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全摘、温存の術後の差【ルミナルB】

[管理番号:12454]
性別:女性
年齢:59
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2025年02月02日

24年12月の定期検診マンモで異常がみつかり、エコー、針生検、リンパ節穿刺、胸部
造影MRI、全身PET実施。以下の診断を25年1月に受けました。

浸潤性乳管がん 、硬性型、核異形度2 、組織学的グレードII
ER +、PgR +、HER2(1+)、ki67 45%
ステージ IIB
ルミナルB
腫瘍 2.5cm 右胸
リンパ節転移あり1箇所 1センチ程 右脇
※2年前のマンモで石灰化のみだったのが24年12月のマンモでは濃度の高い2.5cmの腫瘍となり発現のため増殖スピードを懸念

今後の治療を可能な限り後悔なく進めたく田澤先生の豊富なご経験からの御示唆を賜りたく投稿させて頂きました。

主治医からは転移は見受けられないので、手術→手術でとった細胞、リンパ節転移数を見てオンコ有無、抗がん剤、ホルモン剤を判断、ルミナルBのため化学療法は術後推奨 とお聞きしています。

ご質問1
全摘、温存の術式選択に関し、乳房腫瘍の場所が後ろの方にあるので筋肉は残せると思うが(2.5cmのため温存も可だが)全摘の方が良いのではと主治医より言われています。
ただ数十年続けてきた生き甲斐のテニスの存在が、全摘と温存とで術後の腕や体の状態がどの程度変わってしまうか(がんを取りきること、命が最重要で勝手を申していると承知しておりますが…)が大変気掛かりで、かつ利き手の右側手術となるため【全摘、リンパ節郭清レベル2まで実施】で進めるべきか、温存を選ぶことによる利益・不利益を含め、田澤先生のご意見を伺いたいです。(生存、再発率は同じ、でしたでしょうか)
術後の生活や人生がどう変わるかを理解した上で治療を選択したいと考えております。

ご質問2
(術後の細胞結果によるが)現状では術後化学療法はEC、タキサン6ヶ月を主治医より提示されております。田澤先生であれば私のような検査結果、ステージの者へはどのような治療方針、レジメンをご提示くださいますでしょうか
(田澤先生の過去QAより、局所と全身療法の違い、オンコは抗がん剤実施すべきかの指標と理解させて頂きました)。

ご質問3
私のような検査結果、ルミナルB患者の場合、今後の治療内容を踏まえると、医療機器や選択させて頂ける治療の選択肢の差が、病院さまによってどの程度出てくるものでしょうか。転居となりますが江戸川病院さまにお願いするべきなのでしょうか。私のような病状のルミナルBの手術、術後治療の選択肢の差が病院さまによってどの程度異なるのかを、よく理解しきれておらず気になっております。

以上となります。手術決断までの時間や余裕もなく本来なら通院させていただくべきところを遠方におり細かな点までご質問してしまい大変恐れ入ります。
御教示のほどよろしくお願い申し上げます。

田澤先生からの回答

こんにちは。 田澤です。

主治医からはルミナルBのため化学療法は術後推奨 とお聞き
⇒誤りがあります。

「ルミナールBのため」とありますが、(そして、その根拠はKi67=45%だから)だと思いますが…
「Ki67の値だけでルミナールAorBを判断する」ことは全くの誤りです。
♯それを判断するための検査が「OncotypeDX」なのです。
つまり(Ki67の値がどうあれ)OncotypeDXでlow riskならば「ルミナールA相当」となるし、high riskならば「ルミナールB相当」なのです。

ご質問1
全摘、温存の術式選択に関し、乳房腫瘍の場所が後ろの方にあるので筋肉は残せると思うが(2.5cmのため温存も可だが)全摘の方が良いのではと主治医より言われています。
ただ数十年続けてきた生き甲斐のテニスの存在が、全摘と温存とで術後の腕や体の状態がどの程度変わってしまうか(がんを取りきること、命が最重要で勝手を申していると承知しておりますが…)が大変気掛かりで、かつ利き手の右側手術となるため【全摘、リンパ節郭清レベル2まで実施】で進めるべきか、温存を選ぶことによる利益・不利益を含め、田澤先生のご意見を伺いたいです。(生存、再発率は同じ、でしたでしょうか)
術後の生活や人生がどう変わるかを理解した上で治療を選択したいと考えております。

⇒全摘、温存で腕に影響するとすれば、それは「傷の長さ=突っ張り感」だけです。
通常「突っ張り感」は時間の問題なので「テニスするために(全摘よりも)温存を推奨」という理由はありません。

♯ 因みに乳腺を温存してもしなくても、リンパ節郭清の程度は「勿論」一緒です。
(念のため)

ご質問2
(術後の細胞結果によるが)現状では術後化学療法はEC、タキサン6ヶ月を主治医より提示されております。田澤先生であれば私のような検査結果、ステージの者へはどのような治療方針、レジメンをご提示くださいますでしょうか。
(田澤先生の過去QAより、局所と全身療法の違い、オンコは抗がん剤実施すべきかの指標と理解させて頂きました)。

⇒そもそも…
冒頭でコメントしたように現時点で抗癌剤必須ではありません。
術後にその手術病理結果にて
リンパ節転移が3個以内ならばOncotypeDXすべきであり、(そこで)もしもRS>25ならばTC療法推奨
リンパ節転移が4個以上ならば(OncotypeDXの適応外であり) 化学療法レジメンとしては担当医のいう「anthracycline followe by taxane」でいいでしょう。

ご質問3
私のような検査結果、ルミナルB患者の場合、今後の治療内容を踏まえると、医療機器や選択させて頂ける治療の選択肢の差が、病院さまによってどの程度出てくるものでしょうか。転居となりますが江戸川病院さまにお願いするべきなのでしょうか。私のような病状のルミナルBの手術、術後治療の選択肢の差が病院さまによってどの程度異なるのかを、よく理解しきれておらず気になっております。

⇒まずルミナールBと決まったわけではないことを再度ご確認の上…

これは施設ではなく、個々の医師のスキルの差(手術精度と薬物療法の知識)です。
大きな病院では「安心?」というのは、はっきり言って「幻想」です。実際に(患者さんに)対峙するのは個々の医師であり、未熟な医師により(カンファランスなるものを盾に)治療を受けることに(私は)何ら価値を見出せません。
ご参考に。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/21
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