[管理番号:13331]
性別:女性
年齢:44
病名:
症状:
投稿日:2025年12月28日
数年前から、毎年乳がん検診(US:年1回、MMG:年1回)を受けています。
2か月前のMMGにて、左乳房に新たに2か所のFAD(上部および中央部)が認められました。MLO方向のみで描出され、CC方向では確認できませんでした。
検診クリニックの医師よりUSによる精査を受けましたが、嚢胞以外にはMMG所見に対応する病変は認められませんでした。
その後、別の乳腺外科へ転院し、再度MMGおよびUS検査を受けましたが、MMG・USともに前医と所見に大きな差はありませんでした。MMGの所見については、乳腺の重なりによるものとの診断でした。
一方で、乳がんの家族歴(2親等以内に2名)があるため不安が強く、先週、自費で乳房ドック(造影MRI)を受けました。その結果、左乳房にDCISを指摘され、病変の大きさは4~5mmとのことでした。
MRI所見の記載は以下のとおりです。
「両側乳房に明らかな腫瘤は認めません。両側乳房に微小な造影結節を散見します。
乳腺の生理的な造影効果として矛盾しませんが、左乳房C区域(上外側)の造影結節は他部位よりサイズがやや大きく、乳管走行に沿うように分布しているようにも見え、DCISを否定できません。」
なお、5年前にUS検診で左乳管拡張を指摘されたことがあり、その際に造影MRIを施行しましたが、異常所見は認められませんでした。
今後の次のステップとして、どのような診療方針が望ましいかについてご教示いただきたいと考えています。
私としては生検が必要と考えていますが、US second lookでも病変が確認できない場合には、MRIガイド下生検を実施している施設を検討したいと考えています。
今回指摘された病変は非腫瘤性であると理解していますが、その場合、どのような生検手法を選択するのが望ましいでしょうか(例:VAB)。
また、病変が小さい場合、生検が技術的に難しく、組織が破壊されて十分な病理学的情報が得られない可能性がある、という情報をインターネットで見かけましたが、この点についてもご意見を伺いたいと考えています。
なお、私自身は乳がんの家族歴があり、診断結果によっては全摘(再建なし)を希望しています。
その場合、術前に確定診断を行わず、先に手術を行い、その後に病理組織診断を行うという選択肢が考えられるでしょうか。
また、田澤先生にご執刀いただく場合、手術までの待ち時間がどの程度になるかについても、ご教示いただけますと幸いです。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
非常に示唆に富んだ内容と言えます。
まずご指摘したいのが「左乳房にDCISを指摘」という文言です。
→MRIはあくまでも画像診断であり(他のデバイスでは指摘できないが)「MRIだと癌が発見できる」という考え方は非常に危険だということ
あくまでも「DCISを否定できません。」これが正しい。
それが実際に「DCIS(もしくは浸潤がんも含めて癌)なのか?」は、やはり質問者の理解されているように『US second look』となります。
普通に考えれば、(MRIでそれなりの所見が出ている以上)「その部位にはUSでなるほどこれか!という所見は(怪しさの程度こそあれ)存在する」ハズです。
逆に言えば…
(USで全く所見がないのであれば)「MRIガイド下生検」など必要ありません。
以下、回答
今後の次のステップとして、どのような診療方針が望ましいかについてご教示いただきたいと考えています。
→無論「US second look」となります。→(そして、それを)生検します。
私としては生検が必要と考えていますが、でも病変が確認できない場合には、MRIガイド下生検を実施している施設を検討したいと考えています。
→それは無意味です。
今回指摘された病変は非腫瘤性であると理解していますが、その場合、どのような生検手法を選択するのが望ましいでしょうか(例:VAB)。
→エコー所見次第なので、エコー所見により判断します。
ただ(おっしゃるように)腫瘤非形成性病変のように「ターゲットが1か所とは限らない。もしくは広い」場合にはVAB(vacuum assisted biopsy)となります。
また、病変が小さい場合、生検が技術的に難しく、組織が破壊されて十分な病理学的情報が得られない可能性がある、という情報をインターネットで見かけましたが、この点についてもご意見を伺いたいと考えています。
→それは下手な人の考えることです。(無関係)
その場合、術前に確定診断を行わず、先に手術を行い、その後に病理組織診断を行うという選択肢が考えられるでしょうか。
→診断が先です。
また、田澤先生にご執刀いただく場合、手術までの待ち時間がどの程度になるかについても、ご教示いただけますと幸いです。
→土曜日手術枠の造成により「1か月半以内」が当面確保できると見積もっています。
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(回答が公開されてから2週間後)
2026/1/12
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