[管理番号:8165]
性別:女性
年齢:30歳
病名:右乳房硬結
症状:右乳房硬結、受診時10日程度の乳房痛
初めまして。
いくつかの質問を拝見させていただき、今の自分の状況に不安が重なり、先生のお言葉が聞きたく質問させて頂きます。
<状況>
30歳、女性
2016年5月 第一子出産 3か月ほど母乳
2018年3月 第二子出産 1年ほど母乳(完全母乳育児)
2019年2,3月 右乳房硬結、痛みのため乳腺外科受診
右乳房乳腺炎 超音波エコー診断
2019年8月 右乳房痛みのため受診
右乳房乳腺炎? 超音波エコー所見 異常なしの診断
2019年11月 右乳房硬結 痛みのため受診
触診 乳腺症? 超音波エコー所見 血流信号が多いため細胞診
細胞診の結果 classⅢa 血流が多く識別困難 異形細胞有
細胞診の結果を受け、念のため、針生検(紹介先の病院で)へ
2019年11月 紹介先の病院で超音波エコー
右乳房9:30から14:30の領域にやはり血流信号が見られ、
乳がんの可能性を疑うので、針生検へ
明日、針生検を受ける予定になっています。
このような状況でも乳がんではない可能性が少しでもあるのかどうかお聞きしたく質問させていただきました。
針生検が決まってから、自分のエコー画像などを見ながら、インターネットなどで検索したりすると、「血流信号が多いとがんの可能性が高い」という言葉を多く見かけ、すごく不安になりました。
まだ、子供も小さいためこの先のことを考えてしまいます。
また、仮にがんだった場合、3か月前はエコー所見で何もなかった状況から、かなり進行することもあるのでしょうか?
まとまっていない文章ですみません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
たびたびコメントしているように…
針生検しない乳腺外科はとても危険です。(あくまでも個人的意見)
結局、紹介することになるわけですが、どうしても「(いよいよ怪しいと感じるまで)何もせずに、ギリギリまで引っ張りがち」となるからです。
なので、最初の乳腺外科の診療は全く参考にしません。(その細胞診のクラスⅢaにも信用しません)
と、いうことで純粋に(その紹介先の)『乳がんの可能性を疑うので、針生検へ』というコメントからすると「乳癌を疑うべき」だと思います。
〇ただ「痛み」があるので、鑑別を擁するものは「肉芽腫性乳腺炎」があります。
(肉芽腫性乳腺炎は「不整形」「血流豊富」であり、「癌と極めて間違われやすい」)
肉芽腫性乳腺炎と確定診断する(癌を完全に否定するには(バネ式針生検では不十分であり)MMTEが必須となります。
但し、重要なのは100%確定診断することです。
エコーで大きさの記載はありませんが、8月に所見がないわけだから万が一癌でも
(この時期に診断すれば)「間違いなく早期」だからです
「また、仮にがんだった場合、3か月前はエコー所見で何もなかった状況から、かなり進行することもあるのでしょうか?」
→考えすぎ。
単純に(3か月前に無かったわけだから)癌だとしても早期と考えましょう。
質問者様から 【結果2 】
乳腺炎の残骸
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳腺炎?
田澤先生の診察:[診察なし]
田澤先生の手術:[手術なし]
本日、針生検の診断結果が出ました。
結果、組織に悪いものはなかったとのことでした。
画像所見では、広範囲に広がる(AC領域)ひどい乳がんにも見えなくない状況であったため、針生検を行ったと言われました。
授乳、断乳の時期から考えて、なんらかの理由で炎症が起きているのであろう。とのことでした。症状に分泌があったかを確認されたので、乳白色の物が一度だけあったとお答えしました。それも踏まえ、皮膚表面の発赤、痛みも治まっていることから、抗生剤などの処方も必要なく、経過観察となりました。
6か月後に超音波エコーの実施予定です。
<Q&A結果>
質問者様から 【質問3 】
しこりの大きさ、痛み
性別:女性
年齢:30歳
病名:乳腺炎の残骸
症状:胸のしこり、痛み
投稿日:2020年2月3日
いつもお世話になっております。
以前は回答していただき、ありがとうございました。
前回の相談にあった、針生検の結果…
悪いものはなかったとの回答でした。
エコーを見る限りでは、AC領域の広範囲に広がるひどい乳がんの所見といわれていましたが、針生検の結果「乳がん」ではありませんでした。
炎症細胞はあったようですが…乳腺炎の残骸だろうと言われました。
12月(下旬)日に針生検、1月(上旬)日に検査結果
結果より、次回は半年後の6月に超音波エコーで経過観察となりました。
しかし、1月(下旬)日よりしこりの巨大化3cm程度(針生検時も2cm大はあったようですが、現在のように胸を張ると凹凸が確認できる状態ではありませんでした)、またしこり部分にチクチクとした痛みが常時あります。
<最終生理期間:1月25日~1月31日>
経過観察とされている以上、乳がんの可能性が否定できずに毎日過ごす日々は不安でなりません。
この短期間に一気に進行する可能性は低いと思いますが、乳腺炎の残骸といわれるようなもので、しこりの大きさが変わったり、痛みがあったりなかったり日々変化していくものなのでしょうか?生理周期が関係しているようでしたら、今後ずっとこのような状況がつづいていくのでしょうか?
県内のがんセンターでの受診でしたが、確定診断とは言えないような回答でした。
乳がんの罹患者数が多い現在、このしこりが乳がんなる可能性がゼロかどうか、ほかの部分がガン化する可能性も含めると、乳がんににならないとは言い切れないと言われました。
痛みがあったとしても、6か月後の超音波エコー検査まで放置しておいても大丈夫なのかすごく不安です。
少しでも不安を払拭したく、ご相談させていただきました。
よろしくお願いいたします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
回答①のコピペします。
〇ただ「痛み」があるので、鑑別を擁するものは「肉芽腫性乳腺炎」があります。
(肉芽腫性乳腺炎は「不整形」「血流豊富」であり、「癌と極めて間違われやすい」)
肉芽腫性乳腺炎と確定診断する(癌を完全に否定するには(バネ式針生検では不十分であり)MMTEが必須となります。
★その癌センターの乳腺外科医は「肉芽腫性乳腺炎を知らない」のだと思います。
(よくあることです)
MMTEで広範囲に組織採取して肉芽腫性乳腺炎の確定診断を得ることが肝要です。
質問者様から 【質問4 】
再度、マンモトーム生検
性別:女性
年齢:30歳
病名:
症状:右乳房に3cmほどのしこり
投稿日:2020年5月15日
ご無沙汰しております。
以前も質問させていただきましたが、再度お聞きしたいことがあり、質問させていただきます。
前回の行った針生検(後に確認後、マンモトームだったようです。)より5ヶ月が経過したところで、超音波エコーでの検査でした。
エコーでの診断はAC領域に影があるということで、大きさ事態はほぼ変わらないということでした。
ただ一つ、変化があったのはぼやぼやしていたしこりのエコー画像から、はっきりと黒く写るしこりに変わっていたそうです。
これを元に再度、マンモトーム生検をやることになりました。
担当医のエコー所見
①しこりの大きさは若干小さくなっている(ほぼ変わらないが)
②しこり部分がモヤモヤしていたのが黒くはっきりとした
→この可能性は、炎症が治まった、あるいは癌化したか。
③癌だとしたら、もう少し輪郭がギザギザしている気がする
2月頃には痛みが出た際、担当医に相談したところ、正直な話、癌には強いがそれ以外の乳房の病気はそこまで詳しくないので探り探りになってしまうと言っていました。
「質問」
①最初に受診した頃(2019年12月)にあった痛みや硬結はないが触ると3cmほどのしこりは確認できる状態は変わらない現状で、エコーでのしこり画像がはっきりとしたものになったことで癌に進行した可能性は確率的に大きいでしょうか?
②肉芽腫性乳腺炎の可能性は低いでしょうか?
③癌ではなかった場合、このようなしこりはどういった理由でできることがあるのでしょうか?また、切除する必要ははあるのでしょうか?
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
「癌には強いがそれ以外の乳房の病気はそこまで詳しくない」
⇒随分、開き直ったものですね。
患者さんのことを考えれば、「全てを解決する」という姿勢が重要です。
肉芽腫性乳腺炎は、(最初は癌を疑われることも多いですが)癌でないと分かったとたんに…
多くの患者さんは(確定診断されずに、経過観察という名の)「放置」されます。
この問題については、本日の今週のコラムで取り上げることにしました。
「①最初に受診した頃(2019年12月)にあった痛みや硬結はないが触ると3cmほどのしこりは確認できる状態は変わらない現状で、エコーでのしこり画像がはっきりとしたものになったことで癌に進行した可能性は確率的に大きいでしょうか?」
⇒「癌に進行」という概念自体、誤りです。
「癌化」という言葉は、(医師にとって)都合のいい言葉です。(本来、最初の時点で「癌」と診断しなくてはいけなかったのです)
「②肉芽腫性乳腺炎の可能性は低いでしょうか?」
⇒文面から、そのように判断する根拠がありません。
ただ、普通に考えて「前回マンモトームで癌でない」と診断しておいて、今更「乳癌でした」は論外です。
「③癌ではなかった場合、このようなしこりはどういった理由でできることがあるのでしょうか?また、切除する必要ははあるのでしょうか?」
⇒結局、結論がてていないようです。
★ 8165を読み返してみましたが…
何か月も「癌かもしれない」などという「モヤモヤ」が今回も(結局)また解消されずに 『本当に大丈夫でしょうか?』みたいなQを再度送るよりも(その可能性「大」と言わざるを得ません)
「確定診断希望メール」してください。(それで、全てが解決します)