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乳管内線維腺腫

[管理番号:288]
性別:女性
年齢:34歳
乳管繊維腺腫と診断されました。
母は乳がん経験があり、娘の私も乳がんになるのではと心配しています。
ネットには複合型繊維腺腫だとリスクが上がると書いてあり更に心配しています。
また、繊維腺腫は乳管内型と管外型があるそうですが、その違いでもがんリスク違ってくるのでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 おはようございます。田澤です。
 「線維腺腫」ですね。
 ご家族が乳癌だと心配される気持ちは解ります。
 状況確認の上、回答します。

状況確認

 メール記載では「乳管繊維腺腫」となっていますが、正しくくは、「管内型」線維腺腫でよろしいでしょうか?
 もう一つは、今回の診断が「細胞診」ではなく「針生検などの組織診断」でのものでしょうか?
※今回の回答では「針生検」で「管内型線維腺腫」と診断されたものとして回答します。
 もし、異なる場合には再度Qしていただければ(それに応じた)回答をします。
 

回答

「母は乳がん経験があり、娘の私も乳がんになるのではと心配しています。」
⇒これに関しては「お母さんが何歳時に乳がんに罹患したのか」も関係してきます。
 もし40歳未満ならより注意が必要となります。
 
「複合型繊維腺腫だとリスクが上がると書いてあり更に心配しています。また、繊維腺腫は乳管内型と管外型があるそうですが、その違いでもがんリスクは違ってくるのでしょうか?」
⇒線維腺腫は乳癌のリスクとはなりません。(例え乳腺症型のタイプであっても)
 正確でない情報が含まれているようです。(以下に私が整理して記載します)
 

線維腺腫

  1. 管内型  腺腫成分の形態が細長い管状を呈する。(時に間質が浮腫状となる)
  2. 管周囲型 腺腫成分が丸い管状を呈する。
  3. 類臓器型 小葉構造までの分化をする。
  4. 乳腺症型 線維腺腫の上皮成分が「乳腺症的変化」をきたし、内部に「乳管乳頭腫症や硬化性腺症」などの乳腺症の構成成分を認めるもの

 これら4型に分類されますが、「線維腺腫は乳癌にはなりません」
 ※4.乳腺症型が「細胞診で(乳癌と)誤診され易く」診断する側として注意が必要ですが、乳癌になる訳ではありません。線維腺腫は良性腫瘍なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おはよございます。
早速の返信をありがとうございました。
先生のおっしゃる通り 乳管内線維腺腫という事です。担当医は乳頭腫を疑っていたようですが、針生検で線維腺腫と診断がでました。
また、母の乳がんが診断されたのは56才で閉経をした後の事です。
良性と言う事ですが、母の事と私自身が妊娠を希望しているので腫瘍が大きくなったりガンになりやすいのではと心配です。
また、私は過去に胸部CTをとっていて友人から「被曝が原因で腫瘍ができたのでは?」と言われてしまいましたが、そんな事は関係するのでしょうか?
本来なら、先生のところへ診察に行き質問すべき事なのにメールにて大変失礼しました。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんばんは。田澤です。
 前回「管内型」線維腺腫として「癌のリスク」としてご相談いただいた方ですね。
 それでは回答します。

回答

「針生検で腺維腺腫と診断」
⇒安心です。
 針生検での診断であれば、「癌」の心配をする必要はありません。
 
「母の乳がんが診断されたのは56才で閉経をした後」
⇒これであれば、「他に卵巣癌の方などが、いらっしゃらなければ」遺伝性乳癌を強く疑う必要はありません。
 
「母の事と私自身が妊娠を希望しているので腫瘍が大きくなったりガンになりやすいのではと心配」
⇒(上記で述べたように)遺伝性乳癌を強く疑う必要はありません。
⇒(妊娠により)線維腺腫が大きくなることはあります。だからといって、『癌になる事は全くありません。』
 
「過去に胸部CTをとっていて友人から「被曝が原因で腫瘍ができたのでは?」と言われてしまいましたが、そんな事は関係するのでしょうか?」
⇒線維腺腫は「被爆によって」できるものではありません。
※(CTは確かに被ばく量が大きく、むやみに撮影しないに越したことはありませんが)1度位では「乳癌リスク」とはなりません。