[管理番号:8203]
性別:女性
年齢:42歳
病名:左乳癌
症状:
2018年8月から半年術前化学療法をし、
2019年3月に左胸全摘をしました。
リンパ節郭清は脇窩のみ。
その後、放射線治療をし、2019年10月に再発が分かりました。
術前に鎖骨上、下リンパ節に転移あり、よってステージは3C。
タイプはトリプルネガティブです。
現在の治療は術前に効果のあったEC療法をしています。
再発だから100%の量ではなく、75%の量(70%だったかもしれません)で行くと言われてやっています。
現在、4回終わりましたが、しこりの大きさは変化なし。
大きくなっていないことは、いいことよと主治医に言われましたが、術前に効果のあったECだっただけに、小さくなっていないことにショックです。
癌の増殖スピードが早くて抗がん剤の効果が追い付かないのでしょうか?
すでに使用した抗がん剤なので、同じタイプの癌だけど耐性ができたのでしょうか?残り2回ですが、先生なら治療を変更しますか?
変更するなら他に治療は何を進めますか?
術前はWeeklyパクリタキセルをしています。
遺伝子の検査でPD-L1は陽性でした。
この治療にかけたい思いもありますが、主治医から副作用が怖いと言われると尻込みしてしまいます。
認可までの期間が早かったから、あまり詳しいデータがないと言われて、正直不安です。
陽性にも段階があって、私の場合は一番低い陽性でした。
陽性率が高いからといって効果があるというデータまではないということで、この治療かけるしかないのでしょうか?それとも他の治療をしてからがいいのでしょうか?
私自身、治療2年目になり体力の衰えを感じています。
体力のあるうちに耐えられる治療をしていきたいです(度々、心は折れますが…)
腫瘍マーカーについてですが、再発が分かった時点では変化なしでしたが、徐々に上昇しています。
再発が分かった時にpetをしていますが、遠隔転移はありませんでした。
ただ上昇しているということは、遠隔転移の可能性を否定できないということでしょうか?
再発時の全身検査はどれくらいの割合でするのがいいのでしょうか?
このような場があることを本当に有り難く思っています。
地方じゃなければすぐにでも先生に診てもらいたいのにという思いで一杯です。
宜しくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「リンパ節郭清は脇窩のみ。」
→これは「鎖骨下郭清はしなかった」ということでしょうか?
抗がん剤前に「鎖骨上、鎖骨下」リンパ節転移があったのであれば、(抗がん剤で画像上消失したとしても)「鎖骨下まで郭清すべきだった」と思います。
ご本人には「今更」ですが、このサイトを参考にして「これから」手術をするヒトに対してのメッセージもこの「QandAの主旨」なのです。
「この治療かけるしかないのでしょうか?」
→通常は、それ(atezolizumab + nab-paclitaxel)が再発治療の第1選択となります。
当院でも2名で始めていますが、特に大きな問題はありません。
「ただ上昇しているということは、遠隔転移の可能性を否定できないということでしょうか?」
→その可能性は否定できません(局所でも増大の仕方によっては、それだけで上がる
ことはありますが)
「再発時の全身検査はどれくらいの割合でするのがいいのでしょうか?」
→腫瘍マーカー次第です。
上昇しているのであれば「治療を変更するタイミング」や(場合によっては)3か月など。