[管理番号:7491]
性別:女性
年齢:58歳
病名:
症状:
2月にマンモトーム生検を受けて、非浸潤がんの疑いと診断されました。
混んでいて5月に左乳房全摘の手術と同時再建術を受けました。
病理結果は、
組織型IDC pt 0.2cm ER2+1 pgR 0 HER2 6.0 ly0 NG2
断端陰性 ki67 20~30パーセント
と結果がでたそうです。
さらに2mmの浸潤ガンがみつかったということで、今後再発を防ぐために、ハーセプチンを3週に1回、1年間点滴し、ホルモン剤を毎日1回5年間内服するという治療法を説明されました。
「ふつうハーセプチンは抗がん剤と一緒に使うけれど、たった2mmなので副作用を考えると、ハーセプチンとホルモン療法だけでよいですよ。」と説明を受けました。
お尋ねしたいのは、2mmの浸潤ガンに対して、ハーセプチンは適応ではないという話をネットで見ました。
知っていれば、何を根拠にハーセプチンの治療が必要なのか聞けましたが、その場ではわからずに帰ってきてしまいました。
次は心臓の検査でしばらく主治医には会えません。
なぜだろうと悶々としているよりも、信頼できる先生に伺うことの方が
安心できるので、メールさせていただきました。
非浸潤ガンと最初に診断した先生は、マンモとエコーを診ながら、「これは2年前の検査で見逃されているな。
これまでになるには10年かかっているよ。少なくとも全回の検査ではわかったのにな。」とは言われました。
この年月の間に、2mmの浸潤により全身に血液を通して広がる可能性はあるのでしょうか?
そもそも乳がんにしこりも痛みもなかったので自覚はなく、どちらかというと関係のない、右股関節転子部から鼠径部にかけて、違和感しかありません。
もしも、主治医が勧める治療を受けないと寿命が縮まるとか、再発して苦労するという先が見えていることなのでしょうか?
お忙しいのに、申し訳ありませんが、ご意見を聞かせていただければ助かります。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
早期だから(化学療法併用無の)「ハーセプチン単独」を勧める医師 昔からQandAに登場していましたが…
(全く、エビデンスが無い治療です)
★私は、化学療法併用無のハーセプチンは「絶対に」行いません。(患者さんから要求されても)
「「ふつうハーセプチンは抗がん剤と一緒に使うけれど、たった2mmなので副作用を考えると、ハーセプチンとホルモン療法だけでよい」
→絶対に行ってはいけない治療です。(ハーセプチン単剤でのエビデンスは無いのです)
「2mmの浸潤により全身に血液を通して広がる可能性可能性はあるのでしょうか?」
→殆どありません。
ご安心を。
「申し訳ありませんが、ご意見を聞かせていただければ助かります」
→無治療です。
無駄な「ハーセプチン単剤」など、決して行ってはいけません。
2mmの浸潤癌では「抗HER2療法(抗がん剤+ハーセプチン)」の適応はありません。(勿論、ハーセプチン単剤も無しです)
ホルモン療法も(私なら)行いません。
質問者様から 【質問2 】
回答へのお礼
性別:女性
年齢:58歳
病名:乳がん
症状:
先日はお忙しいところ、回答してくださって有り難うございました。
本当にうれしかったです。
主治医は大学病院の教授ですから、エビデンスのないことぐらい承知のことと思います。
だから「みんなで考えた」と言っていたのだろうなと思えました。
「HER2陽性患者にとってハーセプチンはよい薬」と言っていました。
再発予防のために抗がん剤を使わないとわないと聞いた時には有難くて感謝の気持ちでいっぱいになっていました。
しかし、実は何のエビデンスもないことだったと知ってしまうと、がっかりさせられました。
田澤先生のおっしゃる通り、再発予防のための治療はなにもしないことを選択することにしました。
再発しないかもしれないし、再発したらその時はそれに合った治療をすればよいですからね。
もう、この歳ですので、余命に関して欲張りな考えは一切ありません。
申し訳ありませんが、一つ気になっていたことを教えていただきたいのです。
マンモトーム生検後から手術まで100日はかかりました。
乳頭のの上に非浸潤ガンが広がっていたせいか、かなり広範囲に針を刺されて、皮下出血がひどくて半分が黒紫色の乳房になっていました。
1か月でで落ち着きましたが、「みんな非浸潤ガンが人工的に浸潤とさせられて、がん細胞も体に吸収されるのでは?」と心配になりました。
いくら全摘するからといっても、100日は放置しすぎではと思いつつも何も言えずにいました。
マンモトーム生検から手術まではタイムリミットのようなものはないのでしょうか?過ぎたことですが、気になってしまって教えていただければ嬉しいです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「「みんな非浸潤ガンが人工的に浸潤とさせられて、がん細胞も体に吸収されるのでは?」と心配」
⇒それはありません。(余計なことに悩まないようにしましょう)
「マンモトーム生検から手術まではタイムリミットのようなものはないのでしょうか?」
⇒ありません。
術前診断が非浸潤癌であれば、その程度(3か月)は許容範囲だと思います。