[管理番号:7959]
性別:女性
年齢:47歳
病名:右…乳がん(粘液癌)、左…乳がん
症状:
田澤先生、初めて質問させていただきます。
いつもこちらのサイトで沢山の情報を得させていただき、感謝しております。
【経緯】
○2017年 人間ドックにて右乳房に石灰化が見つかる→生検の結果、コメド型の癌と
診断
全摘&エキスパンダー留置の後、シリコン再建。
リンパ節への転移なし、混合型粘液癌
病理結果
ER、PgRともに+
HER2 陰性
Ki67 10%
Luminal-Aのため、タモキシフェン服用
○2018年 定期健診(エコー、マンモ、血液検査)で異常なし
(エコーの時に健側の左乳房を何度もチェックされていましたが・・・)
○2019年 定期健診時のエコー検査にて左乳房に腫瘤が見つかる
MRI撮影後マンモトーム生検→癌と診断。
しこりなし、腫瘍径5ミリ
ER 7、PgR 8
HER2 陰性
Ki67 10-30%
Luminal-Aのため、手術とホルモン療法の予定。
抗がん剤なし。
リュープリンでまず生理を止める。
☆タモキシフェン服用中に発症したため、ホルモン剤を変える予定
先に手術をした右胸がシリコン(テクスチャードタイプ)で、リンパ腫の不安を抱えていることから、
今回の左胸はできれば温存したいところなのですが、
両側に発症したので全摘したほうが安心なのだろうか・・・、とも思います。
温存と全摘で予後は変わらないということですが、
両側の場合はまた別なのでしょうか。
以下の3点について、先生のご意見をお聞かせいただけると幸いです。
<術式について>
1)「部分切除+放射線」…Luminal-Aかつ腫瘍径が5ミリのため。
2)「全摘」…両側に乳がんを発症したことから再発の可能性が高いため
3)「部分切除のみで放射線なし」…のちに再発した時に、全摘してシリコン再建ができるようにするため
田澤先生でしたら、どの方法を勧められるでしょうか。
<手術のタイミングについて>
1)通常のスケジュールで手術(年内)
2)リュープリンの効果を見るため、しばらく(2ヵ月?)様子を見て年明けに手術
タモキシフェン服用中に発症したため、次に使うホルモン剤が本当に効くのか不安は
あります。
ただ、手術のタイミングを遅らせても大丈夫なのかも不安で決めかねています。
<抗がん剤について>
今回Ki67の値が10-30%と出ました。
かかりつけの病院ではこれをLuminal-Aに分類しているそうです。
Luminal-Aかつ腫瘍径が5ミリであることから、抗がん剤は不要とのことでした。
しかし、田澤先生のコメントを読ませていただくと20~40%はグレーゾーンとのことなので、
オンコタイプDXを受けて判断した方がいいのでしょうか。
お忙しい中恐縮ですが、ご回答いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「<術式について>
1)「部分切除+放射線」…Luminal-Aかつ腫瘍径が5ミリのため。
2)「全摘」…両側に乳がんを発症したことから再発の可能性が高いため
3)「部分切除のみで放射線なし」…のちに再発した時に、全摘してシリコン再建ができるようにするため
田澤先生でしたら、どの方法を勧められるでしょうか。」
⇒普通に1)です。
「<手術のタイミングについて>
1)通常のスケジュールで手術(年内)
2)リュープリンの効果を見るため、しばらく(2ヵ月?)様子を見て年明けに手術タモキシフェン服用中に発症したため、次に使うホルモン剤が本当に効くのか不安はあります。
ただ、手術のタイミングを遅らせても大丈夫なのかも不安で決めかねています。」
⇒普通に1)です。
リュープリンの効果を見るなど、非常識(失礼)
術後に「普通に」ノルバデックスとしましょう。
「オンコタイプDXを受けて判断した方がいいのでしょうか。」
⇒手術標本でKi67は測定すべき。