[管理番号:6699]
性別:女性
年齢:34歳
田澤先生、こんにちは。
このたび初めて質問させていただきます。
日頃より田澤先生のサイトで色々と勉強させていただいております。
このような質問の場を設けていただき、ありがとうございます。
2017年1月、授乳中に左乳頭より母乳に血液が混ざり、受診しました。
分泌された血液の細胞診、エコー、触診では異常なし。
マンモグラフィーでは両胸に石灰化があるが、左胸の血液分泌は心配しなくていいとのこと。
右胸のほうが石灰化がやや目立つが良性のものなので心配しなくてよい、この時 授乳中(産後2ヶ月)ということもあり、授乳が終わった頃にまた検診を受けてください、
とのことで受診を一旦終えました。
その後、授乳は2018年1月頃に終えたのですが、まだ母乳が残っていたのもあり、検診に行かないまま2018年7月に会社の定期健診を受けたところ、マンモグラフィーの両胸の石灰化で要精密検査となりました。
昨年とは別の乳腺外科へマンモグラフィー結果(17年1月と18年7月の計2回分)を持参したところ、右胸の石灰化について、微細石灰化が三角形のように集まっている箇所が気になる旨を指摘いただきました。
担当医は「乳管に沿って石灰化している」と表現していました。
エコー、触診では異常なしです。
(エコーにはしこりや石灰化は映らなかったとのことです)
1年半の間で、
・範囲は広がっていないように見える
・小さな粒の石灰化の集まりだった1年半前に比べて、今回は大小の石灰化が混ざっている
・石灰化の1つ1つの形が少し心配とのことで、自身の希望もありマンモトーム生検を行うことになりました。
田澤先生にご質問なのですが、
①担当医は、石灰化のカテゴリーについて明言されず「グレー」と仰っていたのですが、
この場合、カテゴリー3になるのでしょうか?カテゴリー4になるのでしょうか?
②もし悪性であった場合、しこりになる前の段階と想定してよいのでしょうか。
手術をして予想以上に進行していた、という可能性も十分に考えられるのでしょうか。
不安な日々を過ごしており、田澤先生のご見解をお伺い出来ましたら幸いです。
お忙しい中かと存じますが、ご回答をお待ちいたしております。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
ポイントは
1.授乳期である。
2.両側である。
3.乳管に沿っている。
もしも(1,3がなく)3だけであれば、「区域性の石灰化」ということで「癌を積極的に疑う」ことになりますが、今回は特に1があるので悩ましいのです。
授乳期に見られる(乳管内のうっ滞したミルクが石灰化の原因となった場合)時として「癌に伴う区域性石灰化と区別がつきずらい」のです。(私は、まったく同様の所見でST-MMTをして結局良性だった経験が1年位前にあります)
「乳管に沿って石灰化している」と表現
→まさに上記とおりです。
どうしても(1,2を考慮したとしても)、完全には「安心して否定しきれない」所見となるのです。
「①担当医は、石灰化のカテゴリーについて明言されず「グレー」と仰っていたのですが、この場合、カテゴリー3になるのでしょうか?カテゴリー4になるのでしょうか?」
→画像診断単独ではカテゴリー4といえるが、「授乳期で両側性なのでカテゴリー3」ということです。
「②もし悪性であった場合、しこりになる前の段階と想定してよいのでしょうか。」
→「エコー、触診では異常なしです。」から、無論そうなります。
「手術をして予想以上に進行していた、という可能性も十分に考えられるのでしょうか。」
→それは100%ありません。
ご安心を。
質問者様から 【結果2 微細石灰化について】
性別:女性
年齢:35歳
病名:なし
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
こんにちは。
先日こちらで微細石灰化について質問させていただいた者です。
こちらで質問をするまでは、担当医が仰った「悪性を疑う」という言葉に頭が真っ白になり、悪い想像ばかりして日常生活もままならない日々でしたが、
田澤先生のご見解をお伺いできましたことでマンモトーム生検の結果が出るまでの間、
もし悪性であっても受け止め、適切な治療を受ければよいのだと、落ち着いて結果を待つことができました。
本当にありがとうございました。
マンモトーム生検の結果が出まして、結果良性でした。
今後、1年毎に健診を受ければよいとのことでした。
検査結果の詳細は、診察室でモニターに映ったものを結果を伺っている最中に少し見た限りではありますが、
その中に「慢性的な炎症を認める」と記載がありましたので、授乳中に起こった乳腺炎等のトラブルも関係していたのかもしれません。
今回の事で、田澤先生とこちらのサイトに出会えましたことを光栄に思います。
これからもこちらのサイトで勉強させていただきたいと思います。
今後もこまめに触診と病院での健診を続けていきたいと思います。
ご回答をいただき、本当にありがとうございました。
<Q&A結果>