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線維腺腫

[管理番号:324]
性別:女性
年齢:34歳
先週も 線維腺腫について質問をさせて頂いた者です。
何度も質問をして申し訳ありませんが教えて下さい。
針生検で線維腺腫と診断されたら他の可能性は低いですが、ネットなどでは 本当は葉状腫瘍や乳頭腫であったと目にしました。
今は大きくならないか様子をみて検診も特段、必要ないと言われました。(また、来年)
 
また、「もしかしたら縮小さしたり小さくなることもあるかもしれない。」と先生から説明されました。線維腺腫が小さくなるのは あったとしとも閉経後の事なのでしょうか?
 
他にも沢山、質問があると思うので、私の質問は後回しにして頂だいて大丈夫です。
他の方を優先して下さい。
何度も申し訳ないですが、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんばんは。田澤です。
 針生検でも「線維腺腫と葉状腫瘍」の厳密な区別は困難です。
 一例を挙げると、最近「線維腺腫らしき腫瘍」に対してマンモトーム生検を施行して、帰ってくるレポートに「線維腺腫を第1に考えますが、良性の葉状腫瘍との鑑別は困難です」と記載されることが多いです。
 以前に比べて「病理医側」も「葉状腫瘍」に対する意識(診断ミスの可能性)が高くなっている事を感じています。
 それでは回答します。

回答

「針生検で線維腺腫と診断されたら他の可能性は低いですが、ネットなどでは 本当は葉状腫瘍や乳頭腫であったと目にしました。」
⇒これは事実です。線維腺腫と(良性)葉状腫瘍の区別は針生検では解りにくいのです。(上記)
 しかし、「癌でないことは確実に解ります」
 
「針生検では線維腺腫と葉状腫瘍が区別しにくい事から導かれる事」
⇒これは、(我々)医師側と(質問者のような)患者さん側、お互いに対する「注意喚起」を意味します。

  • (我々医師側)にとっては:
    (摘出する)際には、「葉状腫瘍の可能性」も意識して「露出しないように(若干のマージンをつける)意識」する。
     
  • (患者さん側)にとっては:
    (時々)自己検診を行って「急に増大しないか?」チェックをする。
    ※触知するものでは「自己検診でも大きさの変化」に気付き易いですが、「非触知」の場合は「自己検診では大きさの変化に気付き難いので、その場合には「最初は半年」が妥当可もしれません。
     

「線維腺腫が小さくなるのは あったとしとも閉経後の事なのでしょうか?」
⇒一般にはそうなります。
 線維腺腫は女性ホルモンの影響を受けていますので、閉経すると次第に小さくなります。
 脂肪に置換し、(時に粗大な石灰化を起こし)陳旧性線維腺腫と呼ばれます。