[管理番号:11878]
性別:女性
年齢:57
病名:右乳がん
症状:リンパ節転移再発
投稿日:2024年06月19日
2018/6/(上旬) 右乳癌手術
エストロゲン受容体陽性 プロゲステロン受容体陽性 HER2陰性、ki-67 50%
術後化学療法半年(EC.パクリタキセル)その後放射線治療、ホルモン療法継続中
2024/6/(上旬) 採血にて腫瘍マーカーcea1.2、ca15-3 28.5.ST,493 5.5 I-ctp 3.2
2024/6/(中旬) PETCT で、右内胸リンパ節に集積あり、リンパ節転移再発と考えられます。と診断されました。
追加で、遺伝子検査(母と従姉妹4名乳がんの為)
質問1、リンパ節転移再発は、遠隔転移とは違うのですか?
リンパ節転移再発は根治は可能ですか?
質問2、遺伝子検査の結果の治療法のオラバリブは、脱毛の副作用はありますか?
ホルモン剤フェマーラでしたが、フェソロデックスになりました。
これからの治療の不安を少しでも減らしたいのでよろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問1、リンパ節転移再発は、遠隔転移とは違うのですか?
⇒無論、異なります。
リンパ節転移は(リンパ管を通っての)「リンパ行性」転移であり、遠隔転移とは(血管を通っての)「血行性」転移のことをいいます。
リンパ節転移再発は根治は可能ですか?
⇒血行性転移と比べて、その確率は間違いなく上です。(放射線照射も良く効きます)
質問2、遺伝子検査の結果の治療法のオラバリブは、脱毛の副作用はありますか?
⇒殆どありません。(添付文章参照)
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/5
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質問者様から 【質問2】
リンパ節再発転移
性別:女性
年齢:57
病名:右胸内リンパ節転移再発
症状:
投稿日:2024年07月05日
遺伝子検査の結果、陽性でした。
今は、リムパーザを服用してます。
①胸内リンパ節に転移再発したのですが、お薬だけで大丈夫でしょうか?リムパーサの効果はどれくらいでしょうか?
②初期治療で、放射線は終えているので、トモセラピーも無理ですか?
③胸内リンパ節転移再発は局所再発ではなく、遠隔転移再発ですか?もう根治は無理ですか?
④死ぬまでわ一生抗がん剤ですか?
⑤胸内リンパ節転移再発は予後は悪いですか?
⑥遺伝性乳がん再発転移は、予後は悪いですか?
⑦再発転移は、早く治療をしても遅くしても、予後は一緒と言うのは本当ですか?
⑧胸内リンパ節転移再発は症例は少ないですか?
⑨リムパーザが効かない場合は次はどのような治療が良いですか?
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
①胸内リンパ節に転移再発したのですが、お薬だけで大丈夫でしょうか?リムパーサの効果はどれくらいでしょうか?
⇒抗癌剤も検討の余地が大いにあります。
②初期治療で、放射線は終えているので、トモセラピーも無理ですか?
⇒照射野が重なる場合には無理です。
(自由診療ですが)BNCTは可能です。
③胸内リンパ節転移再発は局所再発ではなく、遠隔転移再発ですか?もう根治は無理ですか?
⇒前回の質問と一緒? (前回の回答を参照してください)
同じ質問には再度回答しません。
④死ぬまでわ一生抗がん剤ですか?
⇒それは、そもそも不可能です。(一生抗がん剤をし続けることは体力的には精神的にも不可能です)
まずは画像上消失(cCR)⇒そうなると選択肢がいろいろ出てきます。
⑤胸内リンパ節転移再発は予後は悪いですか?
⇒少なくとも内臓転移よりは圧倒的にcCRを狙えます。
⑥遺伝性乳がん再発転移は、予後は悪いですか?
⇒無関係
⑦再発転移は、早く治療をしても遅くしても、予後は一緒と言うのは本当ですか?
⇒実際にはそう思いません。
⑧胸内リンパ節転移再発は症例は少ないですか?
⇒それも違います。
⑨リムパーザが効かない場合は次はどのような治療が良いですか?
⇒そもそも(olaparib以前に)bevacizumab/paclitaxel, eribulinなどの抗癌剤やCDK 4/6 inhibitorなどより効果が期待できる薬物療法が沢山あります。
主治医と(自分自身が何を望んでいるのか)相談しましょう。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/15
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質問者様から 【質問3】
内胸リンパ節再発転移
性別:女性
年齢:58歳
病名:内胸リンパ節転移再発
症状:
投稿日:2024年07月27日
①内胸リンパ節は手術はできないのですか?
しても意味がないのですか?
リスクが大きいのですか?
②BNCTで根治の可能性はありますか?
③タイプはルミナールBでしたが、再発後にサブタイプは変わってる可能性はありますか?HER2の可能性は?
④内胸リンパ節転移から、他のリンパ節に転移が広がって行くのでしょうか?
⑤手術側の内胸リンパ節だから、局所再発にはならないのですか?
⑥最初の手術の検体調べ直した結果HER2低発現でした。
リムパーザを今服用してますが、先にエンハーツの治療がよいのですか?
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
①内胸リンパ節は手術はできないのですか?
しても意味がないのですか?
リスクが大きいのですか?
⇒開胸手術となるリスクもあり、通常手術は(できないというよりは)選択されることはありません。
②BNCTで根治の可能性はありますか?
⇒何か勘違いがあるようです。
治療の中心は(根治を本気で狙うならば)抗癌剤となるでしょう。
ただ局所治療が可能であれば、それも併用すべきであり(放射線が既照射野と重なる場合には)局所治療としては十分に期待できると思います。(重ねて言いますが本気で根治を狙うのであれば局所治療のみではなく、抗癌剤が中心となるでしょう。)
③タイプはルミナールBでしたが、再発後にサブタイプは変わってる可能性はありますか?HER2の可能性は?
⇒それはありますが、それを調べる理由で手術はしません。
④内胸リンパ節転移から、他のリンパ節に転移が広がって行くのでしょうか?
⇒放置すればいずれその可能性は大いにあります。
⑤手術側の内胸リンパ節だから、局所再発にはならないのですか?
⇒局所再発ですよ。
⑥最初の手術の検体調べ直した結果HER2低発現でした。
リムパーザを今服用してますが、先にエンハーツの治療がよいのですか?
⇒前回回答⑨で記載したように、それらよりもbevacizumab+paclitaxel, eribulinを検討すべきと思います。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/7
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質問者様から 【質問4】
セカンドオピニオン
性別:女性
年齢:58歳
病名:乳がん再発
症状:右内胸リンパ節転移再発
投稿日:2024年09月13日
6月に右内胸リンパ節再発、手術は出来ない、放射線も同じ所には出来ない、局所治療は出来なくて、
7月にBRCA2と分かりリムパーザを服用してます。
主治医からは治らないと言われ、ショックを受け絶望して、セカンドオピニオンに某有名ながん専門病院にも行きました。
そちらでも根治を目指すのではなく、がんと上手く付き合っていく事を目指しましょうと言われ、緩和ケアを勧められました。
きつい抗がん剤で命を落とす可能性があるから、それより楽な治療法をと言われました。
でも、効かなくなったは強い抗がん剤する事になりますよね。
私はまだ諦めたくないのです。
放射線はもう無理みたいです。
それでも根治を目指した治療はできますか?
リムパーザの効果を期待するより先に抗がん剤をした方が良いのでしょうか?
CCRの先に、根治を目指したどのような治療法がありますか?
教えていただきたいので、
田澤先生にセカンドオピニオンをお願いしたいです。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。 田澤です。
前回の質問にダブっているようですが、(前回の)回答読んでますか?
放射線はもう無理みたいです。
⇒本当に無理なのか?
照射野が被らないのか?
一度、当院放射線科を受診し「照射野を当院放射線科医に確認してもらっては」如何でしょうか?
その上で(もしも重なっていて難しい場合には)現在は、pilot studyは終了して自費診療となっているBNCTは可能だと思います。(これも、放射線科医に相談してみてください。)
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
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質問者様から 【質問5】
放射線治療と抗がん剤
性別:女性
年齢:58歳
病名:右乳がん
症状:内胸リンパ節再発
投稿日:2024年10月26日
いつも丁寧に答えて頂きありがとうございます。
前回アドバイスで、、江戸川病院の放射線科で診察して頂きトモセラピーによる再照射可能と判断頂きました。
アドバイス頂きありがとうございました。
7月からリムパーザ服薬で、腫瘍マーカーが
6月CEA1.2 ca15-3 28.5
7月CEA1.3 ca15-3 30.6
8月CEA1.2 ca15-3 28.5
9月CEA1.2 ca15-3 28.3
10月CEA1.2 ca15-3 30.1
①.6月のpetではリンパの腫瘍は7~9mmでしたが、腫瘍マーカーが微妙に上がっている為大きくなってきてるのでしょうか?
②.放射線治療をする場合は、やはり抗がん剤が先が良いですか?
その場合、抗がん剤が効かなくて転移広がらないか心配です。
それとも、抗がん剤の効果で小さくなったり消えてしまってから、放射線治療が良いですか?
③抗がん剤は、アバスチン?パクリタキセルとハラヴェン、どちらが良いのかですか?
TS-1はどうですか?
初発でパクリタキセルはしてますが、再度しても効くのでしょうか。
④あるお医者さんのブログで、アバスチンはエストロゲンの濃度が高いとアバスチンが効きにくいので、エストロゲンのシグナル伝達を抑えながらすると良く効くと言われてました。フェソロデックスと併用する事は可能ですか?
⑤遺伝性乳がんの抗がん剤治療でタキサン系は効かないと言う情報がありました。パクリタキセルは効きが悪いのでしょうか?
トモセラピーが出来る事で希望が持ててます。
今出来る最善の治療で
CCRになり、根治を目指したいです。
田澤先生から 【回答5】
こんにちは。田澤です。
質問回数が多い(今回5回目ですよね?)のはいいとして、同じ内容が多いようです。(きちんと回答を読んで理解しましょう)
今回の質問も前回までに回答していますが、「まとめて」再度回答します。
(その某有名病院の医師が何を言ったとしても私は全く関心はないので、質問者自身が自分はどうしたいのか?が最も重要と考えます。)
根治を本気で考えるのであれば(その某有名病院の医師に何を言われたのか?は全く無視して)
まずはcCR(画像上完全消失)を狙う⇒それを可能な限り継続する⇒(継続が10年、20年と長くなれば)根治ではないと誰が言えますか??
そのためには「局所治療」と「全身治療」で最善を尽くすことを考えましょう。
PS(parasternum lymph node)だけなのだから、まずは「局所治療」としてトモセラピー(再照射可能なのだから)を行います。
その後は「全身治療」となりますが…(既治療としては「術後補助療法」としてanthracycline, paclitaxelをやってますよね?)
そうなると選択肢は以下のように、かなり多い
1.Bevacizumab+paclitaxel
2.Eribulin
3.EC(anthracyclineの再登場:術後補助療法として使用しただけだし、生涯投与量の半分以下しか投与されていないので候補とはなる)
4.Docetaxel
5.Trastuzumab-deruxtecan
6.Olaparib
7.CDK 4/6 inhibitor + hormone
現在、質問者は6をやっているわけですが、(私から見れば)それは消極的治療(言い換えれば「他人事としての」治療)と言えます。
私であれば、
上記1を3か月~(モチベーション次第で)6か月行い、その後上記7を行います。
♯今までも殆ど同じようなケースで、上記治療を行い5年以上cCR継続している方は非常に多くいらっしゃいます。
そのような「成功体験」を多く持ってない限り、医師は常に(自分の身内ではないので)消極的治療(他人事治療)とするようです。
◎次の質問として『何で、主治医と治療法が違うのですか?』的なものは辞めてください。
経験量(言い換えれば「成功体験」の量)が異なるのだから、仕方が無いのです。
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<質問が5回に達した方>
・次の質問(6回目)から、1か月空けてください。
・再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/12/7
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