[管理番号:2796]
性別:女性
年齢:44歳
田澤先生、どうぞよろしくお願いいたします。
自治体のマンモグラフィー検診にてFAD要精査となり、
専門医を受診いたしました。
再度マンモグラフィーおよびエコー、MRI、バネ式細胞診と検査を行いました。
主治医より決定的な所見が得られない現段階では
DCIS疑いを含むADHとまでということを伝えられました。
最終的に摘出病理細胞にて浸潤も含め判断ということを理解し、
私は摘出による確定診断を希望いたしました。
(10mm径に追加切除不要マージン付)
先月下旬に乳腺摘出手術を受け、病理結果を聞いてまいりました。
右乳房AB境界
病期 Ⅰ期(t1 nx m0)
乳頭腺管癌 1.5mm ly(-)v(-) GradeⅡ MIB-1i 10%
ER(+) PgR(+) HER2(-)
今後は放射線治療とホルモン治療の予定をしております。
私は術前の経緯から、センチネルリンパ生検なしの摘出手術を行いました。
主治医よりセンチネル生検を2期手術として実施の有無を問われております。
センチネル生検を受けないことが標準治療ではないこと、
本腫瘍径からリンパ転移の前例が経験上ない(センチネル生検実施でも陰性が予測される)
がそれが100%ではないこと、
実施しない場合は放射線治療において照射部位に加えること、
説明を受けました。
今後、現病態における適切な診断と治療を受けすすめることを望んでおります。
どうぞ先生のお考えをお聞かせいただきたく存じます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
組織診でADH⇒摘出生検でpT1a(1.5mm)
究極の早期発見と言えます。
「組織診でADH」の際に、(経過観察とせずに)「きちんと外科的生検まで進ん
だ」ことが今回の鍵でした。
正しい選択だと思います。
「主治医よりセンチネル生検を2期手術として実施の有無を問われております。」
⇒これは良くあるケースと言えます。
「センチネル生検を受けないことが標準治療ではないこと、本腫瘍径からリンパ転移
の前例が経験上ない(センチネル生検実施でも陰性が予測される)がそれが100%で
はないこと」
⇒ここまでは、私も「全く同意見」です。
ただし、「実施しない場合は放射線治療において照射部位に加える」
⇒これには「反対」です。
腋窩への照射は「患肢浮腫のリスク」を高めます。
○(もしも)腋窩への照射をする位なら「センチネルリンパ節生検を綺麗に行う」
方が「数倍いい」と思います。
と、いうことで…
私の推奨は「前半までは担当医と同意見」で『センチネルリンパ節生検をしないので
あれば、術後暫くは3カ月毎に超音波で腋窩をチェックする(10秒もかかりませ
ん)』とします。