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細胞診 クラスⅢ 針生検

[管理番号:7593]
性別:女性
年齢:35歳
病名:石灰化
症状:乳房痛

こんにちは。

先日、乳腺外来を受診し、マンモとエコーをしました。

マンモグラフィーに石灰化があり
エコーで、黒い影があったため、細胞診をしました。

先生は、針でついた感じだと、柔らかいし動くから
おそらく嚢胞に老廃物がたまったものと思うので
あまり心配しなくていいと、その日は帰宅。

先日、細胞診の結果、鑑別困難。

細胞診判定
中等度異型細胞を認める。
要再検。

細胞診所見
検体適応
数十程の集合で異型細胞を極少数認めます。

N/C比増加 軽~中等度クロマチン増量を示し核網は細顆粒状。

核形は類円、核小体不明瞭
細胞質構築は泡沫状類円形細胞、結合密な平面と軽度重積集合です。

以上それらは確定所見に不足します。

と書いてあります。

来週、局部麻酔を行い、再検査しますが
あまり詳しく説明してくださらず不安です。

悪性度が高いから、あまり説明してくださらないのか等考えると不安でたまりません。

この細胞診の結果から
悪性の可能性はどの程度考えられますか?

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

画像所見を見ていないので(当たり前ですが)
あくまでも、(私の)過去の経験から(細胞診結果より)回答します。

細胞診クラスⅢは本来ⅢAとⅢBがありⅢAは良性(乳腺症、線維腺腫など)ですが、ⅢBとなると(増殖性の強い)「乳頭腫もしくは異型の低い癌」となります。
(あくまでも私自身の細胞診の印象)

注目すべきは「中等度異型細胞を認める」という一文です。
これは(担当医が画像所見や細胞診の感触から)想像した「濃縮嚢胞」ではないことを示しています。
クラスⅢといってもⅢB相当だと思います。(量が少ないのでクラスⅣにならなかっただけという印象があります)

「癌のの可能性はどの程度考えられますか?」
⇒クラスⅣ相当だとすれば5割程度はありそうです。

★重要なことは、「濃縮嚢胞にしか見えない程度の所見=癌だとしても非浸潤癌の可能性が高い」ということです。
 今後、針生検をするようですが、100%確定診断してもらいましょう。
 それが大事です。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

組織診の結果
性別:女性
年齢:35歳
病名:石灰化
症状:

田澤先生、こんにちは。

あれから、針生検をし、検査結果がでました。

病理組織判定
Fibroadenoma

病理組織所見
4条の生検が採取され、いずれにも腫瘤形成性病変が含まれていす。

二層性構造を保った導管と硝子化を伴った線維性間質からなる結節状病変を認め、fibroadenoma,no malignancyです。

ただし、石灰化が描出されていませんので、深切切片作成し、
石灰化病巣の描出を試み、後日再度報告します。

追加報告
深切切片作成しましたが、石灰化巣は描出されませんでした。

fibroadenoma,no malignancyです。

という報告書を、受け取りました。

先生には、取りたいと伝えましたが
良性なので、取る必要がない。
と言われました。

私が気になるのは
マンモグラフィーに写っていた石灰化が、組織診で描出されていないこと、
細胞診で、中等度異型細胞があると記してあった為
癌なのかな?と思っていたので
このまま経過観察で、いいのか不安が残ります。

この状況を、田澤先生の意見を伺いたく再度質問させて頂きました。

もし、可能であれば
田澤先生の診察を受けたいと、考えております。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「いずれにも腫瘤形成性病変が含まれ」
⇒この記載からすると「エコーで見える病変」からはきちんと組織が取れているように思います。

〇石灰化が標本に見当たらない解釈としては
1.そもそも(マンモで見える)「石灰化」と(エコーで見える)「シコリ」が同一ではない可能性
 担当医が同一であろうとみなしていることからは、(少なくとも)位置は近いのだと想像します。

2.同一病変だけど、(たまたま)石灰化に当たらなかった。

上記解釈ができます。
そうすると、まずはエコーの病変をMMTEで広範囲に削って、(エコーの病変の)確定診断及び石灰化が入っていることを確認する
   ↓
もしも、これにも石灰化が入っていない場合には、再度マンモグラフィーを撮影し、「石灰化があることを再確認」後、今度はST-MMTを使って「石灰化をダイレクトに採取」する。

この2段構えでしょう。
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