Site Overlay

左胸壁転移性腫瘍の再手術はできないのか?

[管理番号:12956]
性別:女性
年齢:56
病名:左胸壁転移性腫瘍(再発)
症状:剣状突起(みぞおち)部分のしこり、違和感。
投稿日:2025年08月05日

田澤先生、よろしくお願い致します。

2016年に左乳房全摘。(ルミナールB)その後抗がん剤、放射線、ホルモン治療(タモキシフェン)をするも、2020年に肝転移、骨転移、多発リンパ節転移がわかりアブラキサン、アバスチンを4クール投与したところ、画像消失。その時に受けた遺伝子検査でBRCA2が陽性だった為、リムパーザに変更し服用を開始しましたが、2024年11月に剣状突起部分に1.7mmのがんが再発し、摘出手術を受けました。
主治医曰く、剣状突起(みぞおち)に再発とはとても珍しいとのこと。
医師は摘出の際、大きめに取り、骨も少し削ったとも言っていました。
これで安心していたのですが、術後半年位から
腫瘍マーカーがじわじわと上がり、また同じ部位(剣状突起部分)にがんが出てきました。
主治医は手術をしてもまた出てくるだろうから手術は出来ない。放射線をあてると言われ、
5年服用したリムパーザも効果がなくなっている為、ベージニオ、アリミデックスに変更するとのこと。
以前にも放射線(リニアック)をしているので重ならないようあてると言われましたが、放射線ではがんは消えない。小さくなるだけと説明を受け、消えないのに受ける意味はあるのかと躊躇しています。

ここで質問です。

①本当にもう手術は出来ないのか?
やったとしてもまた同じ所にがんが出てくるのか?
剣状突起による再発はそんなに珍しいことなのか?

②摘出手術後に放射線をあてていれば、こんなに早くがんが出てくることはなかったのか?

③ベージニオ、アリミデックスでがんは抑えられるのか?
(リムパーザほどの効果が見込めるのか?)

疑問と不安でいっぱいです。
こういったケース、田澤先生ならどういった治療を勧めますか?
どうぞよろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

そもそも「剣状突起」は胸骨の端であり(つまり骨そのもの)、担当医の「摘出の際、大きめに取り、骨も少し削った」というコメントと矛盾します。
つまり、(その担当医のコメントからすれば)「再発したのは剣状突起部に近接する胸壁」であり「剣状突起そのものではない」

これを前提に回答します。

①本当にもう手術は出来ないのか?
⇒(胸壁であれば)手術は可能です。

やったとしてもまた同じ所にがんが出てくるのか?
⇒それは誰にも保証はできないことです。

剣状突起による再発はそんなに珍しいことなのか?
⇒冒頭のコメント通り、単純に「胸壁再発の中でも、その部分(つまり乳腺からかなり離れている)の再発」であれば部位的に珍しいとは思いますが、胸骨の剣状突起部分の骨転移のことであれば特に珍しくはありません。(胸骨転移の一部分だから)

②摘出手術後に放射線をあてていれば、こんなに早くがんが出てくることはなかったのか?
⇒その可能性はあります

③ベージニオ、アリミデックスでがんは抑えられるのか?
(リムパーザほどの効果が見込めるのか?)

⇒それは誰にもわかりませんが(やったとしてもまた同じ所にがんがでてくるのか?という①の質問と同様です)

但しdatopotamab deruxtecanという方法があります。★

疑問と不安でいっぱいです。
こういったケース、田澤先生ならどういった治療を勧めますか?

⇒手術し、術後上記★を行います。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/9/1
***