[管理番号:4008]
性別:女性
年齢:58歳
抗癌剤治療について大変悩んでおります。
2000年に乳管癌 ステージ2のため左乳房温存手術、リンパ節切除
放射線。
2003年に浸潤性小葉癌 8mm 右乳房温存手術、放射線、ホルモン療法(ゾラデックス)
2015年右乳房再発のため全摘出手術
ER:ほぼ100%陽性 PR:約50%陽性、HER2:SCORE1
Ki67 30%が陽性 他の内臓に転移はなく、リンパ節転移もありません。
術後CMF療法を選択しました。
2016年浸潤性乳管癌の硬癌のため全摘出手術
異形度 グレード3 Ki67:25%
オンコタイプdx結果 ER:10.8positive PR:4.1negative
HER2:9.5negative,recurrence score:22
Tam Alon:14%(95%CI:11%-17%)
この結果主治医は、抗癌剤を勧めています。
私の出来ればホルモン療法だけにしたいのですが、先生のご意見をお聞かせ下さい。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
両側乳癌で両側温存後、2015年右乳房内再発、2016年には(左右の記載がありませんが)左の温存乳房内再発という理解で間違いないですね?
○まず重要なことは「乳房内再発」と(所謂)「遠隔転移再発」は全く別物ということの理解です。
Oncotype DXでRS22なのに、抗癌剤を勧めている担当医は『そこの区別ができていない』ということです。
「私の出来ればホルモン療法だけにしたいのですが、先生のご意見をお聞かせ下さい」
⇒ホルモン療法単独です。
私なら1秒も迷う事はありません。
乳房内再発は「あくまでも、手術に起因するファクター」であり、(端的に言えば)「最初から全摘していたら(当然ながら)起こらなかったこと」にすぎません。
これは「再発治療」ではなく、「取り残し治療」なのです。あくまでも『初回手術時の、取り残しを(16年ぶりに)摘出しただけ』と言えます。
○術後10年以上の場合には「温存乳房内再発」というよりも「温存乳房内に新たに出現した癌」という考えの方が一般的だと思います。
この考えで行っても、(当然再発ではなく)luminalAの術後療法として「ホルモン療法単独」となります。