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針生検の結果について

[管理番号:13082]
性別:女性
年齢:41
病名:
症状:
投稿日:2025年09月19日

田澤先生はじめまして。
針生検の結果で癌ではなかったのですが、どうしても不安なため質問させていただきます。

去年市の集団検診でマンモをし、右胸に異常があったので乳腺専門の個人病院でエコーをしてもらい、マンモに写っていたのは正常乳腺の重なりとのことでした。
更にエコーで数カ所何か写ってましたが嚢胞なので問題なしということで細胞診や針生検はしませんでした。

1年後の今月、健康診断のオプションでエコーがあったので健康診断と一緒に受けました。
(前回とは違う病院です。医師がいろんな科の診察をされているようでした。)

右胸に9ミリくらいの、ひょうたんを横向きにしたような形が写っていたので念のため針生検(医療費明細書には乳腺せっ刺又は針生検 生検針によるもの と書いてありました。)
をしました。
(去年マンモで異常があった場所と同じかは不明です。)

深い位置にあったらしく、エコーを確認しながら針を到達させましたが、組織を取ったのは1回のみでした。

結果、

病理組織検査結果
Adequate normal or benign

病理組織所見
豊富な硝子様~軽度粘液腫様間質に、細径血管が少数見られます。
異型細胞は認められません。
悪性所見はありません。

とのことで、乳がんではなかったのですが、
質問①
1度の針生検で3回くらい採取すると思っていたので、その1回のみの採取の結果で安
心していいのか?

質問②
病理組織所見の内容はどういうことなのか?
癌でなければ何なのかを医師に聞きましたが分からないと言われました。
田澤先生はお分かりになられるでしょうか?

お忙しいところ申し訳ありませんが教えていただけると嬉しいです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私が注目したのは、この「深い部位」という記載です。

針生検は「きちんと採取するためには」できるだけ「針を寝かせる」必要があります。
 ♯その理由は、針の角度が立っていると、その裏側にある「肺」に刺さるリスクが生じるため。
 肺は風船なので、(万が一)肺に刺さると空気が抜けて呼吸困難となります。これを(医原性)気胸といいます。

深い部位では「少しでも針の角度が立っていると(深いということは、その裏の肺に近いことを意味します)気胸をおこしうる」難しい部位だということをご理解ください。
それでは、そのリスクを避けるためにはどうするのか?

→その解答が「可能な限り(できれば「ほぼ」胸壁に平行となるくらいまで)針を寝かせる」ことです。

ただ針を寝かせるためには、「ターゲット」から「かなーり」遠くからそのシコリへアプローチが必要となるため、「遠くの刺入点から、ターゲットまでの距離が延々と長く←これが上手な医師でないときちんと採取できなくなる理由」なのです。
♯ ダーツを考えるまでもなく、距離が短いほど的中しやすいことは想像に難くないでしょう。
 しかもターゲットまでは(ダーツのように空気ではなく)時に難く針を勧めずらい乳腺!なのです。

  ↑
このあたり、何回かコラムでも?解説しているような気がしますが
せっかくだから今週のコラム 「深い」は何故難しい? 針生検はプロにお任せ
 ♯ 今、題名も決めました!

質問①
1度の針生検で3回くらい採取すると思っていたので、その1回のみの採取の結果で安心していいのか?

質問②
病理組織所見の内容はどういうことなのか?
癌でなければ何なのかを医師に聞きましたが分からないと言われました。
田澤先生はお分かりになられるでしょうか?

→長ーい前置きとなりましたが、つまり単純に「担当医自身がその針生検の精度に自信がない」のでは?

「自身に自信がない」お後がよろしいようで。(決して回答自体はふざけていませんので誤解のないように。)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/4
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