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ホルモン受容体低値の場合の治療について

[管理番号:12893]
性別:女性
年齢:52
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2025年07月15日

ホルモン剤治療について悩んでおり、ご質問させていただきます。
2025/2月手術(左乳房部分切除)
2025/3 月~抗がん剤治療(AC療法)4回完了
2025/7月~放射線治療全16回予定
2025/7月末~ハーセプチン全12回予定
【術後病理】
浸潤性入管癌
最大浸潤径:9?4mm
核異型度:1
組織学的異型度:2
リンパ管侵襲なし
腋窩リンパ節転移なし
HER2発現あり
Ki67:31%

針生検でER:50%、PgR:0%でしたが
術後病理結果でER:0%、PgR:0%となり
ホルモン剤治療はしないと言われました。
「針生検で50%だったのに0%になることってあるんですか?」と主治医に尋ねたところ、そういう結果なのでということでしたが
次の診察時に「病理検査の結果に変更があります。あの後気になって自分自身病理に出向いてもう一度検査しました。見たところうっすら染まったので20~30%くらいだねとなりER陽性となったのでホルモン剤治療することになります」と。
ホルモン剤治療は10年間、閉経後のため薬はアリミデックス錠1㎎を勧められています。

私的には病気以前より更年期の倦怠感に悩んでいたためホルモン剤治療がないと思ってホッとしていたので、やっぱりやりますと言われて気が重く、受容体低値なことと、抗がん剤、放射線、抗HER2治療と体に負担をかけているのでさらにホルモン治療をするか迷っています。主治医には「全くやらないよりは、1年でも数ヶ月でもやったほうがいいと思う。前向きに検討してみて。」と言われました。

ご相談したいことは下記3点です。

①術後病理結果で一度受容体0%と言われたことが引っ掛かています。この検査を他の病院で再確認してもらうことはできるのでしょうか?

②ホルモン剤治療もした方が良いでしょうか?

③ホルモン剤治療は全くやらないよりも数年や数ヶ月でもやった方が多少の効果はあるのでしようか?

お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

この「術前針生検と手術病理でのサブタイプ乖離問題」は、このQAにも驚く程登場するのでご参考いただきたい。

免疫染色の弱点は「固定が悪い(ホルマリン量が少ない、もしくはホルマリンにつけるまで長時間放置)と失活」してしまうことにより(本来陽性なのに)陰性とされてしまう可能性があることです。

針生検は、「その場でホルマリン瓶に入れる(放置されるリスクはゼロ)」し、標本自体が小さいので「ホルマリンが相対的に足りないリスクもほぼゼロ」
⇒つまり針生検での免疫染色結果は信頼性が高いと言えます。

其の意味で(針生検で「たまたま」ホルモン感受性の高い部分にピンポイントにヒットし、実際にはホルモン感受性陰性の癌細胞が大多数を占める)という可能性もゼロではないですが、やはり可能性としては「針生検の方が高いに軍配が上がります」
つまり私は「ホルモン感受性良性」として治療をお勧めします。

ただし、(副作用を我慢してまで行うべきとはそもそも思っていないので)初めて見て「日常生活に支障があれば、辞めるべき」でもあります。
まずは、お試しを。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/8/5
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