
  ②全身療法 サブタイプ(ER,PgR,HER2,Ki67)によってきまります。
  (参考に)
  ◎サブタイプとは?
  組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
   エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
     ●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
       ♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
     ● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
     ●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
     ● トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
        ※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
○上記をご理解いただいた上で、以下の回答をみるとよくお解りいただけると思います。
「MRI 検査をしました。リンパ節に転移の疑いがあるとのことです。」
⇒MRIは(そもそも)「癌の乳房内拡がり診断目的」です。(センチネルリンパ節の評価目的ではありません)
 本来はUSで行うべきですが、(1cmの腫瘍であれば)「余程、明らかな所見」でないかぎり(画像診断ではなく)「センチネルリンパ節生検で確認すべき」です。
「その後ペット検査をして」
⇒全く無駄な検査です。無駄どころか有害な医療被曝にすぎません。
「ペット検査などで、転移が確認できたらリンパをとってしまうということでしょうか?」
⇒上記(3)で回答したように…
 1cmの腫瘍では「余程、絶対に間違いない」という(画像)所見で無い限りは
「センチネルリンパ節生検すべき」です。(画像診断だけで判断すると、本当は「転移なし」なのに、「無駄に郭清されてしまう」可能性がでてきます)
 ♯この「無駄に郭清(センチネルリンパ節が転移陰性なのに、腋窩郭清をされてしまうこと)」は(医療者側では無く)「質問者本人が一番被害を受ける(将来的な後遺症で)」ことなのです。
「これは、手術のあとでわかるのですか?」
⇒その病院では(おそらく)「病理医が常駐していない」ために、「術中迅速診断ができない」ようなので、その場合には『術後に判明する』ことになります。
「手術後はどのような治療が必要ですか?」
⇒ここには「サブタイプ」の記載がありません。
 術後療法は「サブタイプ」により決まります。
「乳首の真下にしこりがあります。やはり乳首をとった方がよいのでしょう」
⇒平面的ではなく、立体的に腫瘍との距離(マージン)が「きちんと取れるのか?」
が問題となります。
 (実際は)直接浸潤がなければ、「平面的に近接」していても可能なこともあります(実際に画像を見ていないので、これ以上コメントは不可能です)
「乳首をとると全摘ということになるのでしょうか?」
⇒「乳頭も合併切除する温存術」も技術的には、全く問題ないですが…
 実際は、その場合には「全摘が選択されることが多い」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。
乳首をとる温存手術をしました。
病理検査の結果が、
リンパ節3個とり1個が転移。
エストロゲン30%陽性、プロゲステロン0%
の陰性、ハーツ過剰発現、
核異型グレード3でした。
MIB-1が34.6%でした。
あまりよくないと言われた落ち込んでいます。
5年、10年生存率はどれくらいでしょう。
まだ子供も小さく3人います。
頑張ろうと思い、1つずつクリアしていってますが、生存率を考えると悲しくなります。
また、今後の治療は抗がん剤、ホルモン治療しながら、放射線治療とハーセプチン療法と言われましたが、これで良いのでしょうか?
抗がん剤治療中に局所再発したり、ハーツの細胞が増殖したりとかはないのですか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
肝心の「最大浸潤径がない」ので、生存率などは不明です。
質問者は勘違いされているようです。
(担当医が何を言っているのかは知りませんが)
予後を決めるのは「ステージ」であり、サブタイプは「治療法の選択」に過ぎません。
HER2陽性は(「あまりよくない」というのではなく)単純に「抗HER2療法が良く効く」ということです。
♯予後と結び付けるのは止めましょう。
「5年、10年生存率はどれくらいでしょう。」
⇒最大浸潤径が不明なので、わかりません。
「今後の治療は抗がん剤、ホルモン治療しながら、放射線治療とハーセプチン療法と言われましたが、これで良いのでしょうか?」
⇒その通りです。
 ただし、物事をシンプルに理解しなくてはなりません。
 重要なのは「局所療法」と「全身療法」に明確に分けて考える事です。
 ○「温存手術」なのだから「放射線照射は行う」
 ○「HER2陽性」なのだから、「抗HER2療法(ハーセプチン+化学療法)」は必須
 ★そして重要なのは「局所再発は(抗HER2療法とは無関係に)手術の精度と放射線」と関係し、「全身の遠隔転移再発は(放射線照射とは無関係に)抗HER2療法」と関係するのです。
「抗がん剤治療中に局所再発したり」
⇒「きちんとした手術」をすれば、そう簡単に局所再発などおきません。
「ハーツの細胞が増殖したりとかはないのですか?」
⇒抗HER2療法は「化学療法+ハーセプチン」なのです。
 ハーセプチンだけが、抗HER2療法ではないのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

こんにちは。
温存手術をして、抗生剤をこれからする予定です。
先生には
アンスラ(FEC)*4→DTX ?HER *4→
HER *14予定と言われました。
子供も小さいですし、どんな治療も前向きに頑張るつもりです。
ただ、Q&Aを見ていたら
FEC *6=EC*4=AC *4となっていました。
私はFEC を4サイクルしかしたいですが、大丈夫なのでしょうか?
AC やECに変えてもらった方がよいのでしょうか?田澤先生ならどんな治療をしますか?
ハーセプチン単剤になった時点で温存してますので放射線治療とホルモン剤を飲んでいくよてです。
ハーセプチンとホルモン剤治療を一緒にしてはダメとネットに記載しているものがありましたが、そうなのでしょうか?
2センチ以下のしこり(詳しくはきいてません)
リンパ節3個中1個転移。
エストロゲン30%陽性
プロゲステロン陰性
ハーツ過剰発現
核異型グレード3
MIB-1*34.6と病理検査結果がでてます。
やはり、5年、10年再発率はどれくらいでしょうか?
治療を全てしましたら、どのくらいに下がりますか?
宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「私はFEC を4サイクル」「AC やECに変えてもらった方がよいのでしょうか?」
⇒その方がいいとは思います。
 しかし、施設によってレジメンが決まっているのかもしれません。
 昔からの名残で「FEC」を行う施設はまだあるのです。
「田澤先生ならどんな治療をしますか?」
⇒非アンスラサイクリンレジメンとします。
 1.TC+HER
 2.weeklyPTX+HER
「ハーセプチンとホルモン剤治療を一緒にしてはダメとネットに記載しているものがありましたが、そうなのでしょうか?」
⇒併用しても一向に構いません。
「5年、10年再発率はどれくらいでしょうか?」
「治療を全てしましたら、どのくらいに下がりますか?」

⇒浸潤径が不明なので解りません。
 抗HER2療法は「再発率を半分」にします。
 モチベーション高く頑張りましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

こんにちは。
以前も質問させていただきました。
温存手術後の抗がん剤の種類について、担当医からは
EEC*4→D?H*4→H*14と提示されました。
田澤先生に相談したところ
1.TC+HER
2.weeklyPTX+HER
と提示していただきました。
この2つの違いは何でしょうか?
予後などは違うのでしょうか?
担当医に変更してもらいづらくて、
でも、予後が違うのでしたら、せっかく辛い思いをしてやる抗がん剤、効き目のあるものをしたいと思ってます。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「以前も質問させていただきました。」とありますが、「過去の管理番号」の記載が見当たりません。
必ず、記載するようにお願いします。
今回は「一般論」のみで回答します。
「この2つの違いは何でしょうか?」
⇒「EEC*4→DTX+H*4→H*14」は、(昔からある)「スタンダードレジメン」です。
(昔は、全てのHER陽性で、このように「アンスラサイクリン+タキサン」を用いていました)♯FECのEがアンスラサイクリンであり、DTXがタキサンです。
 それに対し、「low risk でアンスラサイクリンとタキサンの両方が必要なのか?」という議論が出てきました。
 その背景には「心臓合併症の頻度が高い欧米では非アンスラサイクリンレジメンがスタンダードになりつつある」という事情があります。
 そこでエビデンスがある「非アンスラサイクリンレジメン」が
 TC+HER
 weeklyPTX+HER
 TCH
 なのです。
 ♯一般に「high risk にはスタンダードレジメンが推奨されるが、low riskには非アンスラサイクリンレジメンが浸透しつつある」と考えてください。
「予後などは違うのでしょうか?」
⇒直接比較はありません。





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