[管理番号:1090]
性別:女性
年齢:41歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
田澤先生、
はじめまして。
3年前、定期健診の超音波検査にて左胸に非整形細胞たるものが発見され
放っておくとがんになるといわれ、摘出しました。
結果、上皮内がんでありました。
Breast, (left), excision;
– DUCTAL CARCINOMA IN SITU NUCLEAR GRADE 2 WITHOUT NECROSIS,
0.4cm IN GREATEST DIMENSION
with clear resection margin.
– Atypical ductal hyperplasia, 0.2cm in greatest dimension.
– Flat epithelial atypia.
– Columnar cell hyperplasia.
– Microcalcification present.
ER : Positive (8/8, Strong)
Pgr : Positive (8/8, Strong)
Her-2 (c-erb B2) : Equivocal (2/3)
Her-1 (EGFR) : Negative
CK5/6 : Negative
P53 : Positive (+)
Ki-67 : Positive (20%)
上記が3年前の術後の生検結果です。
治療として放射線治療とタモキシフェンの服用を処方され、
放射線治療は受けたのですが、タモキシフェンの副作用がとてもひどく、
耐えられないほどでふつうの日常生活ができなかったため、
任意で服用をやめました。
以降、2年間定期健診で何の問題もなかったのですが、
今年、3年目の定期検診にて反対側の右胸に乳がんが発見されました。
サイズは0.5センチほど、転移はなさそうとのことでしたが
温存手術後、リンパ節に微細転移があるといわれました。(3個中1個から発見)
まだ生検の結果が出ていませんが、
手術直後の回診で化学療法をやるといわれ、腫瘍内科の予約を取らされました。
1.右胸と左胸のがんは別のものとみるべきと聞きましたが、これは再発とみるべきでしょうか。
2.タモキシフェンの副作用がとてもつらかったので任意に服用をやめた後のがん発見なので、再度タモキシフェンを服用して化学療法を避けるという方法はあり得ないでしょうか。
3.リンパ節に微細転移が発見されたということは今後必ずがんが再発するということでしょうか。
4.化学療法を受けず、放射線治療とタモキシフェンの服用のみ選択した場合、今後の再発率や生存率は著しく下がるものでしょうか。
お忙しいところややこしい質問をして誠に申し訳ないですが、
ご返答をよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず一番重要なのは「今回の件は左とは全く無関係」だということです。
左乳癌のことは全く忘れてください。
少なくとも、今回のメール内容から「抗がん剤を選択しようとしている理由が不明」です。
「腫瘍径5mmと、微小転移」だけで、化学療法の適応となる筈はありません。
「最大浸潤径」「サブタイプ」が不明なので、正確なコメントができません。(もちろん右の話です)
回答
「右胸と左胸のがんは別のものとみるべきと聞きましたが、これは再発とみるべきでしょうか」
⇒全く新しいもの(無関係)です。
乳癌は「対側乳腺へは、転移も再発も無い」のです。
「再度タモキシフェンを服用して化学療法を避けるという方法はあり得ないでしょうか」
⇒質問者は大変な勘違いをしています。
今回の治療は「左乳癌とは無関係」です。
右乳癌の「サブタイプ」が不明では「治療法」の選択など不可能です。
「リンパ節に微細転移が発見されたということは今後必ずがんが再発するということでしょうか」
⇒冷静になって考えてみてください。
もしも「リンパ節転移があると、必ず再発する」ならば、乳癌の再発率がとんでもないことになります。
「リンパ節転移」は「腫瘍径」と共に「ステージを決めるファクターの一つ」に過ぎません。
「化学療法を受けず、放射線治療とタモキシフェンの服用のみ選択した場合、今後の再発率や生存率は著しく下がるものでしょうか」
⇒(右の)浸潤径とサブタイプが不明な以上、コメントのしようがありません。
ただし、「最大浸潤径が本当に5mm程度」であるなら「抗がん剤は不要」です。
○その場合は、微小転移など、問題にする必要はありません。