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細胞診で鑑別困難

[管理番号:1980]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。
今年3月頃、左胸内側にしこりかなというものが触れることに気付きましたが、もともと整理前後に同じところに触れていたような気がして、仕事の忙しさもあり、秋に入り受診、マンモグラフィで石灰化なし、エコーで4mm大のしこりが3~4個と言われ、精密検査が必要と言われました。
細胞診で鑑別困難、検査時白色混濁用分泌物が吸引できたようです。
コメントには「間質成分を伴う乳頭状集塊を認めます、集塊には筋上皮がみられますが、不規則重積性を示す集塊では集塊周囲が不整で腺腔構造が多くみられ核腫大、核形不整を伴います」と書かれています。
検査前のエコー画像は境界明瞭らしく、良性所見寄りで、実際採取した際も良性かなという見方でした。
しかし、結果はコメントから推測すると悪性寄りかもと言われて、針生検の結果待ちです。
やはりそうなのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「エコーで4mm大のしこりが3~4個」「間質成分を伴う乳頭状集塊を認めます、集塊には筋上皮がみられますが、不規則重積性を示す集塊では集塊周囲が不整で腺腔構造が多くみられ核腫大、核形不整を伴います」
⇒「乳頭状病変」のようです。
 担当医のコメント「境界明瞭で良性所見より」であり、「3~4個」となると「乳管内乳頭腫」が鑑別に挙がります。(細胞診での白色混濁分泌液も同様の所見を示唆します)
 ただし、「早期の癌=非浸潤癌」の可能性も考えられます。
○(万が一癌であっても)「早期発見は間違いありません」きちんと確定診断をつけましょう(針生検結果待ちのようですね)
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回、細胞診で鑑別困難との結果で相談したものです。
針生検の結果がでました。
乳がんでした。
現時点では左の内側の非浸潤性乳管癌で比較的おだやかな乳がんが想定されるとの説明がありました。
しかし、生検では一部分を切り取った検査であるため確定ではないこと、最終的に手術して切除されたもので判断するとのお話がありました。
サブタイプはER100%、PR90%、HER21+、Ki6710%です。
核グレードは聞いていません。
1月に造影剤MRI,CTを行い、
術前説明が予定され、手術になります。
温存か全摘かはエコーでは腫瘍
4mm前後で3~4個の腫瘍であり、広がりを確認してから決めようといわれています。
自分としては全摘になってもかまいません。
もし、浸潤していたり、転移していた場合にこのサブタイプで治療はどうなっていくのか方向性を教えていただけますか?主治医はホルモン治療が有効だろうということと、おだやかなので手術先行し、術前は抗がん剤のことは悩まなくていいと言います。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
癌でしたか。お気持ち、お察しします。
ただ「非浸潤癌」であれば心配ありません。
「サブタイプはER100%、PR90%、HER21+、Ki6710%です。」
⇒luminalAとなります。
 ただし、あくまでも「非浸潤癌」であり「HER2は本来適応とはなりません」
 ♯非浸潤癌で「HER2を検索」しているとしたら「大学病院かその手の病院」なのでしょうか?
 
「1月に造影剤MRI,CT」
⇒厳しいようですが…
 「術前診断で非浸潤癌(たとえ最終的に浸潤癌となる可能性があるにしても)」なのに『CTは無用な検査』です。(MRIは乳癌の拡がりをみるために、温存手術が視野であれば必須となります)
 ○無用などころか、有害なのです。  トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころかか有害なのです」を参照してください。
 
「もし、浸潤していたり、転移していた場合にこのサブタイプで治療はどうなっていくのか方向性を教えていただけますか?」
⇒ホルモン療法単独です。
 ただし、(万が一)浸潤していたとしたら、「浸潤部分は(非浸潤癌とは)事なるサブタイプを持っている可能性がある」ことに注意が必要です。
 
「おだやかなので手術先行し、術前は抗がん剤のことは悩まなくていい」
⇒担当医が完全に理解しているかどうか…
 そもそも「非浸潤癌に(術前にしろ、術後にしろ)抗癌剤の適応はありません」
 ○非浸潤癌に(万が一)術前抗がん剤を勧めたとしたら「犯罪」とさえ言えます。
 
 
 

 

質問者様から 【質問3】

以前、細胞診で鑑別困難、生検で癌と判明した件でご相談させていただきました。
あれからMRI検査を行い、先日、術前のお話がありました。
4mmの腫瘤3個となっていましたが、つながっており、左胸内側約2cm大の非浸潤癌であること、乳管内伸展も十分考え周囲1.5cm切除予定、乳房温存で放射線治療を行う予定、断端陽性あれば再手術。
比較的穏やかな癌だが浸潤もあり得る。
センチネルリンパ節生検は悩んでいるようでしたが自分は浸潤していたらと思い希望しました。
浸潤していたらホルモン療法も追加になるようです。
浸潤は当然あるかもしれないというスタンスで話されていました。
あくまでも手術でとったモノで判断ということは自分も納得しています。
肝臓・肺・リンパ節は画像上問題なし。
ですが、MRIで右胸の内側(左と対称性の位置)に画像上に無数
の明るい白い点が帯状に出現していました。
石灰化もなく再度のエコーでも明らかな病変はありませんでした。
読影でも病巣とまでは断定できないが注意は必要のようなコメントでした。
感度が良すぎるせいもあるかもしれないが経過観察していきましょうということになりました。
左胸のことばかり考えていましたので突然のことで驚いています。
MRI画像は何を意味しているのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「センチネルリンパ節生検は悩んでいるようでした」
⇒これは(厳しいようですが)担当医の認識不足です。
 「針生検での非浸潤癌は(病変の一部での評価なので)センチネルリンパ節生検はしなくてはならない」とガイドラインでも推奨されています。(悩むところではありません)
 「切除生検での非浸潤癌であれば、センチネルリンパ節生検は省略すべき」となります。
 
「MRIで右胸の内側(左と対称性の位置)に画像上に無数の明るい白い点が帯状に出現していました。石灰化もなく再度のエコーでも明らかな病変はありませんでした。」
⇒きちんと「執刀医自身」が超音波していますか?
 技師のエコーでは「無責任」と言えます。
 
「左胸のことばかり考えていましたので突然のことで驚いています。MRI画像は何を意味しているのでしょうか?」
⇒造影効果を見ている訳なので「血流が豊富な組織」となります。
 乳腺症などでも、そのように描出されます。