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胸骨傍リンパ節再発転移の治療方針について

[管理番号:7171]
性別:女性
年齢:54歳
病名:
症状:

■相談内容:『胸骨傍リンパ節再発転移の治療方針について』質問させていただきます。

【診断名】2018年12月左胸骨傍リンパ節再発転移
(腋窩リンパ節転移なし)
    2017年8月 左乳房温存手術、11月放射線治療25+5回、
(閉経2017年春ごろ52歳)、12月~タモキシフェン服用、

 (術後病理検査結果) 左乳房内下方 浸潤性乳管癌(充実腺管癌)
ルミナルA、12×10㎜、脈管浸潤なし、組織学的悪性度グレード2、
核グレード1、 Ki-67<10%、ER陽性8/8、PR陽性7/8、
HER2スコア1+、骨・臓器への転移なし、
センチネルリンパ節転移なし=0/1
>
【症状】自覚症状、しこりなし。

2017年5月人間ドックで指摘され、針生検の結果、 7月に乳癌と診断。

温存手術後、放射線治療、ホルモン療法をして、3か月毎の経過観察中に乳腺エコーで胸腺の腫れが見られ、血液検査で連続してのCEA上昇があり、CTの結果、再発転移と診断されました。

>
【質問内容】
2018年12月に再発転移との診断を受け、2019年1月にセカンドオピニオンを受けました。
その際、主治医とセカンドにおいて、根治できるか否かと治療方針の違いがあり、田澤先生のご意見をいただきたくよろしくお願いいたします。

>
(1)主治医は、たとえ転移が1か所であっても、胸骨傍リンパ節への再発は全身転移の始まりと考えて、根治は難しく、全身治療を選択します。

>
(2)セカンドでは、目に見える転移が胸骨傍リンパ節のみであるならば、根治を目指して切除手術が可能です。
切除した組織診の結果で治療方法を検討しますが、前回の放射線治療で胸骨傍リンパ節には照射をしていないようなので、そちらも選択肢とします。

>
> 主治医の方針では、現段階での針生検は気胸のリスクの方が高いため、初発ガンの特性(ホルモン陽性HER2陰性)と予想し、まずはタモキシフェン→フェマーラに変更します。
(再発までの期間が短いため、CDK4/6阻害薬との併用も視野に入れる)。
ホルモン療法をすべて終えてから化学療法を検討します。
途中、再発巣が大きくなるようであれば、
初発ガンと違うタイプの可能性や乳がん性転移でないことも視野に針生検をして、確定診断の元、治療方法を再検討します。
放射線治療はMAX
照射しているので難しいですが、検討の余地はあります。

> そして腋窩リンパ節への再発の場合は領域再発として切除をするが、
胸骨傍リンパ節転移の切除は20年以上前からしなくなっていて、体に負担をかけ、QOLを下げる割に予後改善が期待できないので、ホルモン剤が効くならば副作用が少ない薬物療法を勧めるとのこと。

>
> 主治医のご経験からの方針も十分納得できるのですが、症例が少ないため治療が確立していないようなので、私としては根治の可能性があれば、手術をしてほしいと考えておりますが、根治を目指すならばアプローチが全く違うので転院するように言われて、どこの病院で受け入れてくださるのか検討中ですが、主治医からは他院で切除した後の薬物治療などのフォローはしてくださるというありがたいご提案もいただいています。

>
> 以上、長文で失礼しました。
お忙しい中に恐縮ですが、田澤先生でし
たらどのような治療を選択するのかご意見をいただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「田澤先生でしたらどのような治療を選択するのか」
→放射線です。
 照射野は近いとは思いますが(照射されていなかったから)その部位から出てきた。と考える方が自然です。

 照射後は抗がん剤→ホルモン療法+パルボシクリブなどでしょう。

 
 


 

質問者様から 【結果2 胸骨傍リンパ節再発転移の治療方針】

性別:女性
年齢:54歳
病名:
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]

遅くなりましたが経過報告を申し上げます。

田澤先生をはじめ、いろいろな医師の方のセカンドオピニオンをいただき、以下のように治療をお願いすることになりました。

4月に呼吸器外科で胸腔鏡下内胸リンパ節郭清を行い、その後転移巣の病理診断により抗がん剤治療、ホルモン療法を予定しています。

先行きが見えない不安な中にアドバイスをいただけたことはとても心が楽になりました。ありがとうございました。 

<Q&A結果>

 
 

 

質問者様から 【質問3 】

内胸リンパ節再再発転移の治療方針について
性別:女性
年齢:55
病名:左乳がん内胸リンパ節再発転移
症状:自覚症状なし。

投稿日:2020年12月10日

過去(管理番号)7171でご相談させていただいた者です。
その節はお世話になりました。

さて、この度再再発の診断を受け、治療方針についてご相談させていただきたく、よろしくお願いします。

まず再発治療の経緯をご報告します。

2019年4月呼吸器外科で、胸腔鏡下縦隔リンパ節切除(13mm大)を行い、細胞診で悪性腫瘍だったため、2週間後より抗がん剤治療(ddAC-T療法、4+4クール)を開始しました。
途中で、組織診の結果、HER2陽転、ER陽性、PgR陰性と転移巣の特性が変わっていることがわかり、タキサン系の時にパージェタ+ハーセプチンを併用し
(分子標的薬18回)、分子標的薬のみの点滴になった11月より、ホルモン療法(アリミデックス服用)を開始しました。
放射線治療は、初回左乳房に(3DRT?)で30回照射していたため、行いませんでした。

2020年4月PET-CTでCR(完全奏功)の診断を受け、8月に化学療法をすべて終えました。
その後3か月毎の定期検診となった10月に造影剤CTで所見があり、11月にPET-CTをした結果、左内胸リンパ節に領域内局所単発再発と診断されました。
12月にCTガイド下生検を行い、細胞診では悪性腫瘍と判明、組織診待ちですが、中旬から抗がん剤治療を開始する準備をしています。

主治医は腫瘍内科医で、乳腺外科・放射線治療・呼吸器外科などの専門医と相談を重ねてくださり、治療方針を検討中です。

①まずは抗がん剤治療…転移巣の特性に合わせて点滴か経口薬を使用
②引き続き(抗がん剤で腫瘍が消えても)、放射線治療…胸骨傍リンパ節への照射歴はないが、初回に乳房へMAXしているため、陽子線治療が選択肢となる。
本人はがん保険に入っていないため、先進治療の医療費の負担が大きいため、リニアック
での再照射も検討しているが、肺野への副作用が心配である(IMRTでも難しいのでしょうか)。
アメリカの放射線医師からは手術不適応なので内胸リンパ節と鎖骨上下リンパ節への照射を勧めるとの提案。

③放射線治療ができなければ、単発転移なので再手術可能。
乳腺外科では手術不適応なので、呼吸器外科で開胸し内胸リンパ節郭清、胸骨と肋骨の一部を削りチタンに置き換える手術を予定。

私が選択することになるのは、①放射線治療で、陽子線治療をするか、リスク承知で再照射をするか ②手術をするか です。

根治の可能性があるならば、再度、積極的に治療したいと、抗がん剤→放射線再照射
→必要ならば手術、特性によりホルモ
ン療法や分子標的薬二次療法を併用し、陽子線治療は次(もう再発したくないですが)の手段にとっておくのはどうだろうかと考えます。

お忙しい中に恐縮ですが、田澤先生でしたら、どのような治療方針を立てられるか、アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは田澤です。

「田澤先生でしたら、どのような治療方針を立てられるか」
⇒照射野が(前回と)被らなければ、tomotherapy⇒抗HER2療法とします。