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今後の治療について教えてください

[管理番号:12769]
性別:女性
年齢:46
病名:乳がん再発治療
症状:
投稿日:2025年06月04日

田澤先生今回はおしえていただきたいことが
ありまして
よろしくお願いします。

初発
39歳ステージ1a
ER陽性
pgR陰性
抗がん剤なし(5ミリのため)
ノルバデックス、リュープリン(ノルバデックスにより卵巣が腫大のため)で治療中
でした。

再発
6年半検診で腋窩鎖骨下と腋窩に大きさ5から7ミリが4コ。
ペットでの全身に転移はありませんでした。

腋窩鎖骨下郭清
放射線
抗がん剤(EC?ウィークリーパクリタキセル12回)
治療しました。

その後の治療についておききしたいのですが

ホルモン剤?ページニオになると思うのですが。

1田澤先生ならばホルモン剤は何をつかわれますか?
初発から今に至るまで生理はきていません。

2どのホルモン剤を使うにしろリュープリンは使ったほうがいいですか?

3ページニオは局所とはいえ再発なので、ずっと使ったほうがいいですか?
田澤先生ならば使いますか?

主治医は、局所再発だから
2年といっていたのですが、初発だと2年という認識だったのですが
2年使いおわったら
また再発するのがこわいのです。それとも2年使えば効果が持続するから十分なのですか?
なぜホルモン剤とちがい2年なのですか?
(添付文書はよみました。)
少なくとも
子供がまだ小学生なので
10年はなにこどもなく生きたいのです。

よろしくお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

CDK4/6阻害剤について誤解というか「解りにくい」部分があるので記載します。

まずCDK4/6阻害剤には2種類あり(先行順に)
①palbociclib 副作用は白血球減少
②abemaciclib 副作用は下痢

適応
1.術後補助療法(転移再発ではなく、初発乳癌で再発予防)
②は2年間
①は(術後補助療法としての)適応はなし

2.転移再発
①②とも適応があり、(①②とも)無期限 ♯つまり再発治療として用いる場合には「2年間」という縛りは無いのです。

質問者が①②の内②(ベージニオ)を選択するとしたら(「術後補助療法として通っている②の方が①より効く筈だ」という根拠のない理由からです。 何故根拠がないかというと、直接対決の試験など無いからです)
そして(①②どちらを選択してもいいですが、私の印象では②の下痢がネックとなるので私自身は①を選択することが多い)今回は再発治療としてなので「2年間の縛りはない=何年でも使える」
♯実際には、発売以来7年以上継続している人は(私の外来には)大勢(野球チームをいくつも作れるほど、作りませんが)いらっしゃいます。
やはり「これを飲んでいるから」再発無しに快適に過ごしているんだ!と(お互いに)安心感があるので、継続するのです。

併用するホルモン療法
術後補助療法でabemaciclibを使用する場合には原則として
「tamoxifen+LH-RHagonist」となりますが、今回は「再発としての」使用なので、エビデンス的に「letrozole+LH-RHagonist 」がいいでしょう。
無論Fulvestrant+LH-RHagonistも使えますが、「お尻の注射」はなかなか勧めずらいのです。

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(回答が公開されてから2週間後)
2025/6/19
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