[管理番号:12796]
性別:女性
年齢:43
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2025年06月08日
田澤先生はじめまして。いつもこちらで勉強させていただいております。
左浸潤性乳管がんと診断され、4月(下旬)日に部分切除しました。
先日、術後の病理結果が一部出たところです。
生検時の診察では非浸潤がんかもしれないと言われていましたが、生検の結果は浸潤していました。
大きさは、エコーで8×5×7.5ミリ、MRIで11ミリ、生検で浸潤径6ミリ、術後病理で浸潤径2.5ミリ(全体の広がりについて記載なし)でした。
術後のホルモン受容体、ki67、HER2はまだ出ておらず、2週間後くらいに再度受診予定です。
【生検結果】(VAB)
・浸潤がん、浸潤径6mm
・グレード3
・ki67 70%
・ER 90% TS 7(PS 5 + IS 2)
・PgR 90% TS 8(PS 5 + IS 3)
・HER2 陰性
・ルミナールB
【術後病理結果】
左乳房部分切除検体(大きさ7.0×5.2×2.0㎝)
・大きさ:顕微鏡的(浸潤部2.5×2.5mm)
・病理学的T因子:pT1a
・組織型:invasive ductal carcinoma, scirrhous type
tumor infiltrating lymphocytes (TILs) : high(高度)
・核グレード:Grade 3 (Nuclear atypia 3, Mitosis 2)
組織学的グレード:Grade III (Tubule formation 3 : Total 8)
・リンパ節転移:pN0 (センチネル 0/1)
・切除断端:陰性
・脈管侵襲:Ly0, V0
・組織学的波及度:g
・in situ病変(+):solid, cribriform, flat.
主治医の先生からは、pT1aだけど本来はpT1bだと考えた方がいい、生検で取られて小さくなったのかもしれないと言われました(バチンというのを2回取りました)。
術前のマーキング時のエコーで、以前は黒く写っていたしこりの部分がもやもやと不明瞭な感じになっていました。その時も生検で取ったせいだろうとのことでした。
術後も変わらずホルモン陽性HER2陰性だった場合は、オンコタイプに出そうという話を術前から主治医の先生としていましたが、術後の結果を見て、
オンコタイプは2ミリ以上で出せるとなってはいるが2.5ミリだと小さすぎて出せないかも、生検の方(6ミリ)で出せるかも、出せても判定不能で返ってくるかも、確認しておくので次回病理結果が出揃ってからまた話しましょうとのことでした。
ただ、小さいから抗がん剤はいらないかもしれないともおっしゃっていました。
TILsが高度であることが気になるとのことでした。(リンパ球が出てきて戦っていたということで、悪性度が高いタイプかもしれない、との説明でした)
現時点での今後の治療は、術後の結果が出揃ってから(出せるなら)オンコタイプに出し、結果待ちの間に放射線治療、オンコタイプの結果次第で(やるなら)抗がん剤(TC療法)、その後ホルモン療法、と聞いています。
質問です。
1、浸潤径は2.5ミリではなく6ミリだと考えればいいのでしょうか?
2、抗がん剤の有無は、
5mm以下 適応なし
5mm~10mm 考慮する
10mm以上 推奨
との記載がどこかにありましたが、私の場合(グレード3、ki67高い、TILs高度)でも上記に当てはめて考えていいのでしょうか?
3、田澤先生であれば、今後はどのような治療をしますか?
4、オンコタイプに出して、結果に従えばいいのでしょうか?(26以上で抗がん剤)
5、TILs高度についてどう考えたらいいでしょうか?予後が悪くなったりしますか?
浸潤径が小さいとはいえ、こんなに悪性度が高いなんて…と、どうしても落ち込んでしまいます。
生検時に6ミリで術後2.5ミリ、抗がん剤「適応なし」か「考慮する」のどちらで考えればいいのか、オンコタイプに従えばいいのか分からなくなり、質問させていただきました。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
考え方としては…
針生検で6mmとはなっていますが、(針生検で小さくなり)2.5mmしか手術標本で浸潤径がない=(私ならば)無治療(温存だから術後放射線だけは勧めますが…)とします。
どうしても患者さん側から心配だからホルモン療法だけはしないと言われればホルモン療法をしますが、抗癌剤は絶対に勧めません。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/30
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