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非浸潤性乳癌の術後ホルモン療法の必要性

[管理番号:12470]
性別:女性
年齢:54
病名:非浸潤性乳癌とADH
症状:
投稿日:2025年02月09日

乳癌の診断がでてから、田澤先生の情報にとても助けられてきました。ありがとうございます。
今大変悩んでおり、相談をさせて頂きたく、よろしくお願いいたします。

3週間前に左胸を全摘、右胸を外科的生検(部分的な摘出)を行いました。
病理検査の結果は、
左胸は非浸潤乳癌、右胸はADHで経過観察とでていて(下記)、医師からは術後治療としてホルモン療法を提案されています。
全摘でもホルモン療法が必要なのかと担当医に質問したところ、1cm程度?にスライスしたところでは浸潤がみられないけれど、その間で浸潤していないとはいいきれないためとのことでした。
この情報でホルモン療法を始めるのも断るのも納得し難く、病理検査のセカンドオピニオンを受けるべきかと悩んでおります。

田澤先生は、このような場合の術後治療はどのようにお考えでしょうか。また、病理検査のセカンドオピニオンも有効なものでしょうか。
ご教示いただけるととても嬉しいです。
お忙しい中大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

??左胸(全摘)
[病理診断]
Ductal carcinoma in situ (DCIS), pTis, lyO, vO

[所見]
1-12:提出された組織から12か所切り出し標本を作成しました。9、10の標本に入管内に充実性、櫛状構造、乳頭状増殖を示す異形腺上皮細胞をみます。明らかな乳管外への浸潤をみません。非浸潤性乳癌と考えます。明らかな脈管侵襲をみません。標本上切除断端は陰性です。

核異型スコア:2点
核分裂像スコア:1点
核グレード:Gradel:2+1=3
E-R TS8=PS5+IS3 J-score: 3b
Pg-R TS8=PS5+IS3 J-score: 3b

??右胸(乳腺部分切除)
[病理診断]
Fibrocystic disease with ADH

[所見]
1ー7:提出された組織を7分割に全割して標本を作製しました。6の組織で、乳管内に充実性増殖を示す腺上皮細胞をみます。免疫染色にて同部にはCK5/6の免疫染色にて染色性の低下をみません。明らかな乳外への浸潤や脈管内侵をみません。病変は標本上1.1mm大ですが、CK5/6の免疫染色にて染性の低下をみませんのでADHの半中と考えます。ADHの病変は切除断端陰性です。ADHの周囲では乳管の拡張、腺管密度の増加をみますので、乳腺症と考えます。乳管内および小葉内に石灰化をみます。
ADHをみますので、経過観察をお願いします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

田澤先生は、このような場合の術後治療はどのようにお考えでしょうか。
⇒無論ホルモン療法は(例え患者さん側が希望したとしても)行いません。

非浸潤癌で薬物療法は不要です。

1cm程度?にスライスしたところでは浸潤がみられないけれど、その間で浸潤していないとはいいきれない
⇒そんな「主治医の想像」は何の意味もありません(忘れましょう)

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/26
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