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トリプルネガティブ(ステージ3C)と診断、治療について

[管理番号:11789]
性別:女性
年齢:30
病名:乳がん(トリプルネガティブ)
症状:
投稿日:2024年05月11日

お世話になります。
こちらのサイトを拝読させていただき、ネット情報での不安から前向きに考えられるようになりました。

婚約者が5/(上旬)に乳がんと確定診断され、現在は検査をしているところです。
5/(上旬)の針生検の結果のメモ?を見ると、
左乳がん
浸潤性乳がん 28×21mm
全体39mm範囲
ER(-) pgr(-)
HER2陰性
ki67 50%
左わきリンパ節転移

前胸部にもしこり?転移の可能性がある怪しい部分があるとのことでした。

5/(上旬)にPET-CT検査を行い、5/(中旬)の遺伝子検査の際に医師から口頭でステージ3Cと言われたとのことです。(検査は医師ではなく技士の方がされたようです。)
遠隔転移はおそらくないがぎりぎりで、ほぼステージ4で早期に治療を進めたい。2週間は大丈夫かもだが1ヶ月は待てない。とのことです。
治療は今月末から術前抗がん剤治療を半年、薬は2種類(失念してしまいました)でその後に手術、術後抗がん剤治療と放射線治療の計画です。
前胸部の腫瘍?が奥にあり手術は不可で術前抗がん剤で縮小を目指していくそうです。

こちらのサイトで遠隔転移の確率や術前抗がん剤治療のデメリット等を拝読し、診断結果や治療方針に疑問を持ち質問させていただきます。

①CT検査の誤診と信じたいのですがステージ3Cと診断されるほどの進行度であれば遠隔転移の可能性も十分考えられるのか?

②前胸部の転移が奥にあり手術ができないことはあるのか?

③3.9mmまで肥大していればやはり進行度は高いのか?

彼女は全摘ではなく温存を希望しており、それなら術前治療もいいのかと考えていましたが、進行しているなら全摘でもいいから手術先行で命を優先にと私は考えています。

抗がん剤で子供が望めなくなる前に卵子凍結を視野に入れていますが、治療が始まるまで時間がなく彼女も間に合わないかもと半分諦めています。

セカンドオピニオンもどうかと話しましたが、癌が進行しているからそれで治療開始まで期間が伸びるくらいなら検査しているがんセンターの治療をしていくという気持ちのようです。

私はどういう治療をしていくかも後悔しないように選択したいと思っています。

④これからそちらの乳がんプラザ様でセカンドオピニオン、転院等を進めていくとなるとやはり時間が掛かってしまうでしょうか?

乱文申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

①CT検査の誤診と信じたいのですがステージ3Cと診断されるほどの進行度であれば遠隔転移の可能性も十分考えられるのか?
⇒考えすぎです。

②前胸部の転移が奥にあり手術ができないことはあるのか?
⇒私の解釈では、その「前胸部の転移」とは「胸骨傍リンパ節」のことではないでしょうか?

因みにステージ3Cという診断は
3Ca:鎖骨下リンパ節(レベル3)
3Cb:胸骨傍リンパ節
3Cc:鎖骨上リンパ節

質問者の場合は(前胸部の転移という表現が胸骨傍リンパ節のことであれば)ステージ3Cbとなりますが、情報が不足しているようです。(実際に「鎖骨下リンパ節に転移があるのか?」「胸骨傍リンパ節に転移があるのか?」「鎖骨上リンパ節に転移があるのか?」)

③3.9mmまで肥大していればやはり進行度は高いのか?
⇒39mm自体は大した拡がりではありません。

彼女は全摘ではなく温存を希望しており、それなら術前治療もいいのかと考えていましたが、進行しているなら全摘でもいいから手術先行で命を優先にと私は考えています。
⇒まずは今週のコラム364回目 pembrolizumab術前術後補助療法への適応拡大

トリプルネガティブ(2期以上)では術前抗がん剤を行う唯一の(温存以外の)メリットとしてpembrolisumab(carboplatinも)が使えます。
ただ、上記コラムを参照してもらい「そのデメリットも十分に理解した場合のみ」と私は考えています。

そもそも、その主治医は「2剤」と話しているのはpembrolizumab投与ではなく、普通の「anthracycline+taxane]を予定しているのでしょうか?
★まずは上記「pembrolizumabレジメンなのかどうか?」を主治医に確認すべきです。

④これからそちらの乳がんプラザ様でセカンドオピニオン、転院等を進めていくとなるとやはり時間が掛かってしまうでしょうか?
⇒事情は了解しました。

即日(実際の公開は翌日)回答となるように緊急性を理解しました。
ご主人さえ、よければ徹底的にいきましょう(無論、無理強いはしません)

★ただ、「検査は医師ではなく技士の方がされたようです」というのが事実であれば(実際に腋窩、鎖骨下、傍胸骨、鎖骨上などのエコー)を自分で行わずに「手術云々の話をすること自体」私から見ればナンセンス!極まりない。
そんなことで、その患者さんに完璧な手術(例え、それが術前抗がん剤後であろうと)が行える筈はありません。
もっと、言えば(言い過ぎかもしれませんが)「完璧に把握して、手術で完璧に切除する」という意志が最初から欠如しているとしか思えません。(どうせ鎖骨下や鎖骨上に転移があっても、自分では手術できないしとかの理由もありそうですが)

本来の外科医であれば、「どこにどのようなリンパ節転移があるのか?」自分の目で正確に把握し、それをもとに「手術で確実に切除する」というものでなくてはいけません。
最期は(いつもお決まり?の)愚痴になってしまいましたが、他院から(特にがんセンター系が多い)そのように患者さん自身が感じて当院へ転院し手術している人が確実に増えていることを肌で感じているのです。

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2024/5/23
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