[管理番号:13100]
性別:男性
年齢:43歳
病名:
症状:
投稿日:2025年09月26日
2025年8月(上旬)日
乳がん診断を受けました。ステージ4 多骨転移です。
現在他臓器転移は無いと言われました。
右乳がん 浸潤性乳がん(非特殊型)
しこりの大きさ 約 4cm
脇リンパ転移あり CT右腋窩 右頚部 左腋窩
エストロゲン受容体 50% (陽性)
プロゲステロン受容体 0% (陰性)
HER2 +1 (陰性)
Ki-67 36%
グレード(悪性度) 2 (中間)
治療薬
ベージニオ
レトロゾール錠
ランマーク(注射)
リュープリン(注射)
デノタスチュアブル配合錠
今の病院での治療法
1、薬剤治療
2、放射線治療は痛み止めが利かなくなった時に薬を一時中断して放射線治療をする
(緩和治療)と主治医には言われています。
3、抗がん剤は薬物療法が利かなくなったら使用すると言われました。
1%でも助かる可能性を求め質問をさせていただきました。
現在は上記の治療法ですが、先生のYoutubeを見て他の治療ができるのではないかと希望を抱きました。
是非回答をお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
つい先日も「1cmの肝転移があるので、ホルモン療法一択」のようなQAに回答したばかりです。
この場(QAの回答の場)でいうべきことではないかもしれませんが、根本的な問題は2つあると思います。
1.薬物療法の急速な進化と、それを(かつては「遠隔転移は何をしても一緒」という「諦め論」から脱却できずに)有効に使うことで「状況を一変できる」ことn対しての想像ができない。
♯ 結局はその医師の「成功体験」だと思います。
実際に私も7,8年前は(できることを、やってみる)というだけの理由で始めた「遠隔転移のある乳癌=(用語的には)転移性乳がん」に対しての手術→抗がん剤→
CDK4/6 inhibitor+hormone therapyが、まさか現状のように「cCRを維持したまま、
(普段は癌を意識しないまま)8年も(最長は8年目に入っています)このままとは!」というのが実情です。
そういう体験もなく、(CDK4/6 inhibitorが登場し、それがいい薬だとは無論理解はしているが)単に、今までの延長で「生存期間が1年も有意差をもって延長する」みたいな認識だと、その医師の成功体験とはならないわけです。
2.その乳腺外科医の「手術手技能力」
実際は、これも結構大きな影響を与えていることに気づきます。
まさに、(今回の)質問者のように「右腋窩 右頚部 左腋窩」に転移(=つまり鎖骨上や頸部、対側リンパ節などに転移がある)があることで、その医師の手術能力から簡単に「scale out」してしまい、それだけで「外科的に何もできない=ますます薬物療法(しかも消極的)」という側面があります。
私から見れば、それらを手術可能範囲という認識となるので、(そもそも)「大変な状況」という認識に至らないのです。
そこも(成功体験を持っているというだけでなく)私が彼らとは「大きく」異なる部分だと思います。
と、(最近のQAや、実際に当院に転院して治療する同様の症例が顕著に増えているのを実感しているので、逆に言えば(逆ではない?かもしれませんが)私がYOUTUBEをしている「それこそが目的」とも言えます)つい、考えていることを素直に吐き出してしまいました。
それでは本題に戻ります。
現在は上記の治療法ですが、先生のYoutubeを見て他の治療ができるのではないかと希望を抱きました。
是非回答をお願いいたします。
→まさに上記通りです。
まずは骨転移ですが「骨折リスクや疼痛の原因」となっていないのであれば、手術先行(頸部も対側腋窩も全て郭清します)
♯腫瘍の大きさ4cmとありますが、皮膚に広範な所見があると現時点で手術不能となるので、その場合には術前に抗がん剤も必要となります。
手術後は、まずは(骨転移に対する)cCRを狙うために薬物療法(抗がん剤)そして、それを長期維持するためのCDK4/6 inhibitor+hormone therapy)
となります。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/10
***