[管理番号:11510]
性別:女性
年齢:49
病名:
症状:全くありません。
投稿日:2023年12月22日
11月に健康診断にて触診とエコーの検査を行いました。健保の健康診断ではマンモかエコーどちらかになるので、今年はエコーにしました。
結果は左胸に乳管内病変の疑い5~10mmでカテゴリー3であったので、乳腺科専門の病院へ行きました。当然やっていなかったマンモをやったところ、石灰化が広範囲にあると指摘を受けました。私自身すっかり忘れていたのですが、別の病院で2021年10月にマンモを受けた際に同様の指摘を受けていました。その時に念のためにとMRIをやりましたが、問題はないとの事でした。
しかし経過観察として8ヶ月後2022年6月にもう一度マンモとエコーを行いましたが、その際は8ヶ月前と変わりはないとの事で、すっかり安心してしまい、今までずっと忘れていました。
今回は石灰化の広がり方が、悪性の場合に多い広がり方なので石灰化部分の細胞診と今回エコーで指摘されたところの細胞診も行い、MRIも撮ることになりした。
質問1は2021.10から2022.6に変化のなかった石灰化がその後広がる可能性はありますか?(病院が違うので比較ができずにいます)それは癌だからなのか、また別の理由からでしょうか。
質問2は健診でエコーで指摘されたのは一箇所でしたが、石灰化部分の細胞診はエコーを見ながら行ったと言うことは、石灰化部分も何かエコーに写っていたということでしょうか。マンモの写真を見せてもらって、比較的大きいサイズの石灰化部分あたりをとると言っていました。
質問3は石灰化の白い部分の大きさがまちまちでした。大きいサイズのモノはすでに浸潤をしているのでしょうか。エコーで見えなければ、まだしこりにはなっていない=浸潤もしていないとの理解でしょうか。
質問4は石灰化部分が広範囲と言うことは、今しこりのようなものが見つからなくても、リンパ節まで転移していることはありますか?脇の下をエコーで見ていましたが、特に指摘はありませんでした。自覚症状もありません。
質問5は私はまだ初期の段階でしょうか。ステージ0ですか?この状況からステージ2まで行くこともあるのでしょうか。石灰化からみつかる癌は非浸潤癌の可能性が高いようですが、非浸潤癌か浸潤癌かの区別はいつどのように行うのでしょうか。
おそらく担当の先生は石灰化の状況から悪性であるとほぼ確定しているような気がします。その上での細胞診とMRIで、次回細胞診の結果を聞きに行ったときに、さらに組織診を行うとのことでした。
長々と申し訳ありません。石灰化の質問にはすべて目を通させていただきました。よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
今回エコーで指摘されたところの細胞診も行い、MRIも撮ることになりした。
⇒MRIは診断には「全く無用」な検査です。
質問1は2021.10から2022.6に変化のなかった石灰化がその後広がる可能性はありますか?(病院が違うので比較ができずにいます)それは癌だからなのか、また別の理由からでしょうか。
⇒そもそも「本当に拡がっているのか?」が不明なのだから回答しようがありません。
因みに更年期の時期だから(癌と無関係である乳腺症に伴う石灰化も)増加することはあります。
質問2は健診でエコーで指摘されたのは一箇所でしたが、石灰化部分の細胞診はエコーを見ながら行ったと言うことは、石灰化部分も何かエコーに写っていたということでしょうか。マンモの写真を見せてもらって、比較的大きいサイズの石灰化部分あたりをとると言っていました。
⇒(マンモの画像であたりをつけて)超音波でみると「それらしく」見えることもあるし、(もしかすると今回の場合には)その部位に一致して「石灰化をおこしている」小腫瘤像のように見えるのかもしれませんね。
質問3は石灰化の白い部分の大きさがまちまちでした。大きいサイズのモノはすでに浸潤をしているのでしょうか。エコーで見えなければ、まだしこりにはなっていない=浸潤もしていないとの理解でしょうか。
⇒「石灰化のサイズと浸潤の有無」は全く無関係です。
質問4は石灰化部分が広範囲と言うことは、今しこりのようなものが見つからなくても、リンパ節まで転移していることはありますか?脇の下をエコーで見ていましたが、特に指摘はありませんでした。自覚症状もありません。
⇒無関係
質問5は私はまだ初期の段階でしょうか。ステージ0ですか?この状況からステージ2まで行くこともあるのでしょうか。
⇒ステージ0の確率が高いとは思います。
石灰化からみつかる癌は非浸潤癌の可能性が高いようですが、非浸潤癌か浸潤癌かの区別はいつどのように行うのでしょうか。
⇒術前組織診で「浸潤癌」が出れば、それで確定ですが、(術前組織診で非浸潤でも)手術標本で浸潤部分が見つかることはあります。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/1/2
***
質問者様から 【質問2】
広範囲の石灰化
性別:女性
年齢:49
病名:浸潤癌
症状:なし
投稿日:2024年01月19日
先生、年末のお忙しいところ、お返事をいただきありがとうございました。おかげさまで年末年始を前向きに過ごすことができました。
その後の経過で、再度質問があります。教えていただけると、ありがたいです。よろしくお願い致します。
細胞診の後、健康診断で指摘を受けた左胸の乳管内病変の疑い5~10mmはクラス2であったのですが、石灰化の部分はクラス3bとなり、針生検を行いました。残念ながら乳癌との告知を受け、今は全摘出に向けて事前の検査が始まるところです。2週間後にCTをとり、問題がなければ1ヶ月後に手術をする予定です。
現在まででわかっていることです。
エコーでの所見なし、左胸6時方向に、円錐状の石灰化が見られる。MRIの画像からは乳管の中に広がっている非浸潤癌と見られ、しこり状のものは確認できない。ただし、針生検の結果から浸潤癌であることが確定。悪性度2(1.5くらい) 、女性ホルモン陽性(エストロゲン+++,プロゲステロン±)、HER2(1+)
主治医の先生からいろいろな画像を見て、説明を受けましたが、後からいくつか疑問がわいてきましたので、お忙しい中申し訳ありませんが再度質問をさせて下さい。
針生検では、バチンと音が出るもので3回組織を採取していました。おそらく石灰化部分の何ヶ所かをとるためだと思います。
質問1.
3回分の組織から、サブタイプを確認する検査をしていただきましたが、術後にサブタイプが変わることもあると教わりました。3カ所からとっていれば、1カ所より信頼度が高い気がします。もし、術後に変わるのだとしたら、なぜ術前に確認する必要がありますか?術前に治療する人は、間違えた結果で治療されるリスクはないのですか?結果によって一喜一憂するようで、術前に患者に知らせる意義は何でしょうか。
質問3.
悪性度、ホルモン陽性陰性、HER2陽性陰性、など、術前と術後で変わりやすいのはどの部分とかはありますか?
質問4.
変わる可能性があると理解した上でですが、私の今のサブタイプは再発率や転移する可能性が高いものでしょうか。
質問5.
他に悪いところが無いか確認のためCTをとりますとのこと。これは遠隔転移を疑っているためでしょうか、それとも転移以外の全く別の病気が隠れていないか確認するためでしょうか。「可能性は低いですが、お腹に悪いものがないかなど確認します」、
というようなことをおっしゃっていたので、可能性は低くくても、すでに転移してることもあるの?と自分はまだ初期であると考えていて今まであまり心配していなかったのに、心配事が増えてしまいました。
質問6.
針生検から非浸潤癌が浸潤癌となったわけですが、細胞の顔つきは乳管の内側にあっても外側にあっても同じと理解するのですが、生検ではすでに、乳管から外に出ているところが確認できると言うことですか?どれくらい浸潤しているかまではわからないと言うことですよね?何をもって浸潤癌であると判断されているのでしょうか。
質問7.
想像するに、私の場合、非浸潤癌が乳管にそってある一定方向に広がっていて、一カ所なのか何ヶ所になるのか、浸潤している部分があるのだと思いますが、ただエコーやMRIにうつらないことから、浸潤径は数ミリ程度と考えていてよいのでしょうか。
質問8.
乳管への広がりが例えば3cmの長さだったとして、その3cmの管全体から浸潤していて、例えば管から垂直方向に3mmしか浸潤していなくても、菅に沿って3cm浸潤していたら、だいぶ大きなしこりとなるのではと思います。そのような状況は考えられますか?可能性があるとして、もし3cmにもなっていれば、いくら薄くても、触診でわかったり、エコーでうつるのでは?と思ったのですが、いかがでしょうか。先生の前の石灰化のお話「今週のコラム 293回目 石灰化 2.石灰化の進展と誤解 早期乳癌は小さい(狭い)の?」の中でも、菅が膨らんで急にしこりが大きくなったように見つかるけれども、マス全体が浸潤ではないので、最大浸潤径は小さい=早期とあったので、その情報に元気づけられています。そもそも私にはしこりは見つかっていないので、まだ膨らんではいないのかと思いますが、その代わりにマス全体から浸潤しているということはないのでしょうか。
手術が近づくにつれ、これまでステージ0か1かみたいな話だったのに、取り出してみたら、ステージがかなり進んでいましたとなることが怖くて、術後の検査結果が出るまで、強くいられるか不安でいっぱいです。
質問がたくさんになってしまいすみません。よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
質問1.
3回分の組織から、サブタイプを確認する検査をしていただきましたが、術後にサブタイプが変わることもあると教わりました。3カ所からとっていれば、1カ所より信頼度が高い気がします。もし、術後に変わるのだとしたら、なぜ術前に確認する必要がありますか?術前に治療する人は、間違えた結果で治療されるリスクはないのですか?結果によって一喜一憂するようで、術前に患者に知らせる意義は何でしょうか。
⇒サブタイプが変わることは「ほぼ」ありません。
質問3.
悪性度、ホルモン陽性陰性、HER2陽性陰性、など、術前と術後で変わりやすいのはどの部分とかはありますか?
⇒悪性度は変わってもおかしくはありませんが、サブタイプが変わることを予想する必要はありません。
質問4.
変わる可能性があると理解した上でですが、私の今のサブタイプは再発率や転移する可能性が高いものでしょうか。
⇒予後を考えるのであれば「サブタイプではなく」手術標本での浸潤径が重要と言えるでしょう。
質問5.
他に悪いところが無いか確認のためCTをとりますとのこと。これは遠隔転移を疑っているためでしょうか、それとも転移以外の全く別の病気が隠れていないか確認するためでしょうか。「可能性は低いですが、お腹に悪いものがないかなど確認します」、
というようなことをおっしゃっていたので、可能性は低くくても、すでに転移してることもあるの?と自分はまだ初期であると考えていて今まであまり心配していなかったのに、心配事が増えてしまいました。
⇒遠隔転移の可能性は「ほぼ」0であり、私であれば(当然)CTは撮りません。
(患者さん自身が強く希望しない限り)
質問6.
針生検から非浸潤癌が浸潤癌となったわけですが、細胞の顔つきは乳管の内側にあっても外側にあっても同じと理解するのですが、生検ではすでに、乳管から外に出ているところが確認できると言うことですか?どれくらい浸潤しているかまではわからないと言うことですよね?何をもって浸潤癌であると判断されているのでしょうか。
⇒顕微鏡で見れば解りますよ。
質問7.
想像するに、私の場合、非浸潤癌が乳管にそってある一定方向に広がっていて、一カ所なのか何ヶ所になるのか、浸潤している部分があるのだと思いますが、ただエコーやMRIにうつらないことから、浸潤径は数ミリ程度と考えていてよいのでしょうか。
⇒圧倒的にその確率が高い
質問8.
乳管への広がりが例えば3cmの長さだったとして、その3cmの管全体から浸潤していて、例えば管から垂直方向に3mmしか浸潤していなくても、菅に沿って3cm浸潤していたら、だいぶ大きなしこりとなるのではと思います。そのような状況は考えられますか?可能性があるとして、もし3cmにもなっていれば、いくら薄くても、触診でわかったり、エコーでうつるのでは?と思ったのですが、いかがでしょうか。先生の前の石灰化のお話「今週のコラム 293回目 石灰化 2.石灰化の進展と誤解 早期乳癌は小さい(狭い)の?」の中でも、菅が膨らんで急にしこりが大きくなったように見つかるけれども、マス全体が浸潤ではないので、最大浸潤径は小さい=早期とあったので、その情報に元気づけられています。そもそも私にはしこりは見つかっていないので、まだ膨らんではいないのかと思いますが、その代わりにマス全体から浸潤しているということはないのでしょうか。
⇒いろいろ無意味なことを考えすぎ!
手術標本の結果まで無意味な想像はこれ以上止めましょう。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/1/31
***
質問者様から 【質問3】
広範囲の石灰化
性別:女性
年齢:49
病名:浸潤癌
症状:
投稿日:2024年03月29日
先生、私の余計な想像に答えていただきありがとうございました。おっしゃる通り、
あまり考えず、手術までをなるべく穏やかに過ごしました。先月下旬に全摘出手術、
センチネルリンパ節生検(陰性で転移なし)を終え、先日病理検査の結果を聞きに行ってきました。
サブタイプは変更が無かったようで、詳しくは教えてくれませんでした。なのでグレードに変更があったのか、またki67がいくつであったのかまでの話にはなりませんでしたので、詳しことはまだわかりません。
腫瘍の大きさは非浸潤部分が9cm、浸潤部分が5mmでした。抗がん剤は必要ないとのこと。かなり広範囲に広がっていたため、ギリギリまで切っていただきましたが、ただ、一箇所だけ、皮膚側に断端陽性があったと説明されました。放射線治療を行うかはとても悩ましい、おそらく必要ないけど、私の希望で行なってもよいとの事でした。皮膚側はギリギリのところを焼き切っているため、実際は残っていないかもしれないし、先生も断端陽性になる理由として書かれていましたが、きちんと取り切ったけど、標本作成の過程で、脂肪部分が外れたか縮んだかで陽性になったかもしれない。皮膚を切ったところで、実際には無い可能性が高いとの見解でした。
今後の治療に関して、先生のご意見をお伺いしたいです。よろしくお願いします。
質問1.
抗がん剤は必要ありませんと言う事でホッとしたのですが、理由を確認していませんでした。本来ルミナールでもki67の数値が高ければ行うと思うのですが、高かった場合には、オンコタイプを確認して、投与を考慮した方がよいですか?それとも浸潤部分が5mmなので、サブタイプ等に関わらず抗がん剤は不要の判断になるのでしょうか。
質問2.
ホルモン剤は行いますと言われています。
今たまたま4ヶ月ほど生理が来ていませんが、まだ閉経の判断にはならないようで、
血液検査中です。実際にどれくらいの女性ホルモンが出ているか?を確認後、どのホルモン剤かが決まりますか?先生であればどれを使用しますか?血液検査結果次第でしょうか。
質問3.
一番の悩みは放射線になります。万が一残っている事を考え、放射線治療を行った方がよいでしょうか。行うことによるデメリットがメリットを上回るかの判断がつきにくいです。それとも皮膚側ですが追加手術も考えた方がよいのでしょうか。皮膚ではおそらく陽性部分がここです、とはピンポイントに当てることは難しいのかなと思っていて、担当医の先生も再手術は考えていないようです。
来週木曜日に治療方針を決める予定になっています。先生のご意見をぜひお聞きして、担当医と話をしたいと思っています。お忙しい中いつもありがとうございます。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
質問1.
抗がん剤は必要ありませんと言う事でホッとしたのですが、理由を確認していませんでした。本来ルミナールでもki67の数値が高ければ行うと思うのですが、高かった場合には、オンコタイプを確認して、投与を考慮した方がよいですか?それとも浸潤部分が5mmなので、サブタイプ等に関わらず抗がん剤は不要の判断になるのでしょうか。
⇒その通り、5mm以下は抗癌剤の適応外です
質問2.
ホルモン剤は行いますと言われています。
今たまたま4ヶ月ほど生理が来ていませんが、まだ閉経の判断にはならないようで、
血液検査中です。実際にどれくらいの女性ホルモンが出ているか?を確認後、どのホルモン剤かが決まりますか?先生であればどれを使用しますか?血液検査結果次第でしょうか。
⇒私はpT1a=5mmでは無治療とします。
「どうしても」と患者さんのご希望があれば(抗癌剤のように適応外ではないので)
行いますが、通常行いません。
質問3.
一番の悩みは放射線になります。万が一残っている事を考え、放射線治療を行った方がよいでしょうか。行うことによるデメリットがメリットを上回るかの判断がつきにくいです。それとも皮膚側ですが追加手術も考えた方がよいのでしょうか。皮膚ではおそらく陽性部分がここです、とはピンポイントに当てることは難しいのかなと思っていて、担当医の先生も再手術は考えていないようです。
⇒皮膚側断端は、非浸潤癌部分であれば手術で乳腺に切り込まない限りは全く問題ありません。(つまり執刀医が自信を持っていれば放射線も不要です)
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/4/8
***