[管理番号:12639]
性別:女性
年齢:58
病名:
症状:
投稿日:2025年04月13日
乳がんになってこちらのサイトにたどりつきました。
いつも明確なお答えで、たくさん学ばせていただいています。
ありがとうございます。
術前の検査結果は下記でした。
位置は右胸C領域とD領域の境界、胸の中央と外側端の中間あたり
1.5センチ強程度の浸潤性乳がん
ルミナール陽性 her2陽性 Ki-67=50%
一部浸潤性微少乳頭癌(<10%)、硬性型、NG2、HGⅡ
造影MRIでもう一つ腫瘍が見つかりました(エコー、CT等では見つけられていませんでした)。乳房D領域に近いB領域、下部乳房内ぎりぎりの位置で、追加の針生検の結果リンパ転移と診断されました。
手術は2箇所の部分切除で、術後に抗がん剤+分子標的薬、放射線治療という方針となりました。
かなり位置が離れているのがめずらしい症例ではあるということでした。転移の経路なども気になるだろうが、術後に抗がん剤と分子標的薬を使用すること、放射線治療を行うことで、全摘の必要はないと判断したということでした(ただしリンパ転移があったことから、抗がん剤の期間は少し長くなるということでした)。
センチネルリンパ節が転移したリンパ節なのではないかと気になりましたが、たぶんセンチネルリンパ節は脇にあるだろうということでした。
センチネル生検と手術を受けましたが、センチネルリンパ節は脇にあり(転移したリンパはセンチネルリンパ節ではなかった)、結果の詳細はまだ聞いていませんが、リンパ郭清を行っていないことから、大きな転移は認められなかったと思われます。
質問です。
1.全摘をする必要がないという判断についていかがでしょうか?
2.胸の中のリンパ転移をどのように理解したらよいのでしょうか?このリンパはどこにつながっているのでしょうか?(腋窩リンパ節や内胸リンパ節とつながっているのでしょうか?乳房の膨らみの中で内胸リンパ節とは位置が全然違う(内胸リンパ節はもっと深い位置)ということでしたが)。リンパ転移ということで、他臓器への転移の可能性があると考えた方がよいでしょうか?またステージはどのように考えるのでしょうか?
3.今後の治療方針についてどのように考えられますか?内胸リンパ節への転移なども考慮してpetなどの検査を行ってもらった方がよいのでしょうか?
病理の結果を待って理解した方がよいとは思っているのですが、現時点でリンパ節転移について理解がおいつかず、次の段階までにもう少し整理したく、質問させていただきました。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
乳房内リンパ節は(通常はあまりないのですが)たまに全摘などした際に「病理医から指摘」されたりしてその存在を知ることはあります。
これをどう考えるのかのガイドラインは存在せず、個々の医師の判断に任せられているのが現状です。
1.全摘をする必要がないという判断についていかがでしょうか?
⇒あくまでも「個々の医師の意見」としていうと…
乳腺内の多発腫瘍(癌)として、全摘の方が安全とは思います。
但し、担当医は「そのリスクを承知の上」で「リンパ節だから癌の多発とは異なる」
として「放射線照射は当然」とはいえ2か所の部分切除という少々「イレギュラーな術式を選択」したのでしょう。
2.胸の中のリンパ転移をどのように理解したらよいのでしょうか?このリンパはどこにつながっているのでしょうか?(腋窩リンパ節や内胸リンパ節とつながっているのでしょうか?乳房の膨らみの中で内胸リンパ節とは位置が全然違う(内胸リンパ節はもっと深い位置)ということでしたが)。
⇒位置(内側より)から考えると「内胸リンパ節方向に連続」している可能性は否定できません(が、無論証明は不可能)
リンパ転移ということで、他臓器への転移の可能性があると考えた方がよいでしょうか?またステージはどのように考えるのでしょうか?
⇒「リンパ節転移」と「他臓器の転移(遠隔転移)」は全く別経路です。 リンパ節転移は「リンパ管を通っての」転移であり、後者は「血行性転移(血管を通っての転移)」です。
3.今後の治療方針についてどのように考えられますか?内胸リンパ節への転移なども考慮してpetなどの検査を行ってもらった方がよいのでしょうか?
⇒胸骨傍リンパ節(内胸リンパ節)は余程大きくならないと検出が難しいので、PETで写って居なければ安心とも言えます。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/5/5
***