[管理番号:11537]
性別:女性
年齢:42歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:腫瘍径 9ミリ
ER 陽性
PGR 陽性
HER2 2+(fishにて陽性)
腫瘍の悪性度 3
リンパ転移なし 0/1
脈管侵襲なし
断端陰性
ki67 30
ステージ1
投稿日:2024年01月12日
おはようございます。
初めて質問させて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
昨年の11月初旬に浸潤性乳管癌と診断されてからあまり眠れず、食事も取れないなど不安な日々が続きましたが、こちらでたくさん勉強させて頂くことで勇気を頂き、現在は12月初旬に手術をおえ正式な病理の結果が揃った状態となりました。
今後の治療について田澤先生のご意見をお聞かせください。
腫瘍径 9ミリ
閉経前
ER 陽性
PGR 陽性
HER2 2+(fishにて陽性)
腫瘍の悪性度 3
リンパ転移なし 0/1
脈管侵襲なし
断端陰性
ki67 30
ステージ1
との結果でした。
結果は上記内容のみしか聞かされておりません。
主治医の先生からは浸潤径についてのお話はなく、いつも腫瘍径を目安にお話をされます。
ここでまず質問させてください。
①病院によって浸潤径を測らない施設もあるのでしょうか。
主治医の先生は悪性度は3でki67の数値は低くはないが、腫瘍径が小さいということで当初は化学療法を行うか否かについては悩まれている様子でした。
そのためまずはfish検査の結果がでるまでに時間がかかることから先に放射線治療を始め、fishの結果が出て陰性であればオンコタイプを実施する予定でおりましたが結果は陽性。
オンコタイプは適用外となってしまいました。
乳房温存術を選択したため、fishの結果を待っている間に先に放射線治療を始めています。
②私の場合は腫瘍径が9ミリということで、浸潤径はこれと同等もしくは小さいため、先生のQAによく回答としてありますように、術後化学療法は考慮するに留まるということになりますでしょうか。
私のこの病理結果で先生でしたらどの様な治療方針をご提案されますでしょうか。
主治医からは、放射線治療のあと1週間程度期間をおいて、ウィークリーパクリタキセル+ハーセプチンで術後治療を始めましょうと言われておりますが、私自身、薬疹が出たことがあるなどアレルギー体質なため抗がん剤治療の副作用にとても不安があり、また眠れない日が続いてしまうようになりました。
③私の病理結果の場合、ホルモン治療のみと抗HER2療法を行った場合の再発率はどれくらいになりますでしょうか?
④放射線治療後に抗HER2療法をする事になった場合は最大で術後いつ頃までに治療開始しなければ治療効果は落ちてしまうものでしょうか。
放射線治療をしながら今後、抗がん剤治療を行うか否かについて自分の中で少し考える時間がほしいため教えてください。
⑤先生の患者様でウィークリーパクリタキセル+ハーセプチンの治療を受けていらっしゃる方々は仕事や日常生活に支障なく生活されている方が多いですか?
抗がん剤治療をしていた知り合いなどもおらず治療がどのようなものになるのか聞くことができず不安です。
たくさん質問させて頂き申し訳ございません。
田澤先生からのアドバイスよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
①病院によって浸潤径を測らない施設もあるのでしょうか。
⇒ありません。
病理結果に記載がある筈です。(もしも、敢えて「浸潤径」という記載が無い場合には、腫瘍径=浸潤径を意味していると解釈されます)
②私の場合は腫瘍径が9ミリということで、浸潤径はこれと同等もしくは小さいため、先生のQAによく回答としてありますように、術後化学療法は考慮するに留まるということになりますでしょうか。
⇒その通りですが…
HER2タイプの場合には「ルミナールやトリプルネガティブとは異なり」抗HER2療法の効果が非常に期待されるので「5mm~10mm」でも「10mmに近い場合には
(殆どの施設で)抗HER2療法を勧められる筈です。
私のこの病理結果で先生でしたらどの様な治療方針をご提案されますでしょうか。
⇒TC+trastuzumabx4⇒trasutuzuambx14
③私の病理結果の場合、ホルモン治療のみと抗HER2療法を行った場合の再発率はどれくらいになりますでしょうか?
⇒抗HER2療法は再発率を半分にします。
④放射線治療後に抗HER2療法をする事になった場合は最大で術後いつ頃までに治療開始しなければ治療効果は落ちてしまうものでしょうか。
⇒半年以内が常識的です。
⑤先生の患者様でウィークリーパクリタキセル+ハーセプチンの治療を受けていらっしゃる方々は仕事や日常生活に支障なく生活されている方が多いですか?
⇒その通りです。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/1/23
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質問者様から 【質問2】
抗HER2療法中の生理再開
性別:女性
年齢:43
病名:
症状:
投稿日:2024年10月05日
田澤先生、先日はお忙しい中お返事を頂きありがとうございました。
抗HER2療法は再発率を半分にすること、日常生活に支障なく生活されている方が多いとアドバイス頂き、抗HER2療法へ進むことができました。
先生のおっしゃったように問題なく日常生活が送れており、そして抗HER2療法をする事で再発、転移への不安が少なくなったことで精神的にも安定しており、治療をして良かったと思っています。
現在ですが抗がん剤治療が終了し、ハーセプチン単独(残り8回)+タモキシフェン治療を受けています。
抗がん剤治療が始まり2ヶ月程経過した6月初旬を最後に生理が止まっていたのですが、また10月の初旬に生理が始まってしまいました。
私の年齢では再開する方もいらっしゃるとは思うのですが、QAを拝見させて頂いていると数年経過してから再開される方が多いように思い質問させて頂きました。
①抗がん剤治療後に生理が再開した場合にはLH-RHアゴニストを併用するという内容をよく目にします。
田澤先生であれば、ハーセプチン単独治療中に生理が再開した私のような場合も併用することを勧められますでしょうか。
②抗HER2療法中に生理が再開してしまうようなケースは一般的によくあるケースなのでしょうか。
私のようなケースをあまり目にしないため先生のご意見をお聞かせ頂きたく質問させて頂きました。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
①抗がん剤治療後に生理が再開した場合にはLH-RHアゴニストを併用するという内容をよく目にします。
田澤先生であれば、ハーセプチン単独治療中に生理が再開した私のような場合も併用することを勧められますでしょうか。
⇒100%そうします。
②抗HER2療法中に生理が再開してしまうようなケースは一般的によくあるケースなのでしょうか。
⇒無論よくあります。
質問者は勘違いされているのかも?
Trastuzumab(pertuzumabも)には(抗がん剤とは異なり)卵巣毒性はないので、当然月経再開しても何ら不思議ではありません。
抗癌剤終了後「どの位で月経再開するのか?」は、(年齢も含めた)「卵巣の余力」なので、短期間で再開するケースはあります。
私のようなケースをあまり目にしない
⇒上記通り、何ら不思議ではありません。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/22
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