[管理番号:11707]
性別:女性
年齢:39
病名:
症状:
投稿日:2024年04月01日
いつもQAのご対応、また、大変参考になるコラムの公開、ありがとうございます。
以下、2つ質問させてください。
質問1
ホルモン受容体陽性の乳がん患者です(Er20%、Pgr50%)。
摘出手術→AC-T療法が終わり、そろそろホルモン療法(タモキシフェン+リュープリン)に入る予定なのですが、この時、化学療法とホルモン療法の間はどれほど空けても大丈夫でしょうか?
術後化学療法に関しては、術後2~3ヶ月以内に開始、といった間隔があったのですがホルモン療法の場合もそういった間隔があるのでしょうか?
なお、現在は化学閉経状態ですが、FSHが49.2mIU/ml、エストラジオール血清が10.0pG/mlといった数値で、完全閉経はしていません。
質問2
定期検査について教えてください。
エコーと腫瘍マーカーは3~6ヶ月毎に受診が一般的と思いますが、造影CT(もしくはペットCT)や骨シンチについてはどの程度の間隔で受けられると良いでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
質問1
ホルモン受容体陽性の乳がん患者です(Er20%、Pgr50%)。
摘出手術→AC-T療法が終わり、そろそろホルモン療法(タモキシフェン+リュープリン)に入る予定なのですが、この時、化学療法とホルモン療法の間はどれほど空けても大丈夫でしょうか?
術後化学療法に関しては、術後2~3ヶ月以内に開始、といった間隔があったのですがホルモン療法の場合もそういった間隔があるのでしょうか?
⇒全くありません。
副作用が収まったら開始しましょう。
なお、現在は化学閉経状態ですが、FSHが49.2mIU/ml、エストラジオール血清が
10.0pG/mlといった数値で、完全閉経はしていません。
⇒tamoxifen+LH-RHagonistでOKですね。
質問2
定期検査について教えてください。
エコーと腫瘍マーカーは3~6ヶ月毎に受診が一般的と思いますが、造影CT(もしくはペットCT)や骨シンチについてはどの程度の間隔で受けられると良いでしょうか?
⇒私は、被爆を伴う画像検査(PET,CT,骨シンチ)は腫瘍マーカーの動きが無い限り「全く」行っていません。
♯ MMGは被爆はありますが軽度なので通常年に1回は行います。
♯2 患者さんが希望する場合に拒否することはありません(ただし非浸潤癌を除く)
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/4/15
***
質問者様から 【質問2】
腫瘍マーカーの上昇について
性別:女性
年齢:40
病名:
症状:
投稿日:2024年07月10日
先日は回答ありがとうございました。
4月は先生にアドバイスいただいた通り副作用からの回復につとめ、5月よりホルモン
療法を始めました。
新たな相談がありまして、質問させていただきます。
以下の通り腫瘍マーカーが上昇しており、しかし胴体(胸~下腹部)の造影CTでは特
に異常無しとのことで、不安を拭い切れない状況に非常に不安になっております。
この状況をどう判断すべきか?
次に進むべきステップは?
これらについて田澤先生の見解をいただけないでしょうか?
何卒よろしくお願い申し上げます。
〈腫瘍マーカーの値〉
「-」= 計測しておらず
2023年9月(乳がん発覚時)
CEA: 1.9
CA15-3: 8.2
CA19-9: –
*なお、この時妊娠中
2024年3月(ケモ終了直後)
CEA: –
CA15-3: 8.9
CA19-9: –
2024年4月
CEA: 3.1
CA15-3: –
CA19-9: 59.2
2024年5月
*タモキシフェン服用開始(リュープリンはまだ)
2024年6月
CEA: 4.7
CA15-3: 4.8
CA19-9: –
*造影CTも撮影し、異常無し
2024年7月
CEA: 5.2
CA15-3: 6.7
CA19-9: –
〈2024年6月の造影CTのコメント〉
明らかな再発転移は認められません。
新たな悪性腫瘍を疑わせる所見も認められません。
2023年の化学療法前CTと比較しました。
左乳癌にて左乳房全摘後、局所に再発を疑わせる所見は認められません。
対側右乳房に特記すべき異常所見は認められません。
左腋窩レベルⅠのリンパ節がやや目立ちますが、前回より増大傾向のものはありません。他リンパ節に有意な腫大は指摘できません。
両肺に特記すべき異常所見は認められません。
胸水貯留を認めません。
前縦隔の軟部影は反応性胸腺過形と思われます。
肝、胆道系、膵、脾、副腎に特記すべき異常所見は認められません。
右腎結石/石灰化、左筋嚢胞を認めます。
ダグラス窩に少量の腹水貯留を認めますが、生理的変化の範囲内と考えます。
骨に転移を考慮する所見は認められません。
追伸:
先生の過去コラムを拝読しまして… すみません、自分が大好きなお宿を先生も推されていたのが嬉しくての追伸コメントになります。
私も熱海のあのお宿が大好きで、毎年1回ほど訪れています。
あのお風呂から眺める海や日の出を見てると、本当癒されますし、食事も最高で、本当に素敵なお宿ですよね。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
この状況をどう判断すべきか?
次に進むべきステップは?
これらについて田澤先生の見解をいただけないでしょうか?
⇒ポイントは2つあります。
1.CEAの上昇が「それほど」ではない。しかも治療(抗癌剤やホルモン療法)の影響を一時的に受けている可能性がある範囲内
2.CA15-3の上昇がない
以上よりCTで異常無ければ(ホルモン療法開始に伴う影響がとれてくると)自然に下がってくる可能性あり
ただし、このまま上昇するようなら骨シンチしておくといいでしょう
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/7/29
***
質問者様から 【質問3】
CEAの急上昇(記載漏れを追記)
性別:女性
年齢:40
病名:
症状:
投稿日:2024年08月05日
※申し訳ありません、約30分前に追加質問をサブミットしたのですが、記載漏れがありましたので、加筆して再サブミットさせていただきます。※
先日は回答ありがとうございました。
先生の「それほどの上昇ではない」というコメントにホッとしていたのですが、残念ながら約2~3週間でCEAが倍近くに上がってしまいました。
2023年9月(乳がん発覚時)
CEA: 1.9
CA15-3: 8.2
CA19-9: ?
*なお、この時妊娠中
2024年3月(ケモ終了直後)
CEA: ?
CA15-3: 8.9
CA19-9: ?
2024年4月
CEA: 3.1
CA15-3: ?
CA19-9: 59.2
2024年5月
*タモキシフェン服用開始(リュープリンはまだ)
2024年6月
CEA: 4.7
CA15-3: 4.8
CA19-9: ?
*造影CTも撮影し、異常無し
2024年7月
CEA: 5.2
CA15-3: 6.7
CA19-9: 40.8
2024年8月
CEA: 9.0
CA15-3: 5.2
CA19-9: 38.9
現在通っている病院では、ひとまず来月9月も血液検査をして、それでも上がってるようならPET-CTを…という段取りになりました。
このような段取りのスピード感で大丈夫でしょうか?
それとも、さっさとPET-CTを撮ってしまった方が良いでしょうか?
(主治医としては、6月の造影CTの結果異常所見がなかったので、急いでPETにしない方針のようです。)
また、なぜこんなにCEAだけ上がってしまうのか気になってしまっております。
2023年の4月頃まで喫煙していたので、その影響もあるのでしょうか?
(影響あるとすると、2023年9月のCEAの値が謎ですが…)
(成人してから喫煙と禁煙を交互に繰り返してますが、延べ7~8年ほどは喫煙していたと思います。)
なお、この2~3週間で、体に湿疹(帯状疱疹のようなぐじゅぐじゅ→かさぶたになったもの。帯状疱疹ではない。)と軽度の低温火傷をこさえております。
主治医曰く、そういった湿疹や外傷がある場合にも腫瘍マーカーはあがることがある、とのことですが、影響あるものでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
CEA 5.2⇒9.0は無論大いに気になりますが…
この2~3週間で、体に湿疹(帯状疱疹のようなぐじゅぐじゅ→かさぶたになったもの。帯状疱疹ではない。)と軽度の低温火傷をこさえております。
主治医曰く、そういった湿疹や外傷がある場合にも腫瘍マーカーはあがることがある、とのことですが、影響あるものでしょうか?
⇒過去の喫煙(私の経験上、過去の喫煙歴だけでCEA10が正常の方は数人いらっしゃいます)や(湿疹や熱傷などの)炎症も影響がありえます。
主治医のいうように「6月にCT撮影しているから、(更に)その湿疹や熱傷などの影響かも?」というのも大いに理解できるしそれでもいいですが、(CTで不明でも)PETで所見が出る可能性も考えれば「あれこれ悩むより」PETしてもいいのでは?
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/13
***
質問者様から 【質問4】
サブタイプと治療方針について
性別:女性
年齢:40
病名:
症状:
投稿日:2024年08月21日
先日は回答くださり、ありがとうございました。
私の予定とPETの予約空き状況がなかなか合わず、PET検査するにしても、結局次回診察以降の日付になってしまうことから、経過観察をすることにしました。
次回血液検査の結果がでましたら、改めて相談させてください。
本日は腫瘍マーカーの値ではなく、乳がんのサブタイプと治療方針について質問させてください。
最近、セカオピ医師から、以下のような指摘を受けまして…
-HER2陰性、かつエストロゲン感受性が、陰性ではないものの20%ほどしかない
-針生検の際に、化生癌の可能性も否定できない、との病理所見あり(但し、全摘後の病理では化生癌確認できず)
-ki64=34%、OncotypeDX RS=35とリスクが高い
-以上の結果から、ルミナルBよりもトリネガに近く、リスクが高い
-タモキシフェンが有効な癌細胞が20%しかないわけだし、AC-Tが効いてない癌細胞がある可能性もある
-乳がんサブタイプはあれど、基本、癌はヘテロなのでサブタイプ分けに固執してもいけない
-今後、トリネガ判定される癌細胞が転移再発で発見される可能性もある
-よって多剤併用の癌治療の基本から、できる抗がん剤はやるべき=ts-1を飲むべき
… 混乱しております。
以下、五月雨に箇条して恐縮ですが、相談させてください。
化生癌の可能性は最終病理で確認できなかったのに、針生検で可能性疑いがでていると、確認できなかっただけであるかもしれないから、等と、予後に影響するのでしょうか?
これまで~現在の治療(全摘→AC-T→タモ)効果では不十分の可能性ありとの見解で非常に不安になっています。
しかし、トリネガ寄りと言われてもホルモン感受性が陽性である以上、ゼローダやキイトルーダ等、トリネガ治療の適応資格もことごとくなく、適応資格でいえば現在追加で飲める抗がん剤はts-1だけで、しかし、田澤先生が推奨されていないようにPOTENT試験=ホルモン感受性陽性を対象にしてる&AC-Tまでやった対象者がほぼいないといった試験であり、今の私の状況に(重篤な副作用差っ引いても)どれだけ効果があるのか…
こういった指摘がでてしまうと、じゃあOncotype DXの上乗せ効果15%以上と出た事に意味ってないのか?と、信じてAC-T頑張ったのになぁと悲しいです。
また、上記にからめ、「転移再発を考えて再建などはあと2~3年待つべき。また、自家組織再建だとダウンタイムが長く、それなら生まれたばかりのお子さんとの時間を大切にしてください」と、予後悪いの覚悟しておけ、ばりのコメントもあり、涙目になっております。
治療方針について、どのように考えていくべきでしょうか?
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
正直、そのセカンドオピニオンの医師は「頭でっかち」で無用な不安を煽っているだけで全く無意味なコメントです。
治療方針について、どのように考えていくべきでしょうか?
⇒変える必要は「全く」ありません。
私がTS-1を勧めない理由は「お知らせ」を再読してください。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/8/29
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