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ルミナルA センチネルリンパ節転移 抗がん剤について

[管理番号:12404]
性別:女性
年齢:44
病名:両側浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2025年01月18日

10月に両側切除生検後、転院し、1月(中旬)日に両側乳頭温存乳房全切除術+センチネルリンパ節生検を受けたばかりです。
右のセンチネルリンパ節に1.9mmの転移があったが、2mm以下のためリンパ節郭清は省略したと聞いています。

以下は10月の切除生検の結果です。
右:浸潤性乳管癌(硬癌)8mm 核グレード1 ステージⅠ
ER(+) PgR(+) Ki67(8%)
  
左:浸潤性乳管癌(充実性) 4mm 核グレード1 ステージI
ER(+)PgR(+) Ki67(8.2%)断端陽性

今回の全摘術の前は、いずれもルミナルAタイプのため、術後はホルモン療法になるだろうとのことでした。
しかし、今回リンパ節転移もあり、病理結果次第では、抗がん剤や放射線も必要になるかもしれないと説明を受け、手術直後からショックを受け、気が気ではありません。

追加でのリンパ節郭清とオンコタイプの希望を伝えましたが、
①リンパ節郭清してもしなくても治療法には影響しない(リンパ節を取ったから化学療法しなくていい理由にはならない)
 St.Gallen 2015でのvotingでは「luminalAに化学療法を追加する基準」としてはリンパ節転移4個以上としていますが、微小転移でリンパ節郭清を省略している場合にはリンパ節転移の数は気にしなくていいのでしょうか?

②右乳房の腫瘍は前の病院で取りきれている可能性が高く、取り寄せて検査に出す方法もあるが、今回の病理結果で新たに右に残ったものが出てきた場合には、無意味なものとなる。2~3週間後の病理結果を待ってからでよいのではないかと言われました。

他の方への回答で、サブタイプとステージは無関係。(リンパ節転移にしろ、腫瘍径にしろ全く関連ありません)サブタイプは単純に術後治療の選択と関連するだけです。

「リンパ節転移があるから、抗がん剤が必要」と言う考え自体全くナンセンス(『今週のコラム 188回目 このデータを見ても、まだ「リンパ節転移があると(ルミナールAでも)化学療法が必要だと思いますか??」をご参照ください』との回答も読ませていただきました。

①②に対する田澤先生のご意見と「ルミナルAタイプ+センチネルリンパ節転移1.9mmの場合、術後の全身療法」についてのお考えをお聞かせください。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

シンプルに考えましょう。
1.リンパ節について
そもそも「センチネルリンパ節生検の取り扱い」は事前にその施設基準で取り決めされた入る筈です。
2mm以下なら郭清省略の予定だったら、今回その通りだから「今さら疑問に思う理由がない」ですよ。

2.抗癌剤をすべきか?について
OncotypeDXを右で行うことで(その結果に従えば)いいと思います。

3.放射線について
不要です。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/4
***

  

質問者様から 【質問2】

ルミナルA リンパ節転移 術後の補助療法について
性別:女性
年齢:44
病名:
症状:
投稿日:2025年01月31日

ルミナルAタイプの浸潤性乳管癌があり、1月に両側乳頭温存乳房全切除術+センチネルリンパ節生検を受けました。

右のセンチネルリンパ節に1.9mmの転移があったが、2mm以下のためリンパ節郭清は省略したと聞いていましたが、術後の病理診断の結果9mmの転移でした。
右:pT1bN1M0 StageⅡA ・リンパ節転移9mm1つ 左:pT1aN0M0 StageⅠA
追加でリンパ節郭清しなくてよいか尋ねましたが、追加郭清しても抗がん剤や放射線治療をしなくてもよいという結果にはならないと説明を受けました。
閉経前のリンパ節転移陽性例ではオンコタイプDXの結果で抗がん剤をしなくてもよいという結論は出せないと説明を受け、PET/CTの検査を勧められました。
オンコタイプDXもPET/CTも検査の申し込みをしました。

以下は提示された今後の治療方針です。
①抗癌剤:EC療法 3W1回×4サイクル、ドセタキセル3W1回×4サイクル
②放射線療法:右側乳房、胸壁、鎖骨上リンパ節
③内分泌療法:タモキシフェン内服10年、LH-RHアゴニスト皮下注5年
④エスワン内服1年

それぞれの上乗せ効果を尋ねたところ、Predictでは放射線治療と内分泌療法はそれぞれ+0.2%
抗がん剤治療は-0.1%とメリット無しの結果との説明を受け、なおさら疑問に思っています。
本当に追加郭清は必要ないのか、①~④の治療方針に対する先生のご意見をお聞かせください。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

閉経前のリンパ節転移陽性例ではオンコタイプDXの結果で抗がん剤をしなくてもよいという結論は出せないと説明
⇒完璧な誤り
この様な誤りをいう医師が未だにいることに少々戦慄を覚えます。

以下は提示された今後の治療方針です。
①抗癌剤:EC療法 3W1回×4サイクル、ドセタキセル3W1回×4サイクル
②放射線療法:右側乳房、胸壁、鎖骨上リンパ節
③内分泌療法:タモキシフェン内服10年、LH-RHアゴニスト皮下注5年
④エスワン内服1年

⇒すべてに私は賛成できません。

1.まずは8mmのリンパ節転移だったのだから「追加郭清」検討すべき
2.その後、リンパ節転移が3個以内と確定したら
3.OncotypeDXする
♯3個以内なら放射線もしません。

担当医の方針と「かなり」乖離していると思いますが、無論その担当医の方針に納得すればそのようにするしかないでしょう。
ご参考に。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/2/21
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