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TAS手術について

[管理番号:12977]
性別:女性
年齢:48
病名:左乳がん
症状:
投稿日:2025年08月09日

・大きさ:28×33㎜
・分類:浸潤型
・ホルモン受容体:エストロゲン受容体 陽性
         プロゲステロン受容体 陽性
・グレード:3
・Her2:2+(FISH 陰性)
・Ki67:50%
・サブタイプ:ルミナールB
・リンパ節転移:2箇所
・多臓器転移:なし

R7.6月下旬に乳がん告知を受け、クリニックより大学病院に紹介。
その後、大学病院にてCT、MRI検査を受け、R7.8月下旬 左乳房全摘手術予定、
術後は抗がん剤治療、放射線治療を予定してるとの説明を受けています。

手術についてですが、リンパに関して腋窩郭清かと思っていましたが、
担当医よりTAS手術を予定しているとのことでした。(本院では化学療法前のTASは臨床段階との補足あり)
腋窩郭清に比べTAS手術の方が、術後のQOLが良いとのことでしたが、私はグレードおよびKi67の値が高く、
再発をとても心配しています。TAS手術を選択することで再発率があがるのではないかと不安があります。
田澤先生はTAS手術についてどのようにお考えでしょうか?

TAS手術についてはネット上での知識しかなく、後日担当する別の医師より詳しく説明があるとのことですが、
その前に他の医療者のご意見を伺えればと思い質問させていただきました。
よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。 田澤です。

TAS tailored axillary surgeryとは、簡単に言えば(画像所見や術中(触診)所見などを参考に)「転移が怪しいリンパ節のみ切除」するという考え方です。
これは「転移を(術者の経験上)疑わないリンパ節は残す(郭清しない)」代わりに(当たり前ですが)偽陰性(実際は転移しているリンパ節を転移していないと判断して残存させる)リスクを負うということです。

医療者側に任せるべきものではなく、「偽陰性があってもいいから、最小限にしたい」と考えるのか?「キッチリリンパ節郭清をしてリスク回避したい」のか?
患者さんが良く考えて決めるべきものです。

私は、「偽陰性(リンパ節転移はあまりなさそうだなと術中に思っていても、術後の病理では「こんなに転移の個数があるのか?」」という経験は決して稀ではないので(患者さんから強く)「どうしても、最小限にして欲しい」と言われない限り決して行いませんし、賛成しません。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/4
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